動画編集の仕事は、副業・フリーランス・企業勤めなど、さまざまな働き方で可能です。また、現在は趣味で始めている方も、将来的には動画編集で収入を得たいと考えている方も多いのではないでしょうか。

動画編集のスキルを仕事に繋げるためには、自分の実績やスキルを「ポートフォリオ」でしっかりとアピールすることが非常に重要です。しかし、「ポートフォリオってどんなもの?」「どうやって作ればいいのか分からない」と感じている方も多いはずです。

そこで本記事では、動画編集のポートフォリオの重要性や具体的な作り方、作成のコツをわかりやすく解説します。さらに、参考にできる実例も紹介していますので、未経験の方でもステップバイステップで作成できるようになっています。ぜひ最後まで読み、効果的なポートフォリオ作りの参考にしてください。

動画編集のポートフォリオとは?

ポートフォリオってなに?
そもそも「ポートフォリオってなに?」という疑問をもたれている方もいるでしょう。
ポートフォリオとは簡潔に言うと、クリエイター自身の「履歴書」や「名刺」代わりになるものと捉えてください。
また、自身の手掛けた制作物を見やすい形にまとめた作品集のようなものでもあります。

動画編集のポートフォリオに置き換えると、
「今までこんな動画を制作してきた」
「こんな雰囲気の動画を作るのが得意」
などといった、スキルや独自のクリエイティブな部分をアピールできる、いわば営業における「武器」と言えるでしょう。

ポートフォリオを提示する相手は、基本的に新規のクライアントが多く、案件を任せるかどうかを決める判断材料として求められるケースがほとんどです。

また、自身のWebサイトやSNSを運営している方でしたら、ポートフォリオを掲載していることにより、動画制作依頼の問い合わせがくる可能性もあるため、仕事をしていく上で有利に働くツールと言えるでしょう。

動画編集のポートフォリオが重要な理由

重要(トップシークレットの印)
動画編集をするクリエイターにとって、ポートフォリオが重要な理由は明確です。
それは「案件獲得率」や「転職時の信頼度」が大幅にアップするからです。

採用担当者は、採用するにあたってなにかしらの根拠を求めます。
その際に、作品集としてまとめられたポートフォリオを提示するのか、なにもありませんとなるのかでは、違いは明白でしょう。

クリエイティブな仕事をしていく上で、会話だけで自身のスキルやクオリティの高さをアピールするには限界があります。
やはり制作物の実態があってこそ、説得力のあるアピールに繋がると考えられます。

事前にポートフォリオを用意していると、クライアント側も安心して仕事を依頼できるため、必然的に案件の受注率や転職時の優位性アップが望めるというわけです。

上記の内容からも分かる通り、動画編集におけるポートフォリオは「絶対」に作成したほうが良いと言えるでしょう。

関連記事:

動画編集のポートフォリオに載せる必須項目【コツ】

今まで動画編集のポートフォリオを作成したことがなく、載せる内容がイマイチ分からないという方が多いのではないでしょうか?。

実は、ポートフォリオに載せるべき必須項目があり、その項目を載せていれば見栄えや印象が大きく変わります。
そこで本章では、動画編集のポートフォリオに載せる必須項目を3つ紹介していきます。
その必須項目は下記の3つです。

  • 目次
  • 自己紹介
  • 自信作品

ポートフォリオ作成が未経験の方は、まず必須項目を把握して、大枠のイメージを掴んでくださいね。

その1.目次

ポートフォリオの冒頭に表示する「目次」が必須となります。
これはポートフォリオを見る人の利便性を考えると、かなり重要になると言えるでしょう。

たかが目次と感じるかもしれませんが、ポートフォリオになにがどのように掲載されているかをひと目で確認できると、全体像が一目で把握でき、理解度が上昇するため大きな効果が期待できます。
また、ポートフォリオを全て読み進める意欲を高めてくれる効果も見込めるでしょう。

