「Webクリエイター能力認定試験は意味ない?」
「Webクリエイター能力認定試験を受けるか迷っている」
「Webクリエイターへの第一歩として、何から勉強すれば良いのか分からない」
こんな疑問や迷いを抱えている方も多いのではないでしょうか?
Webクリエイター能力認定試験は、業界内でもっとも累計受験者数が多いと言われている人気の資格試験です。しかし一方で、“不要論”を目にすることもあり、受験を迷われている方もいらっしゃるでしょう。
そこでこの記事では、Webクリエイター能力認定試験の合格率や難易度、取得するメリット、試験の概要について紹介していきます。
最後まで読めば、あなたが試験を受けるべきかどうかが分かるはずです。ぜひ参考にしてくださいね。
Webクリエイター能力認定試験とは?
「Webクリエイター能力試験」は株式会社サーティファイが運営/開催している民間資格です。
累計受験者数は16万人以上、HTML5対応版だけで47,113人(2022年度まで)と、Web業界で最も受験者数が多い資格とも言われている人気の資格です。
内容としては、Webデザインとページのコーディング能力を認定する目的の実技試験がメインとなっており、全てのブラウザで問題なく見られる「HTML」や「CSS」の基準を満たした国際標準規格「W3C」に準拠したサイトが作れることが求められます。
試験は上級の「エキスパート」と初級の「スタンダード」に分かれており、基礎的な内容のスタンダードに加えて、エキスパートでは、画像編集の技術やレイアウトの手法、色彩設計、マルチデバイス対応能力なども問われます。
特徴として、見やすく、アクセスしやすい、ユーザビリティの高いサイトが効率的に作成できるかというのを重視している点が挙げられるでしょう。
参考:2022年度までの各検定試験 累計受験者数を掲載しました-サーティファイ
「Webクリエイター能力認定試験は意味がない」と言われる3つの理由
「Webクリエイター能力認定試験は意味がない」
「社会人には不要、就職や転職に役立たない」
というような意見を見たり聞いたりしたことがある方も中にはいらっしゃるでしょう。
これにはおもな理由が3つあります。
- 資格よりもスキルやポートフォリオが重要になるから
- 難易度が易しい
- 時間と受験料がかかる
それぞれ詳しくみていきましょう。
理由①資格よりもスキルやポートフォリオが重要になるから
Webクリエイター関連の仕事は、宅建士や弁護士、教師などと異なり、必ずしも資格が”必要”な訳ではなく、本質的にはスキルがあれば関係ない職種です。
資格試験のもつ役割の一つとして、一定のスキルを客観的に担保するものが挙げられますが、一方で「資格を持っていても、いざ雇用してみると能力不足」というような経験をしている企業も中には存在します。
そのため、あくまで重要なのは「スキル」であり、スキルを証明するためには、資格よりもポートフォリオのほうが具体的であり、現場では重視される傾向にあります。
理由②難易度が易しい
Webクリエイター能力認定試験の難易度が易しい点も「意味ない」と言われる理由の一つです。
下記は、2022年度におこなわれた試験の平均合格率(スタンダード・エキスパート合算)です。
合格率は概ね毎年90%前後で推移しており、採用などで評価する側の認識として、受験すれば受かる試験と思われても仕方ない数字でしょう。
また理由①と関連しますが、難易度が低いためスキルの証明という意味を成しづらい点も「意味ない」と言われる理由の一つです。
参考:試験内容(HTML5対応版)|Webクリエイター能力認定試験|資格検定のサーティファイ
理由③時間と受験料がかかる
資格試験である以上当然ですが、時間と受験費用がかかる点もデメリットです。
受験費用や、学習時間に加えて、会場まで行く時間や交通費がかかってしまいます。(自宅でおこなう公開試験を除く)
また、比較的易しい試験とは言え、まったく勉強しないで受験する方は少ないでしょう。
そのため、学習時間や学習のためのテキストを購入する費用も必要です。
Webクリエイター能力認定を取得する5つのメリット
前章を読む限り「たしかに受験する意味がないのかな?」
と感じた方も多いのではないでしょうか?
