現在、YouTubeやTikTokなどの動画配信系SNS市場が成長し続けている中、ソフトやアプリで容易に動画編集ができる時代になってきています。
そういった背景も重なり、動画編集者になりたいという方も多いのではないでしょうか?
しかし、ネット情報や広告などで「動画編集者はやめとけ」「オワコン」と見かけることも少なくありません。
そこで本記事では、増えすぎてもう遅いと言われている動画編集者の「実情」と「将来性」に焦点をあてて解説していきます。
また、記事後半では、動画編集者に向いている人の特徴や必要なスキルについても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
動画編集はやめとけ・オワコンと言われる理由
始めに、動画編集が「やめとけ」「オワコン」と言われる理由を考えていきます。
まず理由の一つに、動画編集者の数が増えすぎて、需要に対して供給が多過ぎていると思われがちであることが挙げられるでしょう。
また、今や誰でも動画編集ができるといった参入障壁の低さや、誰が制作してもある程度のクオリティは変わらないだろう、という単純な予測も理由として挙げられます。
加えて動画編集自体の価格面も少なからず影響しているとされ、業務量の割に大した報酬が貰えないというイメージがあるようです。
しかし、これらの理由は、本当にそうであると言い切れるのでしょうか。
本章で内容を深掘りし、詳しく解説していきます。
動画市場の将来性
まずは、動画市場の傾向と、需要供給バランスの観点から紐解いていきましょう。
「PR Times」にて一般財団法人デジタルコンテンツ協会(DCAJ)が公開した最新の「動画配信市場調査レポート2023」によれば、動画配信市場(インターネット経由)は右肩上がりで成長しており、2022年の市場規模は前年比107%となる4,530億円を記録しました。また、2027年には5,670億円になると推測されています。
上記を見ても分かる通り、動画市場は今後もますます活発になり、それに関連する動画編集者の供給は必要不可欠であると言えます。
つまり、動画編集者の数が増えてきてはいるもののそれを上回る勢いで需要が伸びている為「供給が余り過ぎている」と断定できる状況ではないと言えるでしょう。
動画編集という仕事の実情
次に、動画編集における仕事の実情を紐解いていきましょう。
動画編集をしていく上で、現在主流として活用されている「動画編集ソフト」というツールがあります。
今では、直感的な操作で編集が可能なソフトも登場しており、言ってしまえば誰でも動画編集ができるようになっています。
上記のことから、素人の趣味レベルでも動画編集業界に関与できる「参入障壁の低さ」が伺えるでしょう。
今では、YouTubeやTikTokなどの動画配信プラットフォームの人気により、配信者が自ら動画編集をおこない、そのままアップロードまで完結できる時代です。
そのようなことから、誰でもできるし誰が動画を制作してもクオリティはさほど変わらないだろう、と良くない考えが広がりつつあります。
このような実情から、動画編集者の技能水準が低下していき、付随して動画編集業務における価格崩壊が懸念されています。
参入者が多くなるにつれ、業界がレッドオーシャンになり、動画編集の低価格化が進んでいくと言えるでしょう。
しかし、この実情を逆手にとり、優位性をもつことが可能です。
動画編集者の平均レベルが下がっているということは当然、制作物のクオリティも低くなると考えられます。
つまり、突出したスキルを動画制作に活かし、ハイクオリティな作品を生みだすことで勝ち残ることができます。
発想を飛躍させ、ライバルと差をつける方法を見つけ出せれば、おのずと結果は出てくると言えるでしょう。
そのため、懸念点こそあるものの「オワコン」や「もう遅い」といった言葉を理由に、はなから動画編集をやめようと考えるには、少し判断が早いと言えます。
関連記事:
【結論】動画編集者の将来性は明るい!
