昨今、インターネットの普及と発展には目を見張るものがあります。さまざまなWebサイトやWebサービスが誕生し、ユーザビリティが重要視されているWeb業界。
そのWeb業界の第一線で活躍している業種に「Webクリエイター」と呼ばれる人たちがいます。
「Web」と「クリエイター」という言葉は世の中に浸透しているため、どことなくイメージがつく方は多いでしょう。しかし実際のところ、Webクリエイターの実情がはっきりと認識されているケースは少ない傾向にあります。
そこで本記事では、Webクリエイターとは?に焦点を絞り、仕事内容や年収、必要なスキルについて解説していきます。
それでは、Webクリエイターの世界を覗いてみましょう。
Webクリエイターとは
Webクリエイターとは、Web関係の企画や制作に携わる人材・仕事の総称です。
ここで明確にさせておきたいのが、厳密には「Webクリエイター」という単体の職種ではなく、あくまでさまざまな職種をまとめた言い方であるという点です。
Web関係の企画や制作とは、おもに「Webサイト」「Webコンテンツ」を扱う業務であり、専門的な知識やスキルが求められます。
また、基本的にクライアントワークが多く、依頼主の「目的」や「要望」を聞き入れ、その意図を汲み取った上で業務を進めていく場合がほとんどとなります。
Webクリエイターの仕事内容と職種
WebクリエイターはWebに関しての企画・制作に携わる人の総称ですので、適材適所の職種は多岐に渡ります。
各分野の専門知識を要したり、高いスキルが必要とされたりと、職種によってそれぞれプロフェッショナルが存在します。
つまり、Webクリエイターといっても、分野によって仕事内容が大きく違うということです。
そこで本章では、代表的なWebクリエイターの職種を5つ紹介していきます。
5つの職種は下記の通りです。
- Webデザイナー
- Webプログラマー・エンジニア
- Webプロデューサー
- Webディレクター
- UI・UXデザイナー
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Webデザイナー
「Web媒体」のデザインを施すクリエイターです。
おもにWebサイトやコーポレートサイト、LPのデザイン部門を任せられることが多く、常にWebデザインのトレンドを掴み、いかにユーザーから支持されるデザインをおこなうかが重要となります。
クリエイティブセンスとデザインスキルも大切ですが、クライアントの要望や目的を把握し、依頼者のイメージ通りにデザインを仕上げる能力が問われます。
クリエイティブな仕事ではありますが「独自の感性」のみでWebデザインを進めるのは避けるべき点であると言えます。
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Webプログラマー・エンジニア
Webサイトやアプリにおける、インターフェースや機能面を開発するクリエイターです。
HTML・CSS、JavaScriptなどのプログラミング言語を扱い、サイトやアプリ内の動的な部分や静的な部分を構築するポジションであり、比較的高度な技術が必要とされる職種と言えます。
プログラマーやエンジニアの中でも担当する箇所が異なるため、役割が細分化されていることが多く「Webコーダー」「フロントエンドエンジニア」「バックエンドエンジニア」などと呼ばれます。
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Webプロデューサー
Webを基本とした業界における総責任者を指します。
一つのプロジェクトを遂行するにあたり、企画・運営すべてに携わり、後述する「Webディレクター」に指示出しをおこない全体をまとめあげるポジションです。
Webデザイナーやプログラマーのような、直接的な実装業務はないものの、プロジェクトの全体像を把握し、素早い判断能力と柔軟な思考が問われる職種と言えます。
また、クライアントとの交渉や内容のすり合わせ、外交などと日々さまざまな人と関わりをもちながら仕事をしていくため、優れたコミュニケーションスキルが必要とされるでしょう。
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Webディレクター
前述の「Webプロデューサー」から指示を受け、その内容を各所に伝達したのち、より現場に近いところで指揮をとりながら円滑な運営をおこなうポジションです。
Webディレクターも直接的な実装業務はほとんどありませんが、スケジュール管理や各所とのコミュニケーション、制作物の品質管理などを任されており、クライアントとの齟齬を起こさずスムーズにプロジェクトを進行する役割があります。
