システムエンジニア(SE)とは、コンピューターシステムを開発・構築することで、世の中を機能的に便利にする職種です。つまり、世の中に幾多とあるシステムを司る仕事とも言えます。
技術革新が進み、ネットワークやシステムが不可欠な時代になり、システムエンジニアの需要が増えることが予想されます。誰もが最初は未経験でシステムエンジニアを目指すわけですが、何を意識して進めるべきなのでしょうか。未経験の方がシステムエンジニアを目指す方法や勉強法を紹介します。
システムエンジニアになるための3つのパターン
システムエンジニアになるには、「新卒でシステムエンジニアになる」「プログラマーからキャリアアップする」「他の業種や職種からキャリアチェンジする」の3つのパターンがあります。どの段階でシステムエンジニアを目指すかによって、学習内容や求められるスキルも変わってきます。まずはどのルートから目指すのかを明確にしましょう。
新卒でシステムエンジニアになる
大学や短大、高専、専門学校を卒業した後にシステムエンジニアになることが可能です。数学やコンピューターに関する学科を卒業した際は、履修内容を実務で活かせるでしょう。新卒であってもスキルが高い場合は即戦力として重宝されます。
新卒向けの求人は、求人サイトやハローワークで見つける方法や、学校などを介して探す方法があります。学校もしくは研究所を介する方法は、就活のサポートや企業へ推薦をしてもらえることがあるでしょう。
プログラマーからキャリアアップする
IT系の他の職種からステップアップしてシステムエンジニアになる方法があります。特に、プログラマーからステップアップするケースが多いです。プログラマーの上位職がシステムエンジニアであることから、挑戦するケースが考えられます。他にもサービスエンジニアやテストエンジニアなどの職種から、システムエンジニアを目指すことが可能です。
他の業種や職種からキャリアチェンジする
システムエンジニアは他の業種や職種からも目指せます。特にIT業界は以前から、他業種から積極的に人材を受け入れてきました。今後はIT人材の不足が叫ばれており、一層、その傾向が高まることが考えられます。
システムエンジニアはプログラミングスキルのみならず、コミュニケーションスキルやマネジメントスキル、マーケティングスキルなど、幅広いスキルが求められるようになっています。そのため、前職で培ったスキルが活かせる可能性があります。プログラミングスキルについては、入社前後にコツコツと学習していくことで身についていきます。
システムエンジニアにおすすめなのはAWSの勉強
これからシステムエンジニアを目指す場合は、AWSの勉強をおすすめします。AWSとは「Amazon Web Service」の略称であり、Amazon(アマゾン)が提供するクラウドコンピューティングサービスです。クラウドコンピューティングサービスでは、サーバーやデータベースなどのリソースを、インターネットを経由して自由自在に使用できます。
AWSと同様のサービスはGoogleやMicrosoftも提供していますが、その中でAWSはトップのシェアを誇ります。日本国内の企業においても続々と活用されています。しかし、AWSに関する豊富で深い知識を有するエンジニアが少なく、AWSの知識があるだけで企業からの評価も高いのです。
また、AWSにはいくつもの認定資格がありますが、初心者へのおすすめは「AWS認定Cloud Practitioner(クラウドプラクティショナー/CFL-C01)」です。この資格はAWSの基本的な知識を全般的に学べます。フロントサイドやサーバーサイドと違って資格という形で学んだ証(あかし)が残るため、企業から評価されます。
資格取得に向けた学習は、市販されている教材などを繰り返し学習しましょう。また、AWSの公式サイトにも学習コンテンツが用意されていますので、併せて使ってみてください。なお、試験ではクラウドやセキュリティ、テクノロジーなどの科目があります。出題形式は65問択一式、または複数選択式で、試験時間は90分。受験料が11,000円で、テストセンターかオンラインでの受験が可能です。
合格率は公開されていません(合格点は700点)が、AWSの各認定資格の入口となるため、突破しておきたいレベルです。資格は有効期限が3年であり、都度、受験をすれば最新知識を学び直せます。
システムエンジニアで辛いのは1、2年目と心得よう
晴れてシステムエンジニアになったとしても、業務をスタートすると大変なことがあります。システムエンジニアとして一番辛いのが1年目です。次にきついのが2年目と言えます。駆け出しのシステムエンジニアに辛さや大変さが多いのは、「分からないことの多さによるストレス」です。
1年目は分からないことが多すぎて「仕事がなかなか進まない」「学ぶことが増える」「自分に自信がなくなる」など、何重にも苦労やストレスが加わります。しかし「辛いのは最初だけ」と心構えを持つだけで、精神状態が良好に保てるでしょう。
1年、2年、3年とシステムエンジニアの経験を積んでいくと、分からないことが減っていき、頼られる存在になる場合も多いです。周囲に頼られる存在になったり、業務に余裕が出てきたりすると、システムエンジニアとしてのやりがいや楽しさにつながっていきます。
たとえば、システムエンジニアとして知識やスキルの幅が広がると、Webサイトを見る視野が広がります。これまでWebサイトの広告を「邪魔だ」と感じていたならば、Chromeのデベロッパーツールを利用して、広告の要素を削除することができます。
また、広告の表示を消すために何度もボタンをクリックする必要がある場合は、コンソールからボタンの要素を取得して、連続でクリックする処理を実行することが可能です。このような視点はシステムエンジニアならではのものです。
そこから合理的な思考へと発展させることも可能です。「ユーザーに喜んでもらえることは何か?」「これは本当に必要だろうか?」など、無駄をできるだけ省ける思考になるのです。そのような幅広いスキルや思考によって完成した作品は、インターネットを通じてより多くのユーザーに喜んでもらえるでしょう。
システムエンジニアとして辛い時期はほとんどのエンジニアが経験しますが、分からないことをなくしていき、乗り越えることで企業や社会から価値を認められていきます。
システムエンジニアになるには地道な努力が必要
【システムエンジニア 勉強法 未経験のまとめ】
- システムエンジニアになるパターンをまず理解
- 需要があり、有知識者も少ないAWSはおすすめ領域
- 分からないことが多い状態を脱することが大成の秘訣
システムエンジニアになるには、3つのパターンがあります。その選択肢を考慮すると、ほとんどの方がシステムエンジニアを目指せます。まずは自分がどのパターンでシステムエンジニアを目指せるかを把握しましょう。
また、システムエンジニアになるには、さまざまな学習方法があります。費用が捻出できる場合は、スクールに通って直接教わるのがおすすめです。ただし、アタリハズレがあるため、体験学習などを通じて選んでください。
そこまで費用を捻出できない場合は、オンライン動画学習プラットフォームの利用が良いでしょう。月額1,000円前後で利用できます。費用をかけたくない場合は、インターネット上の動画コンテンツやテキストコンテンツを使いましょう。
ただし、漠然と学習をスタートすると、必要な知識が身につかない可能性があります。AWSなど、需要があり有知識者も少ない領域を狙うなどの目的を明確にしましょう。そうして身につけた知識やスキルでシステムエンジニアになっても、新人のころは何かと大変な時期が続きます。分からないことが多い状態を脱することが、システムエンジニアとして大成するための秘訣です。