本章で解説したことをまとめると下記の通りです。
- 今後さらに動画市場の拡大が見込まれている
- 動画編集者の供給が多過ぎているとは言い難い状況
- 業界の参入障壁が低いがゆえの優位性がある
以上のことから、動画編集者の将来性は明るく、オワコンという言葉はまったく当てはまらないと言えるでしょう。
動画編集者の数が増えすぎている事実は確かにありますが、それに伴うクオリティ担保が難しい現状を考えると、ある意味チャンスでもあります。
結論として動画編集を仕事にしたいと考えている方は、今からでも遅くないと言えるでしょう。
動画編集に向いている人・向いていない人の特徴
実際に動画編集を仕事にしていく上で、向いている人と向いていない人の特徴とはどういったものか、気になる方も多いでしょう。
本章ではその特徴を紹介し、それぞれの要素を詳しく解説していきます。
その要素は下記の5つです。
- コミュニケーション力
- 自己管理
- クリエイティブ
- 情報収集能力
- 地道な作業が苦じゃない
なお、当てはまらないからといって、動画編集者に絶対なれないというわけではないので、あくまでも参考程度に捉えてくださいね。
それでは、一つずつ見ていきましょう。
コミュニケーション力
動画編集を仕事にしていく上で欠かせないのが、コミュニケーション力です。
パソコンに向かい、編集業務だけこなせばよいと思われがちですが、案件を獲得する際の営業や動画内容の企画・提案をおこなう場面で対話が必要なため、コミュニケーションが最低限とれる人は向いていると言えます。
動画制作は一人で全て完結させるわけではなく、さまざまな人と関わりながら良質な動画を作っていくのが基本であり、極端にコミュニケーションが苦手な人には向いていないと言えるでしょう。
自己管理
自己管理ができる人は動画編集に向いていると言えます。
ここで言う自己管理とは、業務におけるタスクを設定して、円滑に仕事を進めていける能力を指します。
編集業務には納期が設けられ、それまでに動画作品を完成させなければいけません。その際、確実に業務を遂行できるスケジュールをたて、その計画に沿って仕事をしていく正しい自己管理が求められます。
上記のように、自分自身をコントロールし、仕事において自己管理をすることが極端に苦手な人は、動画編集者に向いていないと言えるでしょう。
クリエイティブ
クリエイティブな思考をもっていて、その考えを具現化できる人は動画編集に向いていると言えます。
なんといっても、動画制作はクリエイティブな仕事の一つであり、独創性や突飛なアイデアが求められる場面が多くあります。
当然、クライアントから仕事を依頼された場合は、先方の意を汲み取った形に仕上げるため、独自の感性だけで仕事はできません。
とは言え、クリエイティブな思考をもちあわせていなければ、魅力的な動画を作りあげるのは難しいでしょう。
そのため、そもそもクリエイティブでない人は、動画編集に向いていないと言えます。
情報収集能力
情報収集能力とは、動画編集における「トレンド」や「最新技術」を作品に取り入れるために、自らアンテナを張り、気になったことは調べて学んでいくことです。
日頃から、情報収集を怠らない、または得意だという人は動画編集に向いていると言えるでしょう。
常に最新の情報を知ることにより、直接的・間接的問わず、動画編集という仕事に活かされることは間違いありません。
この情報収集が苦手で、面倒だと感じる人には向いていないと言えるでしょう。
地道な作業が苦じゃない
動画編集の実務は地道で細かい作業が多く、継続的な集中力が要求されるため、そういったことを苦に感じない人には向いていると言えるでしょう。
大量の動画素材を必要箇所だけ切り取り、その素材を細かく繋げていく作業や、音声ノイズを除去していく作業など、さまざまなケースに応じて地道な作業をおこなう必要があります。
よって、上記のような細かい地道な作業が苦手で「きつい」と感じる人は動画編集に向いていないと言えます。
関連記事:
動画編集でこれから稼いでいくために必要なスキル
動画編集業界への参入障壁低下のため、ライバルと差をつける「稼ぐスキル」が必要不可欠となります。
簡単な操作の動画編集ソフトを使い、ただ作業をおこなうだけではクオリティの高い作品やクライアントに評価される動画を作るのは難しいと言えます。
