近年、経験に関わらずクリエイティブ業界を志望する人が増加傾向にあります。しかし、クリエイティブ業界と一口にいっても職種はさまざまです。
ここでは、クリエイティブ業界のなかでもWebデザイナー、グラフィックデザイナー、編集者への就業を目指す人に向けて、志望動機の書き方や面接官への答え方についてポイントを解説します。
- 志望動機は順序立てて考えることが大切
- Webデザイナーの志望動機サンプルとポイント
- グラフィックデザイナーの志望動機サンプルとポイント
- 編集者の志望動機サンプルとポイント
- 面接時の志望動機はここがポイント!
- クリエイティブ業界での志望動機の考え方とは
志望動機は順序立てて考えることが大切
クリエイティブ業界を志望するのであれば、入社後の目標、業界を目指した理由の2つを明確にすることが大切です。明確にするために、自分が「いつ」「どのようにして」「何を」「どうして達成したいと感じたのか」、という経験をもとに自己分析します。
そして、明確になった目標と経験がクリエイティブ業界でどう活かせるのかを考えることで、面接官を納得させる志望動機を作れるでしょう。
次に、志望動機で押さえておきたいポイントを職種別にみていきましょう。
Webデザイナーの志望動機サンプルとポイント
Webデザイナーの志望動機は、経験者と未経験者で作成時のポイントが異なります。志望動機のサンプルと合わせて見ていきましょう。
経験者の志望動機サンプルとポイント
まずは、経験者の志望動機サンプルです。
「現在勤務している企業は小規模であり、jQueryによるサイトの動的処理やJavaScript、CSSを使った開発も担当していました。私は新卒でファッション業界への就職を検討していたほど、アパレル関連に興味を持っており、貴社が手掛けるファッション関連のサイトを自分で作りたいと考えました。私が現職で身につけたWebデザインの知識や経験を活かして、貴社の利益に貢献させていただければと思います。」
経験者の志望動機は、職務経歴書やポートフォリオで伝えにくい他者とのコミュニケーションスキルもアピールすることが大切です。ディレクターやクライアントと業務を進めるなかで、自分のコミュニケーションスキルが活かされた場面について伝えられると良いでしょう。
未経験者の志望動機サンプルとポイント
次に、未経験者の志望動機サンプルです。
「私は専門学校へ入学後、デザインの基礎やFireworks、Photoshop、Illustratorなどのツール、HTML、CSSのコーディングスキルを習得しました。現在も趣味で複数のWebサイトを作成しておりますので、ポートフォリオをご覧いただきたいと思います。また、独学でJavaScriptの勉強をしておりますので、Webデザイナーとして貴社に貢献したいと思います。」
未経験者の場合は習得済み、もしくは現在勉強しているソフトやスキルがあれば書きましょう。さらに、趣味であっても作成したWebサイトがあれば、ポートフォリオで提示することも重要です。
合わせて読みたい!未経験→Web制作会社に転職した高田さんの転職体験記
この記事をお読みの方の中には「Webデザイナーを目指して勉強したはいいものの、実務としてアピールできる実績や経験がないために、転職活動がなかなかうまくいかない……」と悩んでいる方もいらっしゃると思います。
こちらのインタビューでは、昨年見事未経験からWeb制作会社への転職を実現した高田智子さんに、転職活動がうまく運ぶようになったきっかけとなった気付きと体験について伺いました。
ぜひ合わせてご一読いただき、皆さんがWebクリエイターとしての一歩を踏み出す参考になれば幸いです!
グラフィックデザイナーの志望動機サンプルとポイント
グラフィックデザイナーも、経験者と未経験者で押さえるべきポイントが異なります。
経験者の志望動機サンプルとポイント
まずは、経験者の志望動機サンプルから見ていきましょう。
「前職では、クライアントの業績を上げる仕事に魅力を感じていましたが、総合広告代理店でさまざまな広告物に関わる仕事をしたいと考えるようになりました。特に、貴社のWeb広告は新しい技術を取り入れており、先進的な取り組みに挑戦できることに可能性と魅力を感じています。独学ではありますが積極的に新たな技術の習得をしており、採用後の早い段階でスキルや経験を活かせると考えています。」
クリエイティブ業界では次々に新たな技術が生まれており、一般的であるとされている技術も進化しています。そのため、新しい技術についてもつねにアンテナを張っていることをアピールしましょう。さらに、経験のみではなく、採用することで企業にとってどのようなメリットがあるのかも伝える必要があります。
未経験者の志望動機サンプルとポイント
未経験者の志望動機は、なぜグラフィックデザイナーを志望するのかを伝えることがポイントです。
「広告で、サービスや製品の魅力を沢山の人に知ってもらう仕事に強い魅力を感じています。私はこれまでは広告を受け取る側でしたが、これからは多くの人に向けて広告を発信したいです。そのために、貴社で技術の習得に励み、貴社やクライアントの業績に貢献できる人材になりたいと考えています。」
未経験でグラフィックデザイナーを志望する場合、「そもそも、なぜクリエイティブ業界を志望しているのか」を質問されます。そのため、クリエイティブ業界でデザイナーとして活躍したいと考えた経緯や熱意を伝えることが大切です。
編集者の志望動機サンプルとポイント