その2.自己紹介

前述にあった通り、ポートフォリオは履歴書や名刺代わりになるツールです。
よって「自己紹介」は必須となります。

当然、初見の打ち合わせ挨拶等で口頭の自己紹介はおこないますが、長々と経歴を話す時間はありません。
ですので、ポートフォリオにて自己紹介を盛り込むことにより、最大限自分のことを知ってもらえる要素になります。

また、文章で自己紹介を綴るのも悪くはありませんが、動画を制作するクリエイターとして活動していますので、これも動画で作成できれば評価は高くなるでしょう。

その3.自信作品

一番のアピールポイントである「動画作品」を載せましょう。
採用担当者が一番気になる点であり、クリエイターとしてもこの項目で勝負するのは言うまでもありません。

この項目は、いわゆる「実績動画」と呼ばれ、過去に手掛けた実案件作品の中でも自信のあるもの、得意なジャンルだったものを載せましょう。

その際注意するポイントが、クライアントに対して、該当する動画作品をポートフォリオに掲載して良いかといった確認を必ずしておくことです。

まだ動画編集が駆け出しの方は、実案件で手掛けた作品が少ない、もしくはまったくないという場合もあるでしょう。
その場合の対策としては「サンプル動画」といったオリジナル作品を制作してみましょう。

得意なジャンルや雰囲気で制作することにより、自身のスキルを最大化して見てもらえるはずです。

動画編集のポートフォリオの作り方【3選】

ポートフォリオの作り方
実際にポートフォリオの作成となると、難しそうでハードルが高いイメージをもっている方も少なくないでしょう。

しかし実は、動画編集のポートフォリオは非常にシンプルであり、自身が手掛けた動画作品さえ揃っていれば、簡単に作れます。
つまり、制作した動画を作品集としてまとめて見られる形になっていればOKということです。あとはどの媒体でポートフォリオとして展開するかを考えるだけとなります。

ポートフォリオの作り方はおもに3つの選択肢があります。
あなたが扱いやすいと感じる作り方を選んでみると良いでしょう。

また、ポートフォリオ作りに没頭しすぎて、本業である動画制作の時間が取れないという事態は避けたいため、手間をかけずに作れそうな方法を選択するのがおすすめです。

ポートフォリオのおもな作り方は下記の3つです。

  • ポートフォリオ用の個人サイトを開設する
  • 既存のポートフォリオサイトを活用する
  • 個人のYouTubeを作成する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ポートフォリオ用の個人サイトを開設する

自身のポートフォリオ専用サイトを作る方法です。
いわば個人ブログのようなものであり、配置やデザイン、雰囲気にこだわりをもって作成したい方におすすめと言えます。

サイト開設が未経験の方には少々時間がかかる方法となりますが、独自のクリエイティブな感覚を存分に発揮できる形に仕上げられるため、採用担当者の目を引くきっかけになり得ます。

また、基本的にサイト開設・運営にはサーバー・ドメイン料といった費用が発生しますので、契約時の料金やランニングコストについての確認を忘れずにしておきましょう。

既存のポートフォリオサイトを活用する

既存のポートフォリオサイトとは、すでにテンプレートのようなものがあり、そこに自己紹介動画や手掛けた作品を載せられるWebサイトです。

無料で利用できるポートフォリオサイトがあり、テンプレートも備えられていますので手軽にスタートできるのが魅力と言えます。

最初のポートフォリオとしては申し分ない機能が揃っていると言えますので、初心者の方には特におすすめです。
下記は、無料で利用できるポートフォリオサイトですので、気になる方はぜひ使ってみてくださいね。

参考
foriio
Tumblr

また、上記サイトに関連する記事もありますので、併せてご覧ください。

関連記事:

個人のYouTubeを作成する

動画投稿・視聴プラットフォームである「YouTube」でチャンネルを開設し、そのチャンネルで動画作品を投稿していく方法です。

YouTubeチャンネルは比較的簡単に開設ができ、動画作品さえあればすぐにアップロードが可能となります。

この方法を活用しているクリエイターも多く、場合によっては広告収益を得られるといった、有名媒体ならではの副次的なメリットもあります。

関連記事


関連記事

動画編集のポートフォリオ作りにおける注意点3つ

ポートフォリオ作りにおける注意点
ポートフォリオを作成するにあたって、必ず注意しておくべきことが3つあります。
その注意点とは下記の3つです。

  • クライアントへの確認
  • 完全コピーをしない
  • こだわりすぎない

この注意点を怠ってポートフォリオを作成してしまうと、後々の問題になったり、本業に集中できなくなったりといったマイナス面を抱えてしまうため、しっかり把握しておきましょう。