そこで、基礎的な動画編集スキルはもちろんのこと、下記のようなスキルが今後稼いでいくために必要となります。
- 営業スキル
- 企画スキル
- VSEOスキル
- Blenderなどの3D、アニメーションのスキル
- 撮影スキル
また、上記のスキルは全て必要というわけではなく、一つでも突出していればかなりの差別化を図れますので、その点も踏まえてぜひ参考に読み進めてくださいね。
営業スキル
会社員として企業に勤め、動画編集を仕事にする場合は、あまり営業活動に携わる場面は少ない傾向にあります。
しかし、副業やフリーランスとして独立を考えている方は「営業スキル」が必須となります。
営業をおこない、案件を獲得しないことには仕事として成立しないため、自身のアピールを最大限できるように「提案文」や「ポートフォリオ」を充実させるスキルを身につけましょう。
また、契約前の事前ミーティングも頻繁におこなわれるため、クライアントとのコミュニケーションが大切であるとも言えます。
関連記事:
企画スキル
一昔前までは、企画と編集業務が分業されていましたが、近年ではそういった境界がなくなりつつあります。
つまり、動画編集者であっても企画に携わる機会が増加しているということです。
そのため、編集スキルだけあればよいという考え方は、現在ではあまり通用しない傾向にあり「どういった内容の動画に需要があるのか」「ターゲットに刺さるのか」といった企画スキルが重要になると言えるでしょう。
VSEOスキル
VSEOとは「Video Search Engine Optimization」の頭文字をとった略称であり、Web業界で活用されている施策「SEO」の動画コンテンツ版と考えるとよいでしょう。
動画コンテンツを検索した際、よりたくさんのユーザーの目に触れ、実際に動画を視聴してもらえるように施せるスキルと言えます。
「VSEO」を取り入れることにより、各動画プラットフォームでの表示機会を増加させたり、視聴者維持率・回遊率を向上させたりできるため、コンテンツのコンバージョンに繋げられるようになります。
Blenderなどの3D、アニメーションのスキル
動画にはさまざまな表現方法があり、その中でも習得していると重宝される編集スキルに「3Dやアニメーション」が挙げられます。
専門性が高くて難しそうと思われがちですが、無料で使用できる「Blender」というソフトを活用すれば、手軽に3D・アニメーションのスキルを習得できます。
当然、基本操作の勉強や実際に制作してコツを掴むまでに時間はかかりますが、動画編集者としてこのスキルを習得しておいて損はありません。
関連記事:
撮影スキル
前述した「企画スキル」と同様に、撮影も完全分業という文化はなくなりつつあります。
自ら撮影した動画素材を用いて動画編集をおこない、完成まで辿り着かせるのは今や一般的になってきています。
そのため、撮影デバイスの知識を要し、撮影と編集がそれぞれ高いレベルで、一気通貫でおこなえる人材は重宝される傾向にあり、動画編集者としてのアピールポイントになるでしょう。
「動画編集はやめとけ」は嘘!
「やめとけ」と言われたり「オワコン」と囁かれたりする動画編集の仕事ですが、そのように解釈されるにはあまりにも根拠が薄く、勝手なイメージが先行していると考えられます。
本記事をまとめた上で、結論として「動画編集はやめとけ」というのは嘘であると言えます。
動画編集の実情と内容を深掘りした本記事を読んでいただいた方であれば、そうでないことが充分お分かりいただけたと思います。
一方で、動画編集業界がレッドオーシャンであることは否めません。
そこから抜け出すためには、動画編集初心者層からの脱出が必要となり、突出したスキルを身につけて差別化を図ることが重要です。
現在では、体系的に学べるEラーニングや動画編集スクール、セミナーなどもありますので、この機会にぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
クリエイティブビレッジでは、動画編集スクールのおすすめ記事や独学でスキルを習得する方法の記事を掲載しています。
また、必修の動画編集ソフト「Premiere Pro」をEラーニングで学べるサービスを提供していますので、興味のある方は是非下記ページをご覧ください。