編集者を志望する場合、経験・未経験を問わず、志望する企業で携わるサービスやメディアが分かっているのであれば、そのメディアに携わりたいと考えた理由を伝えることが大切です。
経験者の志望動機サンプルとポイント
経験者の志望動機サンプルから見ていきましょう。
「貴社が新たに美容メディアを立ち上げるとのことで、ぜひスタートアップメンバーとして携わりたいと思い、志望いたしました。私は現在の会社で約3年間、いくつものWebメディアの編集、プランニングを行ってきました。企画を含め、施策でCVR、CTRを上げた経験もあり、貴社のメディアでも経験が活かせると考えております。」
経験者はこれまでの経験や実績を、志望する企業のメディアに関連付けてアピールしていくと良いでしょう。
未経験者の志望動機サンプルとポイント
次に、未経験者の志望動機サンプルです。
「現在勤務する会社では自社メディアの営業をしており、その業務のなかでメディアのターゲット層に向けた広告の企画を度々担当しております。そこで、デザイナーやコピーライターと切磋琢磨しながら、広告のビジュアルを作り上げることにやりがいを感じ、編集に携わりたいと思うようになりました。私は人と協力し、新たなものを作り上げることを得意としておりますので、貴社で活躍されている皆さんとともに、現在の○○市場を牽引できるようなサイトを作りたいと考えています。ぜひ、私に挑戦する機会をいただきたいです。」
編集の仕事はコミュニケーションスキルも重視されるので、協調性があることを伝えて、現在の仕事でどのように活かされているのか、入社後もどのように活かせるかをアピールしましょう。
クリエイティブ業界での志望動機の考え方とは
クリエイティブ業界を目指す人は、もともと創作活動が趣味であり、学生時代からクリエイティブ活動を行っていた人と、1度就職して社会人になったものの、のちにクリエイターを目指すこととなった人の2タイプに大きく分けられるでしょう。
どちらのタイプであるかによって、志望動機を組み立てるときのポイントは変わります。
例えば、もともと創作活動が趣味であり学生時代から活動をしていた人は、志望動機として「クリエイティブ業界へのあこがれ」をあげないことがポイントです。あこがれという感情をメインに志望動機を作成すると、企業側は利益や業務に貢献できる人材なのかが判断できず、興味をもってもらうことが難しくなるでしょう。
そのため、昔からクリエイターとして活躍したいと考えていた人は、「自分にはどのようなスキルがあり、そのスキルをどう活用できると考えているのか」を中心に志望動機を考える必要があります。自分がどの程度、企業に貢献できる人材なのかを知ってもらうことがポイントです。
一方、社会人になったあとにクリエイターを目指した人は、「なぜクリエイターになりたいのか」と「クリエイターになるために何をしてきたのか」を明確にします。
例えば、社会人として別の企業に勤めていたところから、クリエイターを目指したいと思い始めたきっかけとそのための行動を説明することで、単なるあこがれだけではないことや、目標に向けて行動できる自主性・努力もアピールすることが可能です。
ただし、いずれの場合においても言えることは、就職希望先の企業に志望動機を述べる内容に矛盾はないか、無理筋な動機ではないか、ということは気をつけたほうがいいでしょう。
もっと言えば就職先の企業が採用することでメリットを感じることのできるものであるか、ということは重要な要素となることが一般的です。
極端な事例になりますが、
「クリエイティブ業界に憧れがあり、働いてみたいと思い志望しました」
というような内容では、採用する側はこの人がどうやって会社に貢献できるのか、ということを推し量ることができません。
ただ誰もがもっともだ、と思えるような志望動機であったとしても、面接の際にうまく説明できなければ、ふいにすることもあります。
そのため事前に自分はどこに立っていて、どこを目指しているのか、ということは明確に理論立てて話せるようにしておいたほうがいいでしょう。
志望動機は一人で考えることもできるかもしれませんが、就職をサポートするエージェントサービスを利用して、担当のエージェントと一緒に志望動機を整理していく、という作業を行うことで、より人に伝わりやすいものにブラッシュアップすることができます。
面接時の志望動機はここがポイント!
クリエイティブ業界の面接で志望動機を答えるときのポイントは、学生時代から目指していたのか、社会人になってから目指しているのかで異なります。
例えば、学生時代から目指していたのであれば、昔からクリエイティブな活動が好きであったことを、具体的なエピソードとともに伝えることがポイントです。
「コンクールで入賞した経験があります。デザインの仕事に興味をもっています」「学生時代は美術部で活動し、学園祭で展示する作品づくりが大変楽しかったことを今でもはっきり覚えています」などと伝えるのが良いでしょう。
さらに、「自分のスキルを向上させられると感じています」という入社後の期待も伝え、向上心をアピールすることもポイントです。
一方、社会人になってから目指している場合には、その会社で働きたい、という熱意をしっかりと表していくことがポイントです。
クリエイティブな仕事で顧客の業績向上に貢献したいといった目標も肉付けし、「期待以上のWebデザイナー(もしくはグラフィックデザイナー、編集者)を目指します」といった熱意を伝えましょう。その仕事に対して強い関心があることが伝われば、未経験者であっても採用されるチャンスが高まります。