2017年2月4日(土)at大阪梅田。
実績・知名度ともに、関西でも広く知られる株式会社デスクトップワークス 代表取締役 田口真行氏をお招きし、『Webディレクターの年収アップのポイント』をテーマに、4時間に渡るスキルアップセミナーを開催しました。

コーチング実績6,000人を超える人気ディレクターの講義・グループワーク実習を大阪にいながら無料で受講できるという事で、当日の会場は御覧の通りの満員御礼。
満員御礼のイベント

スキル・技術と年収は比例しない!デキるディレクターの共通点とは?~

まず入りは、本セミナーの前提となる「Webディレクターのポジション」について。

発注側と制作側の間に立つ橋渡し役であるディレクター。関東においても悲しいかな、スキル・技術に比例して年収は必ずしもアップしないのが現状との事。ではどうすればWebディレクターの年収はアップしていくのか!?

その一番のポイントとして田口氏が挙げたのが、
発注側にとって、いかに「存在価値を見出せるか」。

ディレクターの仕事の大半は、コミュニケーションという名の「やりとり」。
そのやりとりを通じてクライアントと関係性をいかに作り、「Webの事はまず●●さんに相談しよう!」というポジションを獲得できるかが、「デキるディレクター」としての年収アップにもつながるポイントといえるようです。確かにこれは一般のあらゆるビジネス現場においても通ずる考え方ですね。

では具体的に、どういった方法でそのポジションを獲得していくのか。大きく以下3パートに分けて、グループワーク実習を交えた講義が進んでいきます。

  • 【パート1】プロジェクトマネジメントにおける『先読みマネジメント』
  • 【パート2】企画立案における『アイデア発想術』
  • 【パート3】サイトプランニング工程の『ユーザ導線設計アプローチ』

パート1:プロジェクトマネジメントにおける『先読みマネジメント』

「どうしたら円滑にプロジェクトを回していく事ができるか?」という質問が田口氏の元へよく寄せられるそうです。

その答えは、あらかじめしっかりとしたワークフローをもって進めること!ごくごく当たり前の話に聞こえますが、意外とできていない人が多いのが現状だと言います。

一般的にWebサイトプロジェクトは、「企画→設計→開発」という手順で進行しますが「とりあえずデザイン出して!」といったクライアントの要望に対して、企画・設計フェーズを無視した進め方をした結果、何がしたかったのかわからない成果物になったり、途中で企画フェーズに戻ったり、納期が迫って迷宮に入ってしまう、というディレクターの方もまだまだ多いそうです。

企画が決まらなければ設計はできず、設計が無ければ開発がぐだぐだになる。前工程を無視したプロジェクトで、良い成果物を望むのは難しいという当たり前の話を、クライアントへの理解を得ながら、しっかり順序立てて示していくのもディレクターとしての存在価値だと強く主張されていました。

講師の田口さん

続いて、この日最初のワーク実習の様子。
事前に予測を立てて対策を打つクセをつけるためのワークです。
付箋を使ったワークショップの様子

トラブルに直面してから悩むのではなく、事前に予測して事前に対策を打つこと。それがプロジェクトを円滑に進める一番の秘訣だと田口氏は言います。
付箋を使ったワークショップの様子

パート2:企画立案における『アイデア発想術』

「クリエイティブ=発想する力+カタチにする力」

モノを作る知識はもっていても、それをゼロから発想する(アイデアを生み出す)のが苦手な方は多いでしょう。逆に、この発想する力を養えば、相対的にディレクターとしてより価値の高いパフォーマンスを出せる、という事で本パートではアイデアの生み出し方についてのグループワーク実習が行われました。突発的にアイデアを出せる力・クセをつけるためのワークになります。

アイデア発想のワークショップ
本ワーク実習では、宣伝対象の商品に関して、好きな人や嫌いな人になりきる事(設定を与える)で、商品に興味を抱くきっかけを作り、アイデアが出やすくなる環境を作り出す、田口氏独自のファシリテーション手法が用いられました。本手法は色々な人の物の見方を体感でき、多角的な視点を持つ勉強にもなるそうです。

ここで、更にアイデア発想力を高めるためのワーク実習として、「もしもシリーズ」を実施。様々な「もしも」を設定することで、掛け合わせの数だけアイデアが生まれるという手法になります。慣れてくると少なくとも2~3分に1つは出るそうです。

クライアントとの打ち合わせにディレクターが出席すると、その場でアイデアを求められたり、ブレストが始まるケースが多々発生します。持ち帰らずに、その場でたくさんアイデアを出す事ができれば、ムダな時間をロスすることなく、温度感を保ったままプロジェクトを進行できます。

アイデア発想の2つのワーク実習は、日頃の訓練としても使える具体的な手法なので、当社の社内でも積極的に取り入れていこうと思いました。

パート3:サイトプランニング工程の『ユーザ導線設計アプローチ』

「クライアントにとってWebサイトはあくまで手段であり、効果に対して投資している」

という事をディレクターは理解しておく必要がある。その上で、サイト設計は効果を最大限まで引き出すために重要と語る田口氏。

サイト設計の大きな流れは以下3フェーズ。
『ターゲット設定(ペルソナ設定)→コンテンツ設定→コンバージョン設定』

どうユーザーにコンバージョンされるかまで順序立てて考えプロジェクトを進行するディレクターは少ないと言います。ここを磨く事も存在価値の高いディレクターになる一つのポイントだそうです。以降具体的な各設定の手法について、ワーク実習を通じて学んでいきました。独自のフレームワークを活用し、様々なノウハウを提供頂きました。

導線設計のワークショップ

最後に、サイトを作る立場・使う立場の両方の視点を持ち、プロジェクト進行する事もデキるディレクターか否かを分ける一つのポイントだとお話頂き、本セミナーを締めくくってくれました。

こうして4時間に渡る濃密な講義・ワーク実習が終了。4時間というと物凄く長く聞こえますが、受講している参加者の方々は、あっという間に終わったという感覚の方がほとんどだった様です。

田口さん、東京からの日帰り講師、本当にお疲れ様でした!!!

田口氏コメント

ワンマンで4時間!という長丁場にも関わらず、参加者さんが最後の最後まで前のめりに取り組んでくれて、こちらもテンション上がりまくりました!
とくに今回は、じっくり取り組むグループワークがたくさんだったので、参加者のノリや反応にあわせて途中アドリブも多かったですが、結果的には伝えたいメッセージを伝えるべき形でダイレクトに伝えられたんじゃないかと実感してます!
講師の田口さんと司会のC&R社石田
終了後に司会を務めた当社石田とともにパシャリ。

終わりに

開催後は、
「無料でここまで濃密なセミナーは受けたことが無い!」
「明日から早速実践していきます!」
「ワークを通じて他のディレクターの視点も共有できて、刺激や気づきが多いセミナーだった!」
といった非常にポジティブな声をたくさん頂きました。
ありがとうございます!

もともとファシリテートやコミュニケーション力が高い参加者の方々にとって、更に自身の価値を高めるディレクション術が学べる貴重な機会になってくれていれば、主催者・講師一同大変嬉しく思います。

参加者に記入頂いたアンケートでは、他にもWebマーケティングやデータ分析、プランニングに特化したセミナーを開催して欲しいといった多数の要望を頂いています。今後もクリエイターの価値向上へつながる機会の提供を、継続的に行っていきますのでご期待ください。