近年、注目の職業として「動画編集者」が取り上げられることが多くなりました。
その背景には、YouTubeやTikTok、Instagramといった動画を扱った配信プラットフォームの成長があります。
一般財団法人デジタルコンテンツ協会(DCAJ)が「PR Times」で公表した「動画配信市場調査レポート2023」によると、2022年の動画配信市場規模は4,530億円(前年比107%)でした。また、2027年に5,670億円になると推計されています。
本記事では、これからますます活躍が期待される動画編集・制作業界について深掘りしていき、仕事内容や年収、未経験でも可能かを詳しく解説していきますね。
参考:『動画配信市場調査レポート2023』発行について-PR Time
動画編集者の仕事内容とは
動画編集者の仕事内容を一言で表すと、撮影済みの映像素材を作品として最終的に仕上げる仕事です。
現在では、動画編集ソフトを使用して制作していくため、動画編集をするには専門的なスキルと知識が必要であるとされています。
映像素材を必要箇所のみ繋げていき、ユーザーに見やすい形に整えたり、テロップと呼ばれる字幕を挿入したりと、専門技術は多岐に渡ります。
また、どれだけの数の動画を編集してきたかで、編集者としての実力が違ってきます。
極端な話、動画編集歴一年でも、数をこなしていれば、編集スピードの向上や編集アイデアの増加などが見込めます。
これらの内容を把握した上で、おもな仕事の流れを見ていきましょう。
おもな仕事の流れ
動画編集者のおもな仕事の流れを「会社員の場合」と「フリーランスの場合」の二つに分けて解説していきます。
会社員とフリーランスでは、仕事内容こそ同じですが、業務フローや就業形態が変わってきますので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
会社員の場合
勤務は不規則なことが多く、仕事に合わせて勤務時間を決める「配員表」に基づき出勤の時間が決まるのが一般的とされています。
おもに映像制作会社のプロデューサーやディレクター、営業部が獲得してきた動画制作案件の編集作業を任せられます。
クライアントの意向を汲み取り、忠実に動画編集作業をおこなっていくことが大切です。
また、基本的に「動画編集者」ですので、編集作業がおもな業務ですが、最近では分業制がなくなりつつある業界ですので、会社の方針によっては企画、撮影なども含めての仕事が多くなるでしょう。
大手動画制作会社であれば、CMや映画といった大型案件に携わる機会もありますよ。
出典:映像編集者 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
フリーランスの場合
会社員とは違い、フリーランスは自分で仕事を獲得しなければなりません。
個人で活動している動画編集者ですので、よほど有名でない限り、待っていても仕事が舞い込んでくることはありません。
各所の営業活動から始まり、案件獲得ができれば編集実務をおこない、納品といった仕事の流れになることが多いでしょう。
動画編集を仕事にするためのおすすめソフト3選
動画編集をするためにはPCと動画編集ソフトが必要になります。
初心者の方でも、上記の準備が整っていればすぐに作業を始められます。
本章では、動画編集ソフトのおすすめ3選を紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
関連記事
Adobe Premiere Pro
現在、もっとも使用されている動画編集ソフトであり、WindowsとMac両方で使える点がユーザーの心を掴んでいます。
費用は月額制であり、これから先動画編集を仕事にしていく方にもおすすめのソフトと言えるでしょう。
また、クリーク・アンド・リバー社では、初心者の方に向けた「動画編集入門講座」をおこなっています。こちらは大手動画編集ソフト「Premiere Pro」の活用講座をEラーニング化しており、非常に分かりやすい内容となっています。
ぜひ、お試しください。
動画編集ツールを使い始めたばかりの方が対象の動画編集入門講座Eラーニング版
Final Cut Pro X
「Final Cut Pro X」は、買い切りの動画編集ソフトのため、月々の出費がない点がおすすめです。
しかし、Macユーザーしか使えないというデメリットがあり、Windowsユーザーからの支持を受けられていないのが現状と言えます。
参考:MacのためのFinal Cut Pro – Apple(日本)
Filmora
全くの初心者にもおすすめできる動画編集ソフトである「Filmora」は、操作が直感的でいちいち機能を探す手間が他のソフトに比べて少ないという利点があります。
とはいえ、動画編集における専門用語や知識が必要ないわけではありませんので、そのあたりの学習は必須となってきます。
関連記事
動画編集者の年収
厚生労働省が運営する職業情報提供サイトjobtagによると、令和4年の平均年収は「579.8万円」となっています。
クリエイティブ業界の中では比較的高めの数字となっており、大手映像制作会社に勤務やフリーランスとして活躍できれば、年収700〜1,000万円もあり得る業界と言えます。
出典:映像編集者 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
(出典:令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)
未経験から動画編集の仕事はできる?