しかし、Webクリエイター能力認定を勉強し、資格を取得するメリットも多く存在します。
つまり、ここで紹介するメリットと、先ほど紹介したデメリットを知り、総合的に判断した上で、受験するか否かを決めるのがおすすめの方法です。
Webクリエイター能力認定試験を受験するおもなメリットは下記の5つです。
- Webサイトの制作やデザインの基礎が体系的に学べる
- 資格手当がもらえる
- 実践的なスキルを対外的に証明できる
- 資格試験学習の入り口になる
- 目標設定ができる
こちらも詳しくみていきましょう。
メリット1:Webサイトの制作やデザインの基礎が体系的に学べる
Webサイトの制作やデザインの基礎が体系的に学べる点が一つ目のメリットです。
Webクリエイター能力認定試験は、国際標準規格「W3C」に準拠したサイトが作成できるかどうかを問われる資格試験であり、サイト利用者のユーザビリティも重視されている点が試験の特徴です。
また、試験で出題される内容は、多くのプロが監修に入っており、必然的に試験対策で学ぶ内容も、信頼性が高い内容となります。
試験勉強を通して、Webデザイン・コーディングの基礎となるこれらの部分が体系的に学べるため、特にこれからWebサイト制作の学習を始める初学者には大きなメリットと言えるでしょう。
メリット2:資格手当がもらえる
Webクリエイター能力認定資格を取得することで、企業によっては資格手当や報奨金がもらえる場合があります。
こちらは、就職、転職予定企業、就労している企業に問い合わせることで確認できるでしょう。
事前に知れた場合は、資格勉強のモチベーションにもなりますね!
メリット3:実践的なスキルを対外的に証明できる
Webクリエイターの制作現場では、クオリティはもちろんですが、納期に対して間に合わせる効率性も非常に重要です。
効率性を高めるためには、我流ではなく正しいワークフローを基礎として身につけることがポイントになります。
Webクリエイター能力認定試験の学習を通して、我流ではなく基礎的なワークフローを学べることで実践的なスキルの基礎が身につけられるでしょう。
また、資格を履歴書に書けることで、就職活動や転職活動時の対外的なスキル証明にもなります。
試験そのものは易しく、スキル的な評価は少ないかもしれませんが、業界に興味があり、準備してきたことの証明になってくれるはずです。
メリット4:資格試験学習の入り口になる
Webクリエイター能力認定試験は合格率が高く、比較的難易度の易しい資格です。
つまり、成功体験に結びつきやすく、根拠のある自信になります。
いきなり難しい資格試験を受験する場合と比べて、ステップを踏みやすく、その他の資格試験へもモチベーションを繋げやすいでしょう。
また、社会人で普段勉強しない方にとっては、学習習慣や勉強脳を起こすのに最適な試験と言えます。
メリット5:目標設定ができる
試験そのものが、学習計画における目標になる点もメリットです。
目標もなく漠然と一人で勉強する方法は、多くの方にとって上達に結びづらく、モチベーションの維持も難しいでしょう。
「Webクリエイター能力認定試験の合格」という明確な目標が定まることで、学習内容や、期限設定ができます。
結果としてWebサイト構築の基礎が学べ、モチベーションの維持もしやすい環境構築ができるでしょう。
Webクリエイター能力認定試験詳細情報
最後にWebクリエイター能力認定試験の詳細情報について解説します。
Webクリエイター能力認定試験の認定の基準や、出題形式、試験時間、受験料などについて詳しく解説していきますので、ここまで読んだ上で「受験してみようかな」と考えている方はぜひ参考にしてください。
認定基準
Webクリエイター能力認定試験には「エキスパート」と「スタンダード」2つのランクが用意されています。
スタンダードの認定基準
スタンダードで求められる認定基準は下記の通りです。
引用:Webクリエイター能力認定試験-試験内容
また、出題内容は下記の通りです。
- HTML5の変換
- HTMLの作成
- CSSの読込と作成
- 画像の表示
HTMLを用いた文章の構造化と、構造化したHTMLを維持しながらCSSを用いて装飾をする能力が求められます。
Webページを制作する上で基礎となる内容と言えるでしょう。
エキスパートの認定基準
続いてエキスパートで求められる認定基準は下記の通りです。
引用:Webクリエイター能力認定試験-試験内容
また、出題内容は下記の通りです。
- Webサイトに関する知識
- HTMLの作成
- CSSの読込と作成
- 画像の表示
- JavaScriptの読込
先ほどの基礎的な内容に加えて、ユーザー側の使いやすさを表現することが求められます。
画像の編集やスマホなどのマルチデバイス対応も求められるため、少しレベルは高くなるでしょう。
出題形式
Webクリエイター能力認定試験における出題形式は「エキスパート」と「スタンダード」で異なります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
スタンダードの出題形式
実技問題 | 形式 | 配布された問題データおよび素材データに基づき、設問文の指示に従って編集を行い、解答データを提出する。 |