注意点1.クライアントへの確認

前述にもあった通り、実案件で制作した動画はクライアントとの契約時に「守秘義務」が適用されているケースがあります。

動画制作をおこないクライアントへ納品した時点で、その動画は著作権も含めてクライアントが保有する制作物となります。

そのため、契約時に上記のような話し合いがなされていない場合でも、自身のポートフォリオに実績として作品を掲載しても良いかの確認を必ずおこないましょう。

注意点2.完全コピーをしない

他のクリエイターのポートフォリオを参考にするのは良いことですが、時間がないからといって全てを真似て作成してしまうと、独自の個性が出せず、本来持っているものを最大限ポートフォリオに反映させることができません。

また、場合によっては訴訟問題にもなりかねませんので、注意しておきましょう。

注意点3.こだわりすぎない

良い意味で、こだわりすぎずにポートフォリオを作成していきましょう。
こだわりすぎて、ポートフォリオ作りに時間を使い過ぎては、本業への影響が出てしまう可能性があります。

あくまで、作品集として見やすい形に整っていればOKといった具合に取り掛かると良いでしょう。

後からでもポートフォリオのアップデートは可能であり、動画編集スキルとともに随時仕様を変えていくほうが効率的と言えます。

動画編集のポートフォリオおすすめ参考例

他のクリエイターがすでに作成しているポートフォリオを参考にするのは勉強になります。
前述の通り、完全にコピーをするのは良くありませんが、未経験の方がなにも見ずにいきなり作成に取り掛かるのは無理がありますし、非効率的であると言えます。

そこで本章では、動画編集におけるおすすめの参考例を2つ紹介していきます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.Tetsu.【office nico】

Tetsu.【office nico】
出典:Tetsu.【office nico】YouTubeチャンネル

YouTubeのチャンネル上で、動画制作実績をまとめているケースの参考例です。
自己紹介動画も公開しているため、どのようなスキルをもち、どんなジャンルを扱った経験があるかもすぐに理解できる内容となっています。

投稿本数は13本(2023年7月現在)とポートフォリオとしては十分な動画数であるため、ぜひ参考にしてください。

2.吉川エリ(映像作家)

吉川エリ(映像作家)
出典:吉川エリ – foriio

前述した「foriio」にてポートフォリオを掲載している、クリエイターの吉川エリさんも非常に参考になります。

映像制作会社を経て独立しているため、クオリティの高さには定評があり、実績としては「MV」「CM」「LIVE映像」を手掛けていますので、大型案件を請け負える実力の高さが伺えますね。

ポートフォリオ内にもたくさんの動画作品が掲載されており、参考になる点が非常に多いポートフォリオと言えるでしょう。

動画編集のポートフォリオを作って自己アピールに繋げよう!

本記事では、動画編集におけるポートフォリオの重要性や載せるべき必須項目、作り方のポイントなどについて解説してきました。

動画編集を仕事にしていく以上、あなたのスキルや実績をアピールし、案件を獲得して行く必要があるため、ポートフォリオの存在は非常に重要です。

今までは「ポートフォリオは難しそう」や「時間がかかりそう」と感じていた方も、本記事を参考にポートフォリオの作成に取りかかってみましょう。

動画編集スキルにプラスして、「新たな武器」として今後のクリエイター人生を良い方向に導いてくれることでしょう。

クリーク・アンド・リバー社では、初心者の方に向けた「動画編集入門講座」をおこなっています。こちらは大手動画編集ソフト「Premiere Pro」の活用講座をEラーニング化しており、非常に分かりやすい内容となっています。
ぜひ、お試しください!

合わせて読みたい