加えて、プロジェクトの内容や意図をしっかり汲み取り、各分野のクリエイターに正確な指示出しが必要であり、最も重要な成果物のクオリティーに関わるポジションを担っていると言えます。
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UI・UXデザイナー
Webユーザーに対して、使いやすさや満足のいく実体験を提供するクリエイターです。
しかし「UI」と「UX」は厳密に言うと仕事内容は異なっており、総合的に以下のような役割を果たしていると言えます。
- UIデザイナー:「見た目の使いやすさや良質な操作感」を訴求する役割
- UXデザイナー:「使用時の使いやすさから得られる体験」を訴求する役割
上記の2種類は、一つのWebサイトに対して同レベルの訴求力が必要であり、片方だけが優れていてもユーザーの使いやすさは満たされません。
そのため、両軸を捉え、UI・UXともに構築が可能なデザイナーが現在求められており、ユーザーに対して心地良いWebサイトを提供できるかがポイントとなっています。
さらなる詳細は以下の記事をご覧ください。
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Webクリエイターの年収とキャリアプラン
本章では、各Webクリエイターの年収を見ていくとともに、年収アップを狙うキャリアプランについて解説していきます。
まずは、前章で紹介した職種の平均年収を下記の表でそれぞれ見ていきましょう。
職種 | Webデザイナー | Webプログラマー・エンジニア | Webプロデューサー | Webディレクター | UI・UXデザイナー |
---|---|---|---|---|---|
平均年収 | 約480.6万円 | 約550.2万円 | 約600.0万円 | 約579.8万円 | 約594.0万円 |
出典:ITの仕事 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
およびクリーク・アンド・リバー社調べ
Webプロデューサー | クリエイティブビレッジ
UI・UXデザイナー | クリエイティブビレッジ
上記の表を見ても分かる通り、上流工程の立ち位置である「Webプロデューサー」と「Webディレクター」が比較的平均年収が高くなっています。
しかし「UI・UXデザイナー」に関しては、上流工程ポジションとほぼ同じような平均年収となっており、技術力の高さや人材不足の影響が関係していると考えられます。
続いて、年収を上げるためのキャリアプランも以下で詳しく見ていきましょう。
- 各職種のスペシャリストとして年収を上げていく
- 高収入が期待できる職種にキャリアチェンジする
各職種のスペシャリストになる
自身が得意とする分野の経験を積んでいき、特化したスキルを身につけ、スペシャリストになるキャリアプランです。
このキャリアプランは比較的、実現可能性が高い要素をもっており、おもな理由としては「新しい分野の知見やスキルの習得が不要」といった点です。
当然、時代の流れやトレンド、最新技術に遅れないために日々アップデートは必要ですが、一つの分野に集中し特化したスキルを身につけることで、クリエイター自身の価値が上がります。
よって、昇給や独立の道が開けていき、結果的に年収をアップさせることが可能になるでしょう。
キャリアチェンジする
現場で養った経験とスキル、人脈などを活かして「キャリアチェンジ」する方法です。
例えば、Webデザイナー→Webディレクター→Webプロデューサーといったように段階を踏み、ステップアップ方式で最終的な上流工程のポジションにつくことが挙げられます。
このように、キャリアプランをたてることで、計画的に年収アップを図れるでしょう。
少々時間がかかる可能性はあるものの、現場経験が豊富であり専門的スキルを十分に身につけているという武器を活かせられますので、キャリアチェンジの強みであると言えます。
Webクリエイターに求められるスキル3選
仕事によって必要なスキルはそれぞれ異なりますが、Webクリエイターに求められるスキルはどのようなものがあるのでしょうか。
本章では、Webクリエイターに求められる必須スキルを3つ解説していきます。
本記事で紹介した職種を筆頭に、全てのWebクリエイターに通ずるスキルを厳選していますので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
求められるスキルは下記の3つです。
- コミュニケーションスキル
- マーケティングスキル
- Webデザインスキル
コミュニケーションスキル
Webクリエイターは一人で全てのプロジェクトを遂行することはめったにありません。
