動画編集は、副業・フリーランス・企業勤めなど、多様な働き方ができるスキルのひとつです。YouTubeやSNSの普及により、需要はますます高まり、未経験から動画編集を学び、仕事につなげたいと考える人も増えています。
動画編集で仕事を得るためには、自分のスキルや実績をしっかりとアピールできる「ポートフォリオ」の作成が欠かせません。しかし、「どんな作品を載せればいいの?」「未経験でも作れるの?」と疑問を持つ方も多いでしょう。
本記事では、最新トレンドを踏まえたポートフォリオの作り方を徹底解説。初心者でも簡単に作成できるポイントや、実際の成功事例も紹介します。この記事を参考に、魅力的なポートフォリオを作り、動画編集の仕事につなげましょう!
動画編集のポートフォリオとは?
「そもそもポートフォリオって何?」と疑問に思う方もいるでしょう。
ポートフォリオとは、クリエイター自身の**「履歴書」や「名刺」**のようなもので、自分のスキルや実績を証明するための作品集です。特に動画編集の分野では、自分が手掛けた制作物を見やすくまとめ、視覚的にアピールできることが重要になります。
動画編集のポートフォリオでは、
- どのような動画を制作してきたか
- 得意な編集スタイルやジャンル
- オリジナリティやクリエイティブな強み
といったポイントを明確に伝えることが求められます。つまり、クライアントに自分のスキルを印象付け、仕事を獲得するための営業ツールとしての役割を果たします。
特にフリーランスや副業で案件を獲得する際には、新規クライアントが「この人に依頼するかどうか」を判断する材料として、ポートフォリオの有無が大きく影響します。
さらに、WebサイトやSNSにポートフォリオを掲載しておけば、企業や個人から直接仕事の依頼がくる可能性も高まります。動画編集を仕事につなげたい方にとって、ポートフォリオは必須のツールと言えるでしょう。
動画編集のポートフォリオが重要な理由
動画編集を仕事にするなら、ポートフォリオの重要性は言うまでもありません。なぜなら、案件獲得率や転職時の信頼度が大幅に向上するからです。
クライアントや採用担当者は、動画編集者を選ぶ際に「この人に依頼して大丈夫か?」という判断基準を求めます。そのとき、ポートフォリオがあるかどうかで評価は大きく変わります。
例えば、
- ✅ 魅力的なポートフォリオがある → スキルや作風が一目で分かり、仕事を依頼しやすい
- ❌ ポートフォリオがない → 実力が不明で、他の編集者に依頼される可能性が高い
動画編集のスキルを言葉だけで伝えるのは難しく、実際の制作物を見てもらうことで、初めて**「この人なら大丈夫!」**という信頼につながります。
また、ポートフォリオを事前に準備しておくことで、
- クライアントが安心して依頼できる
- 案件の受注率が上がる
- 転職時にも有利に働く
- 目次(全体の流れを分かりやすくする)
- 自己紹介(自分の強みや経歴を伝える)
- 自信のある作品(編集スキルをアピールする)
- 名前(活動名でもOK)
- 動画編集の経験年数・得意ジャンル
- 使用できる編集ソフト(Premiere Pro / After Effects など)
- これまでの実績(対応した案件数やジャンル)
- SNSやポートフォリオサイトのリンク
- 実績動画(過去に手がけた案件の中で、自信のある作品)
- 得意な編集スタイルが分かる作品(Vlog・広告・エンタメ系など)
- 視聴しやすい長さ(30秒~1分程度のダイジェスト版も推奨)
- フリー素材を使って架空のCMを作る
- YouTube風のオープニング動画を制作する
- 自分の得意ジャンルの動画を作成する
- ポートフォリオ用の個人サイトを開設する
- 既存のポートフォリオサイトを活用する
- 個人のYouTubeを作成する
- BRIK PORTFOLIO:クリエイター向けの無料ポートフォリオ作成ツールで、短時間で洗練されたデザインのポートフォリオサイトを作成できます。
- Behance:Adobeが運営するクリエイター向けSNSで、デザインや写真、動画などの作品を簡単に公開できます。
