これまでUI・UXデザインにおいてはPhotoshopやIllustratorが使われてきましたが、近年では「Adobe XD」を使用するデザイナーが増えています。
Adobe XDは比較的新しいツールであるため、まだ詳しく知らない方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、Adobe XDでできることや使い方などについて解説します。
制作現場での活用方法についてもっと詳しく知りたい方はこちらも合わせてご覧ください。
XDを使った大規模プロジェクトのデザイン手法>>
Adobe XDとは
Adobe XDは「Webサイト、アプリ、音声認識その他をデザインできるツール」です。Adobe XDを利用することで、UIやUXに優れたWebサイトやアプリなどのデザインを簡単に作りやすくなります。
Adobe社製のデザインツールにはPhotoshopやIllustratorなどがありますが、Adobe XDはこれらのツールよりも直感的に利用でき、機能が多いのが特徴です。
Adobe XDは主にWebデザイナーが利用します。Adobe XDを使って依頼者のイメージに合うデザインを作成した後に、コーダーに共有して仕上げてもらう流れになります。
非常にシンプルな操作で複雑なサイトデザインができるように設計されているため、Webデザイナーにはおすすめのツールです。コードの書き出しをせずに高性能なWebデザインができることも人気の理由となっています。
また、現在3つのプランが用意されています。一部の機能が無料で利用できる「スタータープラン」、全機能が利用できる「単体プラン(月額1,298円)」、Adobe製品がすべて利用できる「コンプリートプラン(月額6,248円)」の中から選ぶことができます。
スタータープランでは共有ドキュメント数や追加編集者数、クラウドストレージ容量などに制限がありますが、Adobe XDの機能はほぼ利用できるため、まずは試しにスタータープランの利用をおすすめします。
Adobe XDでできること
Adobe XDは、PhotoshopやIllustratorと比べると、デザイン設計やUIにおいて飛び抜けた力を発揮します。
ここでは、Adobe XDで主にできる3つのことについて詳しく説明します。
デザイン制作
Adobe XDの「デザイン」は、クオリティの高いWebサイトやアプリのレイアウト・デザインを作ることができる機能です。
レイアウトの作成では、ボタンや写真の配置を簡単な操作で移動させたり、コンテンツをスワップしてサイズ変更をしたりすることができます。
デザイン面では、検索窓の形や色をボタン操作1つで変えたり、Photoshop、Illustrator、Sketchなどと連携させつつ思い通りのデザインを取り入れたりすることが可能です。
Adobe XDは日々アップデートされており、アプリに奥行きや遠近感を加えられる「3D変形」、同じ要素を等間隔で複製できる「リピートグリッド機能」なども搭載されました。
簡単な操作でビジュアルに優れたWebサイトやアプリのデザインを作れるのが大きな魅力となっています。
プロトタイプ作成
「プロトタイプ」は、上記で作ったレイアウトやデザインに、アニメーションやレスポンスを加えることができる機能です。
PhotoshopやIllustratorとの大きな違いの1つは、このプロトタイプ機能です。Adobe XDでは、簡単な操作でUIデザインを行うことができるため、WebデザイナーやWebディレクターから高い評価を獲得しています。
プロトタイプでは、Webサイトやアプリを動かしたときの画面の見え方やボタンを押したときの反応などを確認することができます。通常では、実際の動きをみるためにはコードを記載する必要がありますが、Adobe XDを利用すればコードの記載なしに実際の動きを確認することができます。
また、魅力的なアニメーションが多く搭載されており、含まれている機能を用いることでアニメーション効果を確認できます。コーディングなしでさまざまなアニメーションやレスポンスが確認できるため、サイト・アプリ設計に要する時間を大幅に削減することができます。
サイトをユーザーにとって魅力的なものにしたいと考えているデザイナーは、Adobe XD内に搭載されているさまざまな機能を見たり使ったりするだけでもアイデアが浮かんでくるでしょう。
共有
「共有」は、作業チームのコミュニケーションをスムーズにしたり、情報伝達を容易にしたりする機能です。
1つのWebサイトやアプリを作る際には、多くの人の意見をとりまとめたり、必要に応じて修正を加えたりする必要があります。Adobe XDにはそんなチームの共同作業をスムーズに進めるための各種機能が含まれています。
たとえば「リンクの共有」では、指定のURLを1つ共有すれば、現状のWebデザインの状況を関係者にシェアできます。関係者がデザインをチェックし、即座にフィードバックすることが可能です。
また、フィードバックやコメントをわかりやすく共有できる「コメントとメンション」や、プロトコルの動きを動画として保存できる「ビデオ録画」機能、いつでも必要なときに以前のデザインバージョンに戻れる「ドキュメント履歴」機能なども含まれています。
Adobe XDのみで共同作業が効率的に行えるのも大きな魅力といえます。
Adobe XDの使い方
最後に、Adobe XDの使い方について簡単に紹介します。
1.必要なプランを契約する
まずはAdobe XDのプランを契約する必要があります。スタータープランは無料で利用できますが、利用するにはAdobeアカウントが必要になります。
2.チュートリアルで基本を学ぶ
Adobe XDには初心者でも使いこなせるようにさまざまなチュートリアルが準備されています。まずは「クイックスタート」の動画5つを視聴し、Adobe XDで利用できる機能の全体像や簡単な操作方法を学ぶといいでしょう。動画5つで1時間半ほどですが、これをすべて視聴すれば使い方をイメージできます。
3.試しにAdobe XDを利用してみる
チュートリアルで基本が学べたら、実際にAdobe XDを動かしてみるとよいでしょう。さまざまな機能が含まれているため最初は混乱するかもしれませんが、直感的に操作できるように設計されているため、使っているうちに慣れるはずです。
4.チュートリアルでスキルを磨く
Adobe XDの使い方に慣れてきたら、今度は目指すデザインを実際に作ってみるといいでしょう。思い通りのサイトやアプリを作るには、さまざまな機能を使いこなす必要がありますが、Adobe XDには各機能に対応したチュートリアルが準備されています。
自分に相応しいチュートリアルを選択しながら、さらなるスキルアップを目指してください。
まとめ
今回はWebデザイナーを目指す人ならば使いこなせるようになっておきたいAdobe XDについて紹介しました。無料で利用できる「スタータープラン」があり、使い方に関しても丁寧なチュートリアルが準備されているため、初めての方でも使いやすいツールになっています。
近年では最新のツールを利用することで高性能なWebデザインを作り上げることができるようになってきています。実際Adobe XDでは、HTMLやCSSの知識がなくても、クオリティの高いUI・UXデザインが作成可能です。
ぜひAdobe XDをマスターして、Webデザイナーとしてのスキルを広げてみてください。