Webデザイナーとして就職活動をする場合、履歴書に志望動機の記載をする場合がほとんどでしょう。

志望動機は選考の重要なチェック項目となるものの、どのような文章にすれば採用担当者の心に響く志望動機となるのかわからない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回はWebデザイナーの志望動機を記載するときのポイントを解説します。また、企業側がチェックするポイント、未経験者向け・経験者向けの例文も紹介しますので、志望動機を書く前に、チェックしてみてください。

Webデザイナーが企業にアピールできる志望動機を書く手順5つ

Webデザイナーの志望動機_5つの手順

企業に自分をアピールできるような志望動機を書くには、次の手順で志望動機の文章を作成することがポイントです。

  • 1.志望する企業を調べる
  • 2.志望先の企業で活かせる経歴・スキルをまとめる
  • 3.志望する企業の魅力や自分との共通点を探す
  • 4.志望動機の構成を考える
  • 5.志望動機を文章にする

上記のように情報を整理することで、自分のアピールポイントが明かになります。

次からは志望動機の書き方について詳しく見ていきましょう。

1.志望する企業を調べる

Webデザイナーが志望動機を書く場合は、志望する企業を調べることから始めましょう。入社を希望する企業に対する理解を深め研究することで、なぜ志望したいのかを明確にできるためです。

志望理由がはっきりすることで、企業とのミスマッチを避けられます。また、企業への理解が深ければ、採用担当者が抱く印象も良くなるでしょう。
 

2.志望先の企業で活かせる経歴・スキルをまとめる

次に、志望先の企業で活かせる経歴やスキルをまとめておきましょう。入社後に貢献できることを具体的に説明できるからです。

経歴やスキルを洗い出せたら、入社を希望する企業で活かせる経験やスキルを探してみてください。

また、Webデザイナー未経験者の場合でも、以下のようなWebデザインの仕事に活用できるスキルがあれば、リストアップしてみましょう。

  • コミュニケーションスキル
  • チームマネジメントスキル
  • スケジュール管理

…など

加えて、Webデザイナーとして就職できた場合の将来のビジョンや、会社にどのように貢献するのかも一緒に考えます。志望動機では現時点で貢献できることに加えて、将来に渡ってどのように会社に貢献するかも重要になるためです。

自分がどのような人材に成長して、企業に対してどのような成果を残せるのかを、志望動機に組み込みましょう。

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3.志望する企業の魅力や自分との共通点を探す

自己分析が完了したら、志望先の企業の魅力的な部分と自分との共通点を探します。志望する企業と自分の共通点を見つけて志望動機に組み込めば、その会社を選んだ理由を強力にアピールできます。

どんな些細なことでも良いので、志望する企業に興味や関心を持ったきっかけを探し、共通点や似ている点を探してみましょう。

4.志望動機の構成を考える

企業分析や自己分析、企業との共通点探しが完了したあとは、志望動機の構成を考えます。構成を考えずに志望動機を書き始めると、相手に伝わりにくい文章や長くて内容の薄い文章になる恐れがあるためです。

志望動機は分かりやすくまとめられた文章で、自分をしっかりアピールできるようにすることが重要です。そのためには、以下の順番で構成を作成すると良いでしょう。

  • 1.冒頭に志望した理由
  • 2.結論の根拠や関連するエピソード
  • 3.入社後や将来的に実現したいこと

多くの人はしっかりとした文章を作ることに慣れていません。何も考えずに志望動機を書くと、言いたいことが伝わりにくい文章になるケースがありますので、ご注意ください。

5.志望動機を文章にする

志望動機の構成を作ったら、構成に沿って文章化していきます。

企業研究や自己分析、企業との共通点に加え、Webデザイナー職につきたい理由などを簡潔、かつ明確にまとめましょう。

志望動機を書く書類によって適切な文字数が異なりますが、履歴書に書く場合の文字数は300字程度が目安です。記載するときには、履歴書の志望動機欄の20%ほどの余白を空けると読みやすくなります。

