2022年3月にCARTA COMMUNICATIONS、D2C、電通、電通デジタルの4社が共同発表した「2021年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」によると、インターネット広告費の総計は、前年比121.4%の2兆7052億円。新聞・雑誌・ラジオ・テレビの4マス媒体広告費の総計2兆4538億円を初めて上回りました。今後も市場拡大が期待されるWeb業界だけに、Webサイト制作の陣頭指揮を執るWebディレクターは、多くの企業から必要とされる人材と言えます。

キャリアアップを目指して転職を検討する場合は、Webディレクターとして同業他社に移る道もありますが、「DX人材」への転身をおおすすめします。多くの企業がDX推進を行う昨今、Webディレクターとしての経験を活かせるフィールドがさらに拡大。Webディレクターにとって売り手市場となる最新の転職事情を踏まえ、「DX人材」への転身のメリットを紹介します。

Webディレクターにおける最新の転職市場の変化を知る

経済産業省が2022年3月に発表した「2021年情報通信業基本調査」によると、インターネット付随サービス業の2020年度売上高は3兆4,289億円(前年度比+22.7%増)と成長傾向にあることが分かります。また、この勢いは留まるどころか今後も企業のDX推進により、Web系の職種需要がさらに高まる見通しです。中でもWebサイト制作の中心を担うWebディレクターは、優秀な人材が常に求められる職種と言えます。Webディレクターの需要が高まっている理由は下記の2つがあります。

◎理由1:Web業界におけるWebディレクターの慢性的不足

Web業界をめぐる転職市場においてWebディレクターの需要と供給には大きなズレがあります。前述の通り、インターネット付随サービス業の売上高の成長に伴い、Web系職種全体の需要も高まりつつあるものの、企業の高い要望で応えられる優秀な人材は常に不足している傾向にあります。つまり、市場全体でWebディレクターが求められている需要は高いにもかかわらず、人材不足により供給が追いついていないのが、今のWeb業界の転職市場を取り巻く実情です。そのため、スキルと実績を兼ね備えるWebディレクターは、各方面からも必要とされる人材だと言えます。

◎理由2:人材不足により即戦力の確保が難しい

Webディレクターの慢性的な不足に付随する問題として、即戦力の確保が難しい現状が挙げられます。WebディレクターはWebサイト制作における陣頭指揮を執るので、デジタル知識のみならず、対外折衝力やマネジメント力などの経験値が重視される職業。そのため、経験豊富な即戦力人材は、どこでも重宝されるでしょう。Webディレクターが転職を希望した場合は、売り手市場になる傾向にあり、採用側も競合優位性を示せないと即戦力の確保が難しいという状況に至っています。

Webディレクター経験人材におすすめは「MA関連業務」

慢性的な人材不足から、転職市場における優位性が高いWebディレクター。しかし、経験値の高いWebディレクターであれば同業種への転職ではなく、多種多様な知見を活かして新たなフィールドで勝負してみるのも選択肢の1つとなるでしょう。その場合、おすすめなのが「MAツールの運用・ディレクション」です。転身がおすすめの理由を2つ紹介します。

◎理由1:汎用可能な多様なスキルが役立つ

近年、DX推進が加速する中、デジタルマーケティングにおける業務効率化・定量的なデータの活用の重要性が増しています。そうした背景もあり、多くの企業で取り入れられているのがMA(マーケティングオートメーション)です。MAとは、リード顧客の獲得から育成、購入に至るまでのナーチャリングを自動化し、マーケティングの作業効率を高めることを目的としたシステム。今回ご紹介する運用・ディレクションには多くのステップを要し、MAツールでの顧客アプローチやデータ収集・分析、シナリオ策定、また多くのステークホルダーとの調整など多岐にわたります。そのため、デジタル知識に加え、コミュニケーション力や論理思考力が必須です。Webディレクターとして培ったスキルと経験が存分に活かせるフィールドだと言えるでしょう。

