近年、成長著しいデジタルマーケティング領域。特に各方面でDX推進の重要性が叫ばれているだけに、DX人材への需要が高まっています。しかし、現在はDX黎明期であり、国内でDXを主戦場として活躍する人材はまだまだ少ないのが現状。それだけに他の職種からDX人材への転身を考えるうえではまたとないチャンスと言えるでしょう。
【2022年最新版】転職市場で需要拡大中。Webディレクターから「DX人材」への転身方法とはの記事でも紹介したように、近年ではWebディレクターからDX人材に転身する人が増えてきています。クリーク・アンド・リバー社(以下C&R社)の大谷もその1人。マーケティングコンサルタントとして活躍する彼女は、何をきっかけに転身したのでしょうか。また、Webディレクターの経験を現職にどう活かしているかなど、現在の業務内容に迫りました。DX人材への転身の可能性を探ります。
デジタルマーケティンググループ
大谷亜希子
新卒で入社した企業を退社後、Webスキルを習得し、2005年より派遣社員としてwebの更新・制作業務を開始する。その後、正社員として入社した企業で8年間、ディレクターとしてWeb制作・運用に携わる。2016年から社内でジョブチェンジし、マーケティングコンサルタントとして、サイト分析・課題抽出・提案などを行う。2020年5月、クリーク・アンド・リバー社に入社。Web分析の他、多数の企業のデジタルマーケティング支援を行っている。
企業課題を踏まえた提案がしたくて
──前職の業務や現在の仕事内容について教えてください
転身前はWeb制作会社で、Webディレクターとして、コーポレートサイトの立ち上げやサイトリニューアル、キャンペーンサイトの立ち上げ、大規模ECサイトの制作・運用などに8年間携わっていました。現在は、データ分析や活用の領域が主戦場となるマーケティングコンサルタントの職に就いています。プロジェクトマネージャー(PM)として、クライアント企業のデジタルマーケティングの推進、支援がメイン業務です。大きめのプロジェクトでは他のPMの補佐、小さいプロジェクトではPM業務と同時に分析・提案の実務を担当することもあります。
──何がDX人材転身のきっかけになったのでしょうか?
経験則やあるべき論に基づいた提案ではなく、それぞれのサイトの課題を踏まえた提案の必要性を感じるようになりました。それを当時の上司に相談したところ、「社内に分析チームがあるからやってみては?」と紹介いただいたのがきっかけです。この仕事は毎日発見があって、できることが広がる実感がありました。経験を重ね、分析結果を基にその企業様に向けた提案ができるようになったことには、自身の成長を感じましたね。
──現在の仕事のやりがいは何だと感じていますか?
これまでの経験を活かしながら、着々と「デジマ」領域に近づいている実感があります。たとえば、デジタルマーケティング領域ではじめてPMとして参加したショッピングモールサイトのプロジェクトでは、ターゲットへのOne to Oneコミュニケーションを実施し、「デジマ」の入り口に立った実感を得られました。また、別のプロジェクトではデータ分析についてお客様とワークショップを開催し、データを見て一緒に考えるという経験ができ、とても良い関係を築けたと思います。意欲の高いお客様が多いので、それだけやりがいもあります。
──活躍場所をC&R社に決めた理由、魅力を教えてください
鉄道会社と連携して位置情報データの活用を進めている実績に特に惹かれました。その他にも企業のビッグデータを活用したマーケティング支援を広く手がけていることが決め手となりました。入社してからは、ビジネスの上流での提案経験を多く持つ優秀な方が多いことにも驚きました。PMの方々の仕事ぶりは素晴らしく、身近で見られることが本当に勉強になっていますし、クライアント企業との折衝、協力会社とのやりとり、プロジェクトの進め方、どれをとっても参考になります。
マーケティングコンサルタントとしての活躍のフィールド
現在、大谷が従事しているマーケティングコンサルタントは、企業が抱えるマーケティング課題に対するソリューション提供が主な仕事。課題を洗い出し、戦略や立案などの運用を支援するコンサルティングによって企業のマーケティング活動を成功に導きます。具体的には、マーケティング課題の抽出と解決策の提示、市場ニーズの調査、マーケティング手法の提示・対応と幅広い業務が含まれます。市場理解はもちろん、データ処理能力、ユーザーニーズを汲み取る力も求められます。特にWeb分野で活躍するコンサルタントであれば、サイトのデータ分析法やWeb広告の出稿法、SNSの運用方法などの知識が必須。また、多くのデータや数値を扱うので、優れた数値分析能力が要求されます。