企業が見るWebデザイナーの志望動機のポイント4つ

Webデザイナーの志望動機_ポイント4つ

企業側がチェックするWebデザイナーの志望動機のポイントを知っておくと、より企業側に刺さる内容の文章を書けるでしょう。企業側がチェックしているポイントは次の4つです。

  • 1.自社で働きたい理由と熱意
  • 2.Webデザイナーになった理由・なりたい理由
  • 3.自社に合う人物かどうか
  • 4.自社に貢献できる人物かどうか

これらのポイントを一つひとつ見ていきましょう。

1.自社で働きたい理由と熱意

志望動機で企業側がチェックするポイントの一つが、働きたい理由と熱意です。自社で働きたい明確な理由を持ち、意欲のある人材を求めているためです。

重要なポイントは「この企業でなければならない理由」が読み取れる文章を書くことです。採用担当者の印象に残りやすくなり、選考の次のステップに進める可能性が高くなります。

志望理由と熱意がしっかり伝わるような志望動機をじっくり考えましょう。

2.Webデザイナーになった理由・なりたい理由

Webデザイナーになった理由もしくはなりたい理由も、企業側が志望動機の内容からチェックします。Webデザイナーを選択した理由は、採用する企業にとって重要な選考項目となるためです。

世の中にはさまざまな職業があります。そのなかで、Webデザイナーを選んだ理由というのは、志望者にとって仕事に対する情熱や想いの強さが伝えられるポイントとなります。

経験者はもちろんのこと、特に未経験者はWebデザイナーを選択した理由を明確に答えられるようにしておきましょう。

3.自社に合う人物かどうか

企業側は応募者の人物像も重視します。自社の社風や文化などに見合った人材を採用したいと考えているためです。

つまり、志望動機の内容が自社の事業内容と合わない場合や、自己主張が強すぎ、柔軟性が感じられない場合は、採用を見送られる恐れがあります。

「自分がどれだけ志望先企業にマッチしているか」を読み取りやすい志望動機を書きましょう。

4.自社に貢献できる人物かどうか

自社に貢献できる人物かどうかというのも、企業側は確認しています。そのため、入社後に実現したいことや、将来のビジョンなどを盛り込むことが重要になります。

また、企業が感じた「人材に対する将来性」が重視されることから、長く働きたいことをアピールするのも効果的です。

Webデザイナーの志望動機の例文

Webデザイナーの志望動機_志望動機の例文

志望動機の書き方を理解できても、実際にどのような文章を作成すればいいのか分からない方もいらっしゃるでしょう。

ここからは、Webデザイナーの志望動機の例文を紹介します。

Webデザイナー経験者の志望動機の例文

まずはWebデザイナー経験者向けの志望動機から見ていきましょう。

例文

Web製作会社で4年ほどWebデザイナーとして勤務しておりました。ECサイトやコーポレートサイトなど、120件程度の案件に携わりました。そのうちの半数以上の案件において、クライアントの売上が15%以上アップしたほか、サイトリニューアルをしてから約3ヵ月で問い合わせ件数が2倍以上に増加した実績があります。

デザイン・構築したWebサイトに真摯に向き合い、クライアントの希望を叶えたうえで、サイトを見たお客様に高い価値を提供したいと考えており、自社でメディア展開を積極的になさっている貴社を志望いたしました。

これまでにさまざまな業界のサイトデザインに関わり、特に美容業界のサイトデザインを多く担当してきた経験は、貴社での仕事に活かせると考えております。
また、HTMLやJavaScript、CSS、illustrator、Photoshopの知識や操作スキルは実務レベルで習得しております。これまでの経験を活かして貴社に貢献しつつ、ステップアップを目指します。

