カメラマンが撮影した動画・写真を動画編集ソフトを用いて編集し、より魅力的な映像に仕上げることが「動画編集者」の基本的な役割です。
動画編集を仕事にしたいと考えたとき、どのようなスキルを身に付ける必要があるのか、どのような就職先があるのか知りたい方も多いでしょう。未経験者でも活躍できるか、不安に感じている方もいるかもしれません。
そこで今回は、動画編集に必要なスキルを実際の求人情報をもとにわかりやすく解説します。
- 動画編集を仕事にするためにおすすめなソフト3選
- Adobe “After Effects”
- Adobe “Premiere Pro”
- Final Cut Pro
- 動画編集者に求められる、編集以外のスキル
- 音響スキル
- デザインスキル
- コミュニケーションスキル
- ディレクションスキル
- 動画編集の仕事内容・就職先別に解説
- テレビ局や制作会社
- 広告代理店
- 動画配信メディア
- まとめ
動画編集を仕事にするためにおすすめなソフト3選
動画編集を仕事にするために、まず必須となるのが制作・編集スキルをしっかりと身に付けることです。
就職先の幅を広げて採用となる可能性を高めるには、次に紹介するソフトを使いこなせるようにしておくのがおすすめです。
Adobe “After Effects”
Adobe Inc.(以下、Adobe)が販売している編集ソフトです。素材を上下に重ねて映像にエフェクト加工を施すことができるので、画面に変化を持たせたい場面で重宝します。
炎や光の演出、ノイズ、煙の追加などが可能であり、特殊な映像を作りたい場合に活躍できるでしょう。タイトルやエンドロールの制作にもよく用いられています。
他にも、モーショングラフィックスやトラッキングなども可能です。
3DCGも簡単なものなら制作できるので、映像に関連する編集はひととおり網羅している便利なソフトといえます。音声加工も可能であり、スキルを身に付けておくと活躍の場が広がるでしょう。
Adobeが提供している他のソフトとの連携もスムーズで、業界でも大きなシェアを獲得しています。
Adobe “Premiere Pro”
こちらもAdobeが提供しているソフトで、映像の編集に利用されています。動画素材を切り貼りしてひとつなぎにする「カット編集」がおもな機能で、長尺の映像を自然にまとめる際に活躍するでしょう。
音声の調整やテロップの挿入、色調補正やフィルター加工なども完備し、映像を美しく見せるための編集機能もそろっています。
スマートフォン用のアプリも用意されているため、外出先で編集作業を行ない仕上げは自宅のパソコンで取りかかるなどの場所を選ばない使い方ができることも特徴です。
本格的な映画制作からYouTubeの動画編集まで幅広く用いられており、世界中の人々から支持を集めています。
Final Cut Pro
Apple Inc.が提供している動画編集ソフトで、Mac専用です。Macにデフォルトでインストールされているアプリケーション「iMovie」の上位互換と考えると、イメージしやすい方もいるでしょう。
例えば、iMovieでは追加したテロップの表示位置は固定されますが、Final Cut Proでは表示位置を任意の場所に移動することができます。
もともとiMovieを使ったことがあり、さらに凝った編集を行ないたい方におすすめです。
動画のカット編集やエフェクト、BGM、テロップの追加など、基本的な機能は網羅されています。
動画編集にあまり親しんだことがない初心者から、ビジネスシーンの利用までさまざまな場面で活用できるでしょう。
動画編集者に求められる、編集以外のスキル
動画編集スキルは、しっかりと学習すれば比較的短期間で身につけることができます。
そのため「プロの動画編集者」として仕事をしていくためには、動画編集以外のスキルと掛け合わせが必要になります。
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この章では、志望企業や制作する制作する動画のジャンルによらず、共通して必要な4つのスキルについて紹介します。
音響スキル
映像のクオリティが高くても、音が合っていなければ作品の印象が大きく損なわれてしまいます。そのため映像に合わせた音を選ぶことも、動画編集者として大切なスキルの一つです。
映像制作スキルとともに、音響に関する知識やスキルも高めておきましょう。
デザインスキル
映像クリエイターはデザイナーとは異なりますが、ポスターやWebデザインなど静止画のレイアウトやカラーの知識は、映像制作にも応用することができます。
また映像作品に込められた情報やメッセージを視聴者により届けやすくするためにも必要となります。
コミュニケーションスキル
基本的に、1つの映像作品を作る際には、多くの人が関わります。さまざまな職種の人と一緒に仕事をするため、コミュニケーション力は欠かせません。
特に、テレビやCMなどの大きな仕事になればなるほど、クリエイティブスキル以上にコミュニケーション能力を求められるでしょう。
ディレクションスキル
依頼主の抱える課題を解決してこそ優れた動画編集者と言えます。
そのためには制作物のゴールを設定し、その目的のためにどう映像を作るのかを考えて必要な演出や編集を行う必要があるでしょう。
依頼主のニーズを汲み取りそれを具現化するために、予算やスケジュールなどの様々な調整を行い、最終的に作品として仕上げていくマネジメント力が求められます。
動画編集の仕事内容・就職先別に解説
動画編集スキルが活かせる仕事・就職先は多岐にわたります。
ここでは就職先ごとに、動画編集者が携わる仕事内容を詳しく紹介していきます。
テレビ局や制作会社
ニュース番組やバラエティ番組などの映像素材をつなげたり、テロップを追加したりして1本の番組を完成させる作業がメインです。
ロケなどで撮影した複数の映像から番組にする部分を切り出して編集し、決められた時間内に収まるように1本の映像にまとめます。制作の過程においては、エフェクトの利用やBGMの挿入などを行うこともあるでしょう。
このような仕事に携わりたい場合はテレビ局や制作会社を志望するのが一般的です。ただテレビ局の採用は大卒や専門卒が多い傾向があり、制作会社のほうが比較的競争率は低めといえます。
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▽テレビ局や制作会社の求人例
【経験者優遇】バラエティー番組のノンリニアエディター大募集
広告代理店
広告代理店では、SNSやYoutubeなど広告を出稿できるプラットフォームに掲載する短尺動画の制作や、クライアントのプロモーション活動を支援する映像制作がメインとなります。
近年はSNSの利用が活性化しているなどの背景事情から、インターネット広告が著しく成長しています。動画を用いた広告もインターネット上で頻繁に見かけるようになり、インターネット広告の市場においても動画編集は欠かせないスキルとなりつつあります。
企業によっては制作スキルに加えて、マーケティングの知識が求められることもあります。
広告代理店には効果測定サービスがあるので、効果をもとにクリエイティブを改善していく運用に携わることも多いでしょう。
▽広告代理店の求人例
大手インターネット広告代理店★最新技術に携われる!動画制作のお仕事
動画配信メディア
自社で動画配信メディアをもっている企業での仕事は、投稿する動画コンテンツの制作・編集作業がメインとなることが多いです。
企業によってはPhotoshopやIllustratorを用いて動画のサムネイル画像制作も合わせて担当することがあります。
▽動画配信メディア
国内トップクラスの人気を誇る料理レシピ動画メディアの動画編集エディター
4 まとめ
動画編集の仕事は、資格を持っていなければ就職できないわけではありません。
資格を持たなくても編集スキルがあれば可能性を広げられる職業であり、今回紹介したようなスキルを身に付けることで十分に活躍していけるでしょう。
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個々のライフスタイルに合わせ、将来的なビジョンを見据えながら就職先を選びましょう。