Webページの制作において、デザイナーやプログラマーの会話から時折きこえてくる、『ジャバなんちゃら』とかいうワード。
「何なに?一昔前に流行った飲みものか、カレーの事!?」
それらの商品を思わず連想してしまった、Webデザイナーやプログラマーではないあなたは今、喉が乾いているか、もしくはお腹が減っているのかもしれません。
「いやいや、それにしても結構な頻度で会話に登場するので、よくよく耳をすませてみると…”ジャバ”と”ジャバスク、人によって言い方が違う!?
これって、おもしろい雑貨や本が置いてあるお店『ヴィレッジバンガード』を、「ヴィレッジ」と「ヴィレバン」って呼ぶような違いなのかも!?」
…通常ならそう思ってしまっても仕方がありません。
Web業界において一番まぎらわしい言葉といっても過言ではないでしょう。
この『ジャバなんちゃら』、正式には『Java(ジャバ)』と『JavaScript(ジャバスクリプト)』という名称で、それぞれの頭文字が同じなので、てっきり同義語だと思いますよね。
でもこの『Java』と『JavaScript』。
例えて言うならば、『オーストリア』と『オーストラリア』くらいに、全く違う別物なのです。
では、2つの違いが分かったところで、それぞれがどんな要素や役割を担っているのか、ひも解いていきましょう!
■Java(ジャバ)とは?
Javaは、Sun Microsystems社が開発した、プログラム言語です。
主に”仮想計算機”というものを使って、同じプログラムをいろいろな種類の計算機で動かす事ができるのが特徴です。
またJavaは、他の言語よりも完全なオブジェクト指向性が備えられているため、安全なセキュリティに加えて豊富なネットワーク関連の機能が標準で搭載されており、主にネットワーク環境で利用されることを強く意識した仕様になっています。
【Javaのソースコード例】
[code language=”css”]public class ●●● {
public static void main ( String[] args ) {
System.out.println( “●●●” );
}
}
[/code]
■JavaScript(ジャバスクリプト)とは?
JavaScriptは、Netscape社が開発した、スクリプト言語です。
主にInternet ExplorerやSafariといったWebブラウザ上で動作するのが特徴です。またJavaScriptは、HTMLの動的書き換えや入力フォームの自動補完など、Webページを使用する上でのパフォーマンスを向上させることに重点をおいています。
【JavaScriptのソースコード例】
[code language=”css”]
<script>
console.log( “●●●” );
</script>
[/code]
■紛らわしい名称、その訳と決定的な違いとは?
JavaScriptは開発当初、『LiveScript』と呼ばれていましたが、その文法をJavaに似せて作られた上に、当時のSun Microsystems社とNetscape Communications社が業務提携していたこともあって、『JavaScript』という名前に変更したと言われています。
決定的な相違点を挙げると、Javaは、コンパイルしてクラスというものに変換しないと実行できませんが、JavaScriptは、コンパイルしないままで実行できるという点です。
『Java』と『JavaScript』。
一見すると兄弟のようですが、全く異なる人物といったように、それぞれ全く違う言語と役割を持っているのです。
表側のWebページを閲覧しているだけでは、その違いを理解する事は極めて難しいことですが、実は見えない裏側で兄弟のようにそれそれの役割を果たしてくれているおかげで、私たちは今日も快適にネットサーフィーンができるという訳です。
ですから今後、Webページの制作をデザイナーやプログラマーに依頼する際には、「JavaScriptが分かるなら、Javaも書けるよね?」
なんて、まるで出来て当然のように言わないであげてくださいね。同じWebの畑とはいえ、畑違いもいいところです。
逆に、「この人、Webのことをまるで理解していないんだなぁ…」と思われてしまう恐れがあります。