Webデザイナー経験者の場合は、即戦力であることをアピールすることが重要です。

前職での業務について具体的な数値を入れながら説明することで、企業側が志望者の経歴やスキルについて理解しやすくなります。

また「自社でメディア展開を積極的になさっている貴社」とありますが、志望する企業ごとにアピールできるポイントは異なります。

志望動機は同じものを使いまわすのではなく、志望する企業に合わせて都度作るのが鉄則です。

Webデザイナー未経験者の志望動機の例文

続いて、未経験者向けの志望動機を見ていきましょう。

例文

貴社の採用情報にて、未経験者でもたくさんの方が働いていることを知り、将来性や意欲のある人が在籍する企業であると感じました。
また、貴社の○○という企業理念に共感いたしました。意欲的に仕事に取り組み、自分を成長させている方々と一緒にWebデザインの仕事がしたいと考え、貴社に応募いたしました。
学生時代にはillustratorやPhotoshopを使ったコンテンツ作りを趣味とし、ブログやSNSで制作したコンテンツを発信しておりました。
あるクリエイティブコンテストに応募して入選した経験もあり、貴社での仕事に活かせると考えております。
また、チーム制で業務を行うという貴社の体制に興味があります。前職では接客業の経験があり、お客様が気持ちよく感じられるお声がけを意識したことにより、来客数が増加し店舗の売上が向上しました。お客様からも名前を覚えていただき、来店時に自分を指名いただくこともありました。貴社でもチームの皆さんとコミュニケーションを取り、協力しながら仕事がしたいと思っております。

Webデザイナー未経験者の志望動機で重要になるのが、企業分析です。なぜなら、アピールできる経歴やスキルがまだないからです。

そのため、志望先の企業の事業内容や企業理念を入念に調べた上で、共感できる点や魅力的な点、共通点を志望動機に盛り込みましょう。

なお、志望先企業のWebサイトだけではなく、就職支援系のWebサイトなどを使って、できるだけ多くの志望動機を読み、どのようなポイントをアピールしているのか把握することも大切です。

自己アピールの材料をたくさん探して活用することで、充実した志望動機を作れるでしょう。

Webデザイナーの志望動機の注意点4つ

Webデザイナーの志望動機_注意点4つ

Webデザイナーの志望動機を作成するときには、以下の内容にならないよう注意すべきです。

  • 1.仕事内容を理解していない
  • 2.待遇面を志望動機にする
  • 3.文章がわかりづらい
  • 4.会社に貢献できることを主張できていない

選考を通過しやすくなるよう必ず理解しておきましょう。

1.仕事内容を理解していない

仕事内容を理解していない志望動機は、選考に悪影響を及ぼします。仕事内容に合わないアピールをしても、採用担当者に良い印象を与えにくいためです。

志望先の企業の仕事内容を理解した上で、どのような貢献ができるか表現できれば、志望先で働きたいという熱意が伝わりやすくなります。

志望動機を書くときには、募集している業務内容を必ず理解しておきましょう。

2.待遇面を志望動機にする

待遇面が志望動機になる場合もありますが、志望動機の内容が待遇に関することばかりになると入社意欲を疑われ、採用される可能性は低くなるかもしれません。

条件面だけで企業を選んだか、もしくは事業内容には興味がないと判断される恐れがあるためです。

待遇の良さについては心にとどめておき、自分をアピールできる志望動機を考えましょう。

3.文章がわかりづらい

志望動機は分かりやすい文章であることが重要です。分かりづらい文章では自分がアピールしたいことが伝わらず、志望動機としてあまり相応しくありません。

志望動機が良くわからなければ、採用されるのは難しいでしょう。

結論を先に述べてから根拠やエピソード、将来のビジョンを簡潔にまとめた文章に仕上げることを意識してください。

4.会社に貢献できることを主張できていない

志望動機では、志望先の会社に自分がどのように貢献できるのか、必ず盛り込みましょう。

Webデザイナー経験者の場合は、即戦力であることが求められます。そのため、現時点で何ができるのかをしっかりアピールすることが大切です。

これまでの経歴やスキルはもちろん、さらに掘り下げてどのような貢献ができるかを考えましょう。

Webデザイナー未経験者の場合は、具体的なスキルアップの方法、コミュニケーション能力などの間接的なスキル、Webデザイナーになりたい理由や情熱など、今の自分ができるアピールポイントを盛り込むといいでしょう。

会社に貢献できることを主張することは、志望動機の大きなポイントとなることを抑えておきましょう。

書類選考通過後のWebデザイナーの面接のポイント4つ

Webデザイナーの志望動機_面接のポイント

志望動機はあくまでも履歴書の一部に過ぎません。しかし、志望動機は書類選考後の面接でも質問されます。書類と一貫した志望動機を伝えられれば、採用される可能性が高まるでしょう。