◎理由2:DX人材としての価値を高められる

Webディレクターとしての知見を活かしつつ、「MAツールの運用・ディレクション」に従事することで得られるのが、DX推進を図るためのマーケティング力やデータ分析力です。アクセス解析や市場調査などユーザーの動向を把握するマーケティングスキルは、コンバージョン率の改善や収益向上などの提案をするうえで不可欠となります。「MAツールの運用・ディレクション」への従事は、これまでのスキルに加え、成長が著しいデジタルマーケティングの知見が身につくため、より広いフィールドに通用する人材としての成長が見込めます。時代に求められるDX人材への転身を考えた際のファーストステップとして、自らの市場価値を高められるチャンスです。

DX系人材でもMA関連業務に方向転換すべき2つの理由

近年では、DX人材と呼ばれるデジタル部門に精通した人材が、社会的キーパーソンとなっています。ひとえにDX人材と呼ばれていますが、その定義として経済産業省は「デジタルのトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」で以下のように解説しています。

  • DX推進部門におけるデジタル技術やデータ活用に精通した人材
  • 各事業部門において、業務内容に精通しつつ、デジタルで何ができるかを理解し、DXの取り組みをリードする人材、その実行を担っていく人材

誤認してはいけないのが、DX推進にはデジタル技術への精通だけでは不十分だということです。実際にプロジェクトを進行するためには、事業部へのDXへの正しい理解、プロジェクトを統括できる人材が必要とされています。そのため、ディレクションスキルを持ち合わせたWebディレクターがDX人材としてキャリアを開く可能性が高く、「MAツールの運用・ディレクション」をその入り口として考える人が多いのです。方向転換を検討する場合、下記のキャリアパスが期待されます。

◎メリット1: MAスキルを活かした職種の選択肢が多い

MAツールの運用・ディレクションは、顧客アプローチやデータ収集・分析、シナリオ策定など多くのステップや業務を要します。そのため、プラスαのスキルを身に付けることにもつながり、DX人材というその後のキャリアパスにおいても可能性を大いに広げてくれます。たとえば、マーケティング力を活かしたビジネスプロデューサーや、データ分析力が必須のデータアナリストなど、DX人材としてあらゆるフィールドでの活躍を考えている方であれば、「MAツールの運用・ディレクション」への従事をファーストステップとして踏むことが最適と言えるでしょう。

◎メリット2: MAツールへの従事でキャリアパスが望める

MAツールの運用・ディレクションをファーストステップとした場合、最終的にはCMO(最高マーケティング責任者)としてマーケティング部門を率いる役職へのキャリアパスも望めます。豊富なデジタル知識とチーム統括力を極めた経営幹部として、顧客、さらにはプロジェクトチームのパフォーマンス向上への対応が期待されます。また、「もっといろいろなことにチャレンジしたい」「会社経営に興味がある」という方にとっては、独立するという道もあります。多くの企業でDX人材を求める中、そういった人材を創出する高い社会的貢献度を持った企業経営は、業界全体のボトムアップにもつながるでしょう。自らがMA関連業務で活躍するDX人材となりながらも、新たなDX人材を生み出すというITコンサルのような道も、1つのキャリアパスとして望めるはずです。

C&R社ではWebディレクターのMA関連業務への転身をサポート

【Webディレクター DX人材への転身のまとめ】

  • Webディレクターは転職市場において今後も優位性を保つとの見込み
  • WebディレクターからDX人材への転身には「MAツールの運用・ディレクション」がファーストステップとしておすすめ
  • C&R社は、Webディレクターの転身支援体制が充実

Webディレクターは、その多岐にわたるスキルから他の職種でも存分に活躍できる可能性を秘めています。特にマーケティング思考が強いWebディレクターであれば、その知見を活かしてDX人材として大成できる可能性があるでしょう。顧客志向、ユーザーニーズといったマーケティング視点は、今後どの業種でも求められるので、時代背景との親和性も高い「DX人材」への転身は1つの選択肢としておすすめです。

クリーク・アンド・リバー社では、Webディレクターから、DX人材へ転身したい方の相談を受付中。高い専門性を持つ専任の転職エージェントが、あなたの悩み・課題を解決しマッチング率の高い転職支援をします。ぜひ、ご相談ください。

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