- PORTFOLIOBOX:デザイナーや写真家など、クリエイター向けのポートフォリオサイト作成サービスで、シンプルで洗練されたデザインのテンプレートが豊富に用意されています。
- 企業向け広告風の動画
- 商品PRのショート動画
- エフェクトやモーショングラフィックスを活用した作品
- 「#動画編集」「#動画クリエイター」「#編集依頼受付中」などのタグを付けて発信し、仕事の機会を増やす
- 自身のポートフォリオサイトやYouTubeチャンネルへのリンクを貼る
- 企業やクライアントからのDMを受け付ける
- 短尺でインパクトのある編集スキルをアピール
- フォーマットに合わせた縦型動画で視認性を向上
- 「自己紹介」「実績」「制作の流れ」などカテゴリ別にハイライトを設定
- 過去の投稿をまとめておくことで、クライアントが一目で内容を把握できる
- SNS上での編集スキルが評価されれば、企業やインフルエンサーから依頼が来ることも
- 実績を積むことで、さらなる仕事の獲得につながる
- ✅ トレンド感のある作品を発信できる
- ✅ 企業・クライアントに直接アピールできる
- ✅ 拡散力があり、仕事の獲得チャンスが広がる
- ✅ 視聴者のリアルな反応を確認できる
- クライアントへの許可を取る
- 著作権・利用規約を確認する
- 完全コピーを避ける
- こだわりすぎない
- 最初はシンプルにまとめ、後から改善する
- 案件が増えたら、新しい作品を追加する
- SNSやポートフォリオサイトを活用し、随時更新する
といったメリットが生まれます。
以上の理由からも、動画編集で仕事を得たいならポートフォリオは必須です。まだ作成していない方は、早めに準備を進めましょう!
関連記事:
動画編集のポートフォリオに載せるべき必須項目【コツ】
「ポートフォリオを作りたいけど、何を載せればいいの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
実は、ポートフォリオには必ず入れるべき重要な項目があり、それを押さえるだけで見やすさや印象が大きく変わります。本章では、動画編集のポートフォリオに欠かせない3つの必須項目を紹介します。
✅ ポートフォリオに載せるべき3つの項目
ポートフォリオ作成が初めての方は、まずこれらの要素を押さえて、大枠のイメージを掴みましょう。
目次(TOC:Table of Contents)
ポートフォリオの冒頭には、「目次」を必ず入れましょう。
目次を設けることで、「どこに何が書かれているか?」が一目で分かり、閲覧者の理解度が格段にアップします。
特にクライアントや採用担当者は限られた時間の中で情報をチェックするため、目次があると全体をスムーズに把握できます。
「目次なんて必要?」と思うかもしれませんが、最初に全体の流れを示しておくことで、最後まで読んでもらいやすくなる効果も期待できます。
もちろん目次を作るということは読み手を意識しているということで、ビジネスの世界では当たり前のような相手のことを配慮しているという印象を与えることもできます。
その2.自己紹介
ポートフォリオは、いわば「自分の名刺」のようなもの。そのため、自己紹介は欠かせません。
面接や商談時に口頭で自己紹介する機会はありますが、時間が限られているため、ポートフォリオに詳しく記載しておくと相手に深く理解してもらいやすくなります。
💡 自己紹介に入れるべき情報
さらに、動画編集者としての強みを示すために、自己紹介を動画形式で作成するのも効果的です。文章だけでなく、短い自己PR動画を作ることで、クライアントに**「この人に依頼したい!」**と思わせることができます。
自信のある作品(ポートフォリオの核となる部分)
ポートフォリオの中で最も重要なのが、「動画作品」です。クライアントや採用担当者は、あなたのスキルやセンスを実際の映像で判断します。
📌 掲載する動画のポイント
💡 注意点:
過去のクライアント案件を掲載する際は、必ず事前に許可を取ること! 機密情報や著作権の問題に触れないよう注意しましょう。
未経験者向けの対策:オリジナル作品を作る
「実績がない…」「クライアント案件の作品が少ない…」という場合は、サンプル動画を自作するのがおすすめです。