必然的に人との関わりが生じ、随時コミュニケーションを取りながら業務を進めていきます。
ここで言うコミュニケーションとは、対面でおこなう直接的なものから、メールのような間接的なものまでの全てを指します。
必要最低限のコミュニケーションが取れないと、制作物に齟齬が起きたりプロジェクト自体の方向性に食い違いが生まれたりと、業務のスムーズな進行を妨げる恐れがあるでしょう。
上記の点からしても、コミュニケーションスキルは必須と言えます。
マーケティングスキル
Webを通した集客や売上の向上を目指していくため、Webクリエイターがマーケティングの知識やスキルを身につけておく必要があります。
どのようなデザインを施せばユーザーの目にとまるのか、ユーザーが使いやすいと感じる機能はなにかなど、それぞれの分野でマーケティングの観点から見た施策が重要です。
また、市場調査や市場分析、Webサイトのアクセス数を解析するなど、マーケティングは幅広くおこなわれるため、現代では欠かせないスキルの一つと言えるでしょう。
Webデザインスキル
Webクリエイターのどの職種でも、Webデザインスキルは必須と言えます。
Webサイトにおける配色や装飾、配置などの土台となる部分は企画段階から非常に重要な項目ですので、各クリエイターがWebデザインのスキルと知識を兼ね備えておくべきでしょう。
Webクリエイターの将来性は?
結論から言うと、将来性はあると言えます。
今もなお、Web市場は成長しており、インターネットを活用したマーケティングやサービスの提供が日々おこなわれています。
そういった中で、Webクリエイターという専門性の高い技術と知識を兼ね備えた人材は需要があると言えるでしょう。
また、今後AIの急成長が見込まれる中、AI技術とうまく調和・共存していける人材が求められると考えられます。
未経験からWebクリエイターになる方法
未経験からでもWebクリエイターになることは可能です。
しかしながら「Webプロデューサー」や「Webディレクター」といった上流工程に携わる職種は経験と実績がある程度必要ですので、まずは本記事で紹介している「Webデザイナー」「Webプログラマー・エンジニア」「UI・UXデザイナー」を目指すのが現実的でしょう。
本章では、未経験からWebクリエイターになる方法を2つ紹介していきます。
その2つの方法とは、下記の通りです。
- 就職・転職する
- スクールで受講する
それでは詳しく見ていきましょう。
就職・転職する
求人サイトを見れば「未経験可」といった企業もあるため、就職・転職したのちに現場で学びながらスキル習得を目指せます。
初めはアシスタントや雑務が多くなりがちですが、現場でのワークフローを勉強できるのは自身の経験となります。
最初は踏み出しにくいですが、Webクリエイターになる上での必要なスキルを身につける効果的な方法と言えるでしょう。
クリーク・アンド・リバー社では、Webクリエイター求人を探せる「CREATIVE JOB」を運営しています。7.5万件以上ある求人の中からご自身に合った仕事を見つけましょう。
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スクールで受講する
各職種に応じた学習ができる「Webクリエイター向け」のスクールでスキルを習得する方法です。
自身の目的に合わせて学ぶことができ、カリキュラムを独自に作成してくれるスクールや卒業後のキャリア支援をおこなっているスクールなどがあります。
金額や学習方法はスクールによってさまざまですので、以下の記事を参考に自分に合ったWebクリエイタースクールを見つけてくださいね。
場合によっては「Webデザインコース」「プログラミングコース」といったように同じスクールでもコース分けがされていますので、公式サイトでの詳細確認をおすすめします。
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Webクリエイターとして明るい未来を創造しよう!
Webクリエイターと呼ばれる人たちはそれぞれ果たすべき役割があり、各分野のプロフェッショナルとして仕事をしています。
また、一つのプロジェクトを成功へ導くためにチームとして動き、各所でコミュニケーションを取りながら世の中にないものを創り出すクリエイティブな仕事であるとも言えます。
IT市場の急速な発展にともない、Webクリエイターの需要はますます上がると考えられており、知識やスキルを備え、さらにはAI技術にも柔軟に対応できる人材が今後は求められていくでしょう。
ぜひ本記事を参考にしていただき、Webクリエイターとしての一歩を踏み出し、明るい未来を創る立役者になりましょう。