Webデザイナーはビジュアルを形づくる仕事のため、常にヒントとなる素材やアイデアや知識を身に付ける必要があります。もちろん一から探すことも大切ですが、効率的で簡単にアイデアをピックアップできる方法を探している方も多いのではないでしょうか。その1つとしてPinterest(ピンタレスト)の活用をおすすめします。

Pinterestは「ビジュアルディスカバリーエンジン」と言われます。未来の行動のために「アイデアを集めておくツール」と考えるとわかりやすいかもしれません。Pinterestでは自分の好きなデザインなどが手軽にインプットできるだけに、Webデザイナーが制作のヒントに活用できるケースも多いでしょう。この記事ではWebデザイナーに推奨したいPinterestを使ったアイデアストックの方法を紹介します。

Pinterestは未来へのアイデアをストックするツール

ビジネス アイデア スケッチ

Pinterest(ピンタレスト)は、WebサイトやPinterest上にある画像を自分のボードにストックできる画像収集サービスのことです。SNSではなく、デザインのアイデアをストックする際に便利なツールと言えるでしょう。たとえば、SNS は行動中または行動後の発信ツールですが、Pinterest は行動の前段階に使われます。

Instagramと似ているようでまったく別物である所以はその使用目的です。Instagramなどの一般的なSNSは、「過去」や「現在」の話が中心となります。しかしは、Pinterestは「今度作る作品のアイデアにしよう」など、未来の自分のために情報を集める際に使用します。Pinterestは、画像をクリックすると、画像元のサイトに飛べるため、ブックマークとして使うことが可能です。

Pinterestを活用するうえでのメリット・デメリット

ピンで留める クリップ カードとライト

Webデザイナーがデザインのアイデアをストックする際に大いに活用できるPinterestですが、有効活用するうえでその特性を細かく把握することが大切です。Instagramなどの画像系SNSなどと比較してどんな利点や使いづらさなどがあるのかを開設します。

Pinterestのメリット

ここでは、Pinterestのメリットについて紹介します。

クリエイティブな作品が多い

Pinterestは、他の画像検索と異なり、さまざまなクリエイターの作品が掲載されています。たとえば、検索エンジンで検索しても、パッケージや映画のフライヤーなどのデザインアイデアは見つけにくいですが、Pinterestではデザイン性の高い作品を多く見つけることが可能です。日本のデザインだけでなく、海外のデザインも多いため、世界のさまざまなアイデアやセンスに触れたい人に適しているでしょう。

カテゴリの種類が豊富

デザインだけでなく、インテリア、食べ物、旅行、建築物など、さまざまなカテゴリが用意されています。そのため、「デザインの引き出しを増やしたい」と思っている方にも向いているでしょう。

関連ピンで幅広くピンが可能

1つ気になった作品にピンをすることで、「関連したピン」という項目が出ます。関連したデザインなどを見られるので、自分の好みやいいなと思ったものに出会える可能性があるでしょう。デザインの引き出しが増えるだけでなく、自身の傾向も知ることができます。

Pinterestのデメリット

ここでは、SNSなどと比較したPinterestのデメリットをご紹介します。

どのピンが人気なのか分かりづらい

InstagramなどのSNSでは、どの投稿が「いいね」されたのか分かりやすくなっています。そのため、どの投稿が人気なのか、一目で分かりやすいでしょう。しかし、Pinterestは、自分が作ったピン以外はどのピンが人気なのか、ほとんどデータを見ることができません。

Pinterestは、SNSとは全く違った特性を持っています。それぞれの特性を把握したうえで有効活用をしてみてはいかがでしょうか。

Webデザイナーが参考にしたいPinterestの活用法

タブレットを使用するデザイナー

Pinterestは自身のアイデアを未来のために活用するのがコンセプトとなっており、使い方はもちろんそれぞれのユーザーの自由です。一方でPinterestを仕事に有効活用しているWebデザイナーも多いだけに、Pinterestの活用法を知っておくことをおすすめします。ここでは、「アイデアストック」「ポートフォリオ化」「素材のストック」「クライアントとのイメージの共有」などをご紹介します。

アイデアストック

Pinterestは、さまざまなデザインをチェックできるので、アイデアストックに適しています。たとえば、以下のデザインに使用できるでしょう。

・Webサイト
・バナー広告
・フライヤーやポスター
・雑誌
・イラスト
・パターン
・名刺

好きなデザイナーやイラストレーターなどのボードを作ることもできるため、自分が好きなデザインだけでまとめることができます。

ポートフォリオ化

ポートフォリオとして使うことも可能です。多くのデザイナーやイラストレーターなどが、自分の作品をピンし、ポートフォリオやWebサイトに集客する方法として活用しています。たとえば、自分の作品やブログ記事、SNSの投稿などをピンすることで、ポートフォリオとして使うことが可能です。

素材のストック

Pinterestは素材のストックとして使うこともできます。今は必要ないけれど、今後必要になるかもしれない素材をピンしておけば便利です。Pinterestは、複数のサイトから気に入ったデザインだけをピックアップしてまとめることができます。あとから見返した際に、クリックするだけで販売ページに飛ぶことができるので、利便性も高いでしょう。有料のデザインであれば必要な時に購入し、無料であれば必要な時にだけダウンロードするという使い方もできます。

クライアントとのイメージの共有

クライアントと、イメージの方向性の共有ができるのも便利な点です。打ち合わせ時に、イメージがあれば説明しやすく、クライアント側も出来上がりが想像しやすくなるでしょう。たとえば、以下のように活用できます。

・デザインのヒントになりそうな画像を集めたボードを打ち合わせ資料として使う
・使いたい素材を集めたボードをシェアして意見効果を行う

Pinterestなら、打ち合わせ後でもスマートフォンやタブレットを使ってアクセスできるので便利です。さらに、ボードを印刷したり、PDFにしたりすれば、添付ファイルとして送信することもできます。まずはPinterestを使ってみて、自分なりの活用術を見つけてみてはいかがでしょうか。

Pinterestをデザインに活かせるかどうかは自分次第

アートのモバイル写真。彼女のあざけりの写真を撮るアーティスト。クリエイティブ ワーク スペース デスク。

【Pinterest 使い方 デザイナーのまとめ】
・Instagramとの差別化のポイントは使用目的
・Pinterestの特性を把握したうえで有効活用をしよう
・まずはPinterestを使ってみて自分なりの活用術を見つけよう

Pinterestは、写真や作品をアップしてつながるSNSなどとは異なり、実現したい・ストックしておきたいアイデアを発見・整理できるツールです。他の人がどんなデザインを発表しているのかを見ることもできますが、自分が見たいと思うデザインだけを存分に見ることができます。Pinterestは、日本だけでなく世界中のアイデアを手軽に見ることが可能です。

Pinterestのピン機能を用いれば、素材ストックやポートフォリオ、クライアントとのイメージ共有など、さまざまな活用ができます。「デザインのアイデアをもっと手軽に収集したい」「デザインがマンネリになりがちだから、新しいデザインを見てみたい」などを考えている方は、ぜひPinterestを活用してみてはいかがでしょうか。