こうしたサンプルを作ることで、クライアントに「この編集スキルなら仕事を依頼できる」と判断してもらいやすくなります。
動画編集のポートフォリオの作り方【4選】
実際にポートフォリオの作成となると、難しそうでハードルが高いイメージをもっている方も少なくないでしょう。
しかし実は、動画編集のポートフォリオは非常にシンプルであり、自身が手掛けた動画作品さえ揃っていれば、簡単に作れます。
つまり、制作した動画を作品集としてまとめて見られる形になっていればOKということです。あとはどの媒体でポートフォリオとして展開するかを考えるだけとなります。
ポートフォリオの作り方はおもに3つの選択肢があります。
あなたが扱いやすいと感じる作り方を選んでみると良いでしょう。
また、ポートフォリオ作りに没頭しすぎて、本業である動画制作の時間が取れないという事態は避けたいため、手間をかけずに作れそうな方法を選択するのがおすすめです。
ポートフォリオのおもな作り方は下記の3つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ポートフォリオ用の個人サイトを開設する
自分だけのウェブサイトを作成し、そこに作品を掲載する方法です。デザインやレイアウトを自由にカスタマイズできるため、クリエイターとしての個性やブランドを強く打ち出すことが可能です。
ただし、サイトの構築や運営にはサーバーやドメインの契約、さらにはウェブデザインの知識が必要となる場合があります。
そのため、ウェブサイト制作に慣れていない方は、テンプレートが豊富で使いやすいホームページ制作ツールを利用すると良いでしょう。例えば、WixやSTUDIOなどが挙げられます。
既存のポートフォリオサイトを活用する
既存のポートフォリオ作成サービスを活用する方法です。
これらのサービスは、テンプレートが用意されており、専門的な知識がなくても簡単にポートフォリオを作成できます。以下に、代表的なサービスをいくつかご紹介します。
これらのサービスを利用することで、手軽にプロフェッショナルなポートフォリオを作成できます。
その他、下記のようなサービスも便利です。
上記サイトに関連する記事もありますので、併せてご覧ください。
関連記事:
個人のYouTubeを作成する
動画編集者にとって、YouTubeは自身の作品を公開する絶好のプラットフォームです。
チャンネルを開設し、そこに編集した動画をアップロードすることで、潜在的なクライアントや雇用主に直接作品を見てもらうことができます。
また、視聴者からのフィードバックを得ることも可能です。さらに、チャンネルが成長すれば、広告収益を得るチャンスも広がります。
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TikTokやInstagramを活用したポートフォリオ作り
近年、企業のマーケティング戦略としてTikTokやInstagramのショート動画が重要視されており、SNS向けの動画クリエイティブを制作できるクリエイターへの需要が高まっています。特に2025年では、企業がSNS広告やUGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用するケースが増えており、ショート動画のスキルを持つ編集者が求められています。
そのため、TikTokやInstagramを自身のポートフォリオの一部として活用するのも非常に有効な手段です。具体的な活用方法を見ていきましょう。
✅ TikTokでポートフォリオを作る方法
1.ショート動画を制作・投稿
ハッシュタグを活用する
プロフィールに連絡先や実績を記載
✅ Instagramでポートフォリオを作る方法
1.リール動画を投稿
ストーリーズのハイライトを活用
企業とのコラボ投稿を狙う
SNSポートフォリオを活用するメリット
特に、TikTokやInstagramでバズる動画を制作できるスキルは、今後の動画編集市場で大きな武器になります。これからポートフォリオを作る方は、SNSを活用した発信も取り入れてみましょう!