こうした一連のマーケティングプロセスの中でも、もっとも重視すべきはニーズを汲み取る力だと言われています。ユーザーがどんな欲求を抱えているかを正確に把握し、適切な施策を打ち出すためには欠かせません。そのため、デジタル知識に加え、対外折衝力などの豊富な経験値を持つWebディレクターが新たな活躍の場を選ぶうえで、マーケティングコンサルタントは転職先の選択肢の1つとなるでしょう。また、実際の制作を経験した人材であれば、分析から導き出した方針をどうサイト上で実現するのか、多くの引き出しを持っているので、現実味のある提案ができるところも強みだと言えるでしょう。
DX人材としての今後のキャリアパス
Webディレクターを経てマーケティングコンサルタントの道に進んだ大谷のように、デジタルマーケティング領域で活躍を目指す方のキャリアパスとして検討してほしいのが「DX人材」への転身です。その需要は年々高まりを見せており、マーケティングコンサルタントのようにWebに関して幅広い理解を持つ人材は、将来希少な職種への転身に有利な素養を備えていると考えられます。マーケティングコンサルタントのデータ分析・活用の経験値を活かしたキャリアパスとして、「データアナリスト」「データエンジニア」「データサイエンティスト」を紹介したうえで、職種ごとの違いについても触れていきます。
◎データアナリスト
データアナリストは、収集したさまざまなデータの分析に特化した仕事です。集めたビッグデータから、ユーザーの行動や規則性、将来的なニーズを分析し、事業戦略の策定、課題解決、新規開拓につなげます。分析した情報から仮説を立て、クライアントの課題への解決策の提案も行うため、高度な分析技術が求められる業務です。
◎データエンジニア
データエンジニアは、データを整理して運用の基盤を作る仕事です。データサイエンティストがデータの有効活用ができるようデータを整理し、分析や活用の効率化を図ります。特にスマートフォンの普及やWebマーケティングが主流となる昨今では、企業に膨大なデータが流れ込んでくるようになりました。そのため、データ整理の基盤作りを担うデータエンジニアは引く手あまたの存在です。
◎データサイエンティスト
データサイエンティストは、データ分析の結果をもとに課題への意思決定・判断を行います。データアナリストやデータエンジニアと異なるのは、重要な意思決定の局面でデータに基づいた合理的な判断を下す立ち位置にいる職種ということです。そのため、DXに関するデジタル技術(AI、IoTなど)やデータ分析に精通していることはもちろん、ビジネスやマーケティングなどに関する幅広い知識や経営視点での考察力も要求されます。また、収集したデータの活用方法の決定も担うため、データマネジメントのスキルも求められます。
さらに、DX人材の平均年収は高水準です。つまり、DX人材としてキャリアパスを順調に歩んでいけば、確実に平均アップが望めるでしょう。
特に、データサイエンティストの年収が高い理由として、ビッグデータを取り扱う高度なデータ分析・活用スキルが必要とハイレベル人材であるほか、それに付随して即戦力人材が不足していることが挙げられます。また、高需要により求人数が増加しているという背景があります。
C&R社で描けるDX領域でのキャリアパス
【Webディレクター DX人材転身のまとめ】
- マーケティングコンサルタント転身は時代に合った選択
- WebディレクターからのDX人材への転身は親和性が高い
- DX人材として経験を積めばハイキャリアも夢ではない
DX領域で活躍するのであれば、データ分析や活用などの高度な専門スキルが必須です。C&R社では、確実なキャリアアップと成長をサポートする業務体制が整っています。経験やスキルに応じて、アシスタントディレクターやディレクターからキャリアをスタートさせることもできます。また、プロジェクトマネージャーを経て、DX推進のプロフェッショナルとなるコンサルタントへのキャリアパスを夢ではありません。Webディレクターからの転職をお考えの方は、ぜひご相談ください。
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