ここからは、書類選考通過後の面接に臨むためのポイントを4つ紹介します。

  • 1.面接の流れを把握する
  • 2.よくある質問に答えを準備する
  • 3.質疑応答を考える
  • 4.自分の言葉で明確に答える練習をする

1.面接の流れを把握する

面接に臨む場合は、面接の流れを把握しておきましょう。面接の全体の流れを把握しておけば、しっかり準備ができ緊張感を和らげられるためです。

Webデザイナーの面接の一般的な流れは次のとおりです。

  • 1.入室
  • 2.自己紹介と現職の仕事内容の説明
  • 3.ポートフォリオを使った経歴の説明
  • 4.志望動機の説明
  • 5.企業側の募集内容の説明
  • 6.採用条件の確認
  • 7.質疑応答
  • 8.退室

なお、Webデザイナーの面接ではポートフォリオを使った経歴の説明が求められることがあります。特に経験者の方は、分かりやすいポートフォリオを準備しておきましょう。

2.よくある質問に答えを準備する

Webデザイナーの面接で頻繁に質問される内容について、回答を準備しておくことが大切です。

面接選考では、志望者が質問されるケースが多く見られます。なかでも、よく聞かれる質問がいくつかあるため、明確に回答できるようにしておくと好印象を与えられます。

また、質問にはそれぞれ質問者が確認したい意図があるため、そこまで理解して回答できれば上出来でしょう。

質問の一例は次のとおりです。

  • なぜWebデザイナーを目指したか(職種に対する考え方、成長意欲の確認)
  • Webデザイナーとしてどのようなスキルを習得したか(学習意欲、自己研鑽のプロセスを習得できているか確認)
  • これまでの仕事で最も挫折したことは何か(ストレス耐性ややりきる能力の確認)

他にもさまざまな質問が投げかけられるため、できる限り回答を準備して面接に臨むようにしましょう。

3.質疑応答を考える

Webデザイナーの面接では、企業側への質問を必ず考えておきましょう。質問の内容によっては自分をアピールできるためです。

面接の終盤には質疑応答の時間が設けられるケースがあります。志望先の企業や部署について知りたいことを質問できるほか、伝えきれなかったアピールができるチャンスとなるため、質問を事前に準備しておきましょう。

おすすめの質問はWebデザイナーの実務に関する質問です。

どんなデザインツールを使っているのか、実務でどこまで対応するのか、といった内容を質問すれば、仕事内容を詳しく把握できる上に、入社に対する意欲をアピールできます。

ただし、質問しないのは絶対に避けましょう。質疑応答は志望者の意欲を感じられる部分でもあり、質問がないことで意欲が低いと判断される恐れがあります。

質疑応答に備えて、2~3個程度の質問を用意しておきましょう。

4.自分の言葉で明確に答える練習をする

Webデザイナーの面接では、自分の言葉で明確に回答できるよう準備することが大切です。

回答を丸暗記すると不自然な話し方になってしまい、熱意が伝わりにくいでしょう。また、回答を忘れてしまうとパニックになってしまうこともあり得ます。

企業側は志望者の受け答えの仕方に加えて熱意や想いを見ています。そのため、面接の練習を繰り返し、拙くなったとしても自分の言葉で考えや想いが伝わるように話せることが重要です。

効果的な志望動機を作成して自分をアピールしよう

Webデザイナーの志望動機_まとめ

企業は人材を採用するからには、会社に貢献してくれる人物を求めています。よって、Webデザイナーとして働く意欲や応募先の企業で力を発揮できる能力を以下にアピールできるかが重要です。

自分の熱意やスキル、将来性を簡潔に読みやすくまとめた志望動機は、採用担当者の印象にも残りやすいため、採用される可能性が高まります。

企業をリサーチしたり、その企業で働きたい理由を掘り下げたりするなど、念入りに準備を重ねて作成した志望動機は、採用担当者の心に刺さるでしょう。

本記事を参考に、Webデザイナーとして就活するための素敵な志望動機を作り上げてくださいね。