動画編集のポートフォリオ作りにおける注意点4つ
ポートフォリオを作成する際に、必ず気をつけるべきポイントが4つあります。これらを守らないと、クライアントとのトラブルや評価ダウンにつながる可能性があるため、事前にしっかり把握しておきましょう。
この注意点を怠ってポートフォリオを作成してしまうと、後々の問題になったり、本業に集中できなくなったりといったマイナス面を抱えてしまうため、しっかり把握しておきましょう。
注意点1.クライアントへの許可を取る
実案件で制作した動画は、多くの場合、クライアントが著作権を所有しているため、無断でポートフォリオに掲載することはNGです。
契約時に「ポートフォリオへの掲載可否」を確認し、許可を得た場合は、「一部編集して掲載可能」などの条件も明確にしておきましょう。クライアントのブランドや秘密保持契約(NDA)に違反しないよう注意が必要です。
注意点2.著作権・利用規約を確認する
制作した動画に著作権フリーではない素材(音楽・映像・画像など)を使用している場合、それをそのままポートフォリオに載せると著作権侵害になる可能性があります。
YouTubeやTikTok、Instagramなどプラットフォームごとの利用規約にも違反しないよう、商用利用が可能な素材を使うか、権利をクリアにしておきましょう。
注意点3.完全コピーを避ける
他のクリエイターのポートフォリオをそのまま真似するのはNGです。
デザインや構成を参考にするのは問題ありませんが、コピーしてしまうと独自性が欠け、評価が下がるだけでなく、著作権侵害でトラブルになる可能性もあります。
自分らしいオリジナリティをしっかり反映させましょう。
注意点4.こだわりすぎない
ポートフォリオは完璧に作り込むよりも、「定期的にアップデートできる状態」にしておくことが重要です。
最初から完璧を目指しすぎると時間がかかり、本業の動画編集に影響が出てしまう可能性があります。まずは完成させ、徐々にブラッシュアップしていくのがベストです。
動画編集のポートフォリオおすすめ参考例
他のクリエイターがすでに作成しているポートフォリオを参考にするのは勉強になります。
前述の通り、完全にコピーをするのは良くありませんが、未経験の方がなにも見ずにいきなり作成に取り掛かるのは無理がありますし、非効率的であると言えます。
そこで本章では、動画編集におけるおすすめの参考例を2つ紹介していきます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.Tetsu.【office nico】
出典:Tetsu.【office nico】YouTubeチャンネル
YouTubeのチャンネル上で、動画制作実績をまとめているケースの参考例です。
自己紹介動画も公開しているため、どのようなスキルをもち、どんなジャンルを扱った経験があるかもすぐに理解できる内容となっています。
投稿本数は13本(2023年7月現在)とポートフォリオとしては十分な動画数であるため、ぜひ参考にしてください。
2.吉川エリ(映像作家)
前述した「foriio」にてポートフォリオを掲載している、クリエイターの吉川エリさんも非常に参考になります。
映像制作会社を経て独立しているため、クオリティの高さには定評があり、実績としては「MV」「CM」「LIVE映像」を手掛けていますので、大型案件を請け負える実力の高さが伺えますね。
ポートフォリオ内にもたくさんの動画作品が掲載されており、参考になる点が非常に多いポートフォリオと言えるでしょう。
動画編集のポートフォリオを作って自己アピールに繋げよう!
本記事では、動画編集におけるポートフォリオの重要性や載せるべき必須項目、作り方のポイントなどについて解説してきました。
動画編集を仕事にしていく以上、あなたのスキルや実績をアピールし、案件を獲得して行く必要があるため、ポートフォリオの存在は非常に重要です。
今までは「ポートフォリオは難しそう」や「時間がかかりそう」と感じていた方も、本記事を参考にポートフォリオの作成に取りかかってみましょう。
動画編集スキルにプラスして、「新たな武器」として今後のクリエイター人生を良い方向に導いてくれることでしょう。
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