---|---|---|
題数 | 1テーマ(4ページ程度のHTMLとCSSの作成) |
引用:Webクリエイター能力認定試験-試験内容
「スタンダード」は実技問題のみの試験です。
実技試験では、HTML5とCSSの文法を正しく使用し、設問の指示を満たしていれば、原則減点はありません。
これは、複数の記法を思いついた場合でも、同様です。
(問題文に指定がない場合)
エキスパートの出題形式
知識問題 | 形式 | 多肢選択形式(4択) |
---|---|---|
題数 | 20問(デザインカンプによる設問15問、文書による設問5問) | |
実技問題 | 形式 | 配布された問題データおよび素材データに基づき、設問文の指示に従って編集を行い、解答データを提出する。 |
題数 | 1テーマ(基本ページ1ページと5ページ程度のHTMLとCSSの作成、JavaScriptの対応、レスポンシブWebデザインの対応) |
引用:Webクリエイター能力認定試験-試験内容
エキスパートでは、実技問題に加えて、知識問題も追加されます。
知識問題は20問の4択問題。しっかり勉強していれば充分答えられる内容です。
試験時間と受験環境
試験時間もスタンダードとエキスパートで異なります。
それぞれの試験時間は下記の通りです。
スタンダード | 実技問題 | テキストエディター使用:70分 Webページ作成ソフト使用:60分 |
---|---|---|
エキスパート | 実技問題 | テキストエディター使用:110分 Webページ作成ソフト使用:90分 |
知識問題 | 20分 |
参考:Webクリエイター能力認定試験-試験内容
また、注意点として、ブラウザー搭載の開発者向けツール(Google Chrome:デベロッパーツール等)を使用する場合、
- テキストエディターを使用した受験:ブラウザー搭載の開発者向けツールは使用できない。
- Webページ作成ソフトを使用した受験:IEの開発ツールなどを使用して解答データを保存すると、ソースが改変され採点時に不利になる可能性がある
上記に注意してください。
また、受験環境は使用しているOSによって異なります。
なお、OSはWindowsとMacOSに限定されており、たとえばLinuxは使用できない点に注意してください。
Windowsの場合
随時試験、公開試験供に試験問題は受験プログラムで提供され、問題冊子はありません。
また、Chrome、Firefox、Edgeの最新版が推奨されますが、出題されるHTMLタグおよびCSSプロパティに対応していればOKです。
MacOSの場合
随時試験しか受けられず、公開試験は実施されていません。
つまり、MacOSを使用している方は、自宅で試験を受けることはできず、全国主要都市で開催される随時試験のみ受験可能です。
試験問題はWindowsの場合と同様に、受験プログラムで提供されるため問題冊子はなく、Chrome、Firefox、safari 最新版が推奨されます。
受験料
受験料に関しても「エキスパート」と「スタンダード」で異なります。
金額はそれぞれ下記の通りです。
スタンダード | 5,900円(税込) |
---|---|
エキスパート | 7,500円(税込) |
参考:試験内容(HTML5対応版)|Webクリエイター能力認定試験|資格検定のサーティファイ
Webクリエイター能力認定試験の合格率と難易度
こちらはおさらいになりますが、公式発表によると、最新のWebクリエイター能力認定試験(HTML5対応)は累計で受験者数が47,113名(2023年3月31日時点)にのぼり、合格率はエキスパート、スタンダードを合算して89.92%(2022年度平均合格率)と高い数字なっています。
例年90%前後で推移していることから難易度は比較的易しい試験であると言えるでしょう。
ちなみに、公式で推奨されている、学習時間目安はそれぞれ下記の通りです。
- エキスパート:38時間
- スタンダード:24時間
難易度の高いエキスパートも38時間と比較的短い時間で合格水準まで学習可能です。
なお、こちらはあくまで合格に必要な平均の学習時間目安であり、初学者の方も含んだ数字になっています。
勘の良い方や、事前知識がある方はさらに少ない時間で合格が可能でしょう。
また、これからWebクリエイターの第一歩を踏み出す方にとっては、前章のメリットでも触れた通り、学習そのものの意味合いも大きいため、合格ではなく、満点を目指して学習することをおすすめします。
参考:試験内容(HTML5対応版)|Webクリエイター能力認定試験|資格検定のサーティファイ
Webクリエイター能力認定試験に意味はある!
Webクリエイターとして、成長するためには「知識」と「経験」がどちらも必要不可欠です。
特に未経験からWebクリエイターとしての第一歩を踏み出す方にとって、学習を通して「知識」の基礎が培える「Webクリエイター能力認定試験」は非常に有用であり、受験する価値のある資格試験と言えるでしょう。
また「経験」を積みたい方向けに、クリーク・アンド・リバー社では「Webデザイナー就業サポートサービス」なども実施しています。
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