結論から言うと、未経験からでも動画編集の仕事はできます。
「未経験者OK」という企業もありますので、クリーク・アンド・リバー社が運営する以下の求人検索サイトで探すことをおすすめします。
映像編集の求人|クリエイターの求人・転職エージェントならクリエイティブジョブ
また、PCがあれば動画編集ソフトを導入するだけですぐに着手できるため、未経験の方でも始めやすい仕事と言えるでしょう。
本章では、動画編集の将来性と未経験からでも可能な学習方法について解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
動画編集という仕事の将来性
動画編集という仕事に、将来性はあると予想されています。
動画配信市場を見てみると、2027年には5,670億円(2022年比125%)にのぼるとされており、まだまだ市場規模は高まる勢いであると言えます。
市場規模の拡大にともない、動画編集者の需要も高まり、今後も重要なポジションとなっていくことでしょう。
関連記事
未経験者の学習方法
未経験の方が、動画編集を仕事にするための学習方法を下記の4つに絞って紹介していきます。
- 動画
- スクール
- 就職
- 書籍
それぞれ詳しく見ていきましょう。
動画
今ではチュートリアル動画を閲覧しながらの学習が可能となっています。
有益な情報が多く、未経験の方でも分かりやすい動画が多く配信されています。
一方で、ひとつのチュートリアル動画につき、少数スキルの解説内容が多いため、学習したいことを一気に学びにくい点があります。
網羅的かつスピーディーに学習をしたい方は、以下に掲載されている「Eラーニング」での学習がおすすめです。
動画編集ツールを使い始めたばかりの方が対象の動画編集入門講座Eラーニング版
スクール
動画編集の未経験者に向けた「動画編集スクール」があります。
基礎知識やスキル、現場で活きる実践スキルまで幅広く学習することができ、スクールによっては営業方法のアドバイスや案件獲得の斡旋などをしてくれるところもあるため、詳しくは下記の記事をご覧になってください。
関連記事
就職
前述にもあった通り「未経験OK」の求人を出している企業に就職して、日々の業務をこなしながら学習していく方法です。
未経験ですので、はじめのうちはできることが限られていますが、アシスタントとして下積みをし、自身の動画編集スキルを身につけていきましょう。
書籍
参考書を読み進めながら学習していく方法です。
絵や図で分かりやすく解説している書籍もありますが、あまりおすすめはできません。
理由としては、実際に編集ソフトを使って手を動かしながら学習するのが望ましいので、常時本を片手に作業していくのは効率が悪いと考えられるからです。
スキマ時間のちょっとした勉強に書籍を活用すると良いでしょう。
動画編集の仕事を獲得する方法
ある程度動画編集スキルをマスターできた場合、そこからどのように仕事へと繋げていけば良いのか、気になる方も多いでしょう。
そこで本章では、動画編集における仕事の獲得方法を紹介していきます。
おすすめの獲得方法は下記の3つです。
- クラウドソーシング
- 直営業
- 就職
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.クラウドソーシング
クラウドソーシングとは、インターネット上の仕事獲得プラットフォームであり、数多くの案件があります。
副業やフリーランスとして活動を考えている方は、まずクラウドソーシングで実績を積んでいくのが良いでしょう。
2.直営業
企業のホームページから直接連絡をとり、提案文を送付して仕事を獲得する方法です。
この場合、ある程度のスキルと実績が必要になりますので、動画編集に慣れていくつか実務をおこなった上でチャレンジするのが望ましいでしょう。
また、ポートフォリオを相手先に提示すると印象が良くなりますので、営業の際は提案文に載せることをおすすめします。
3.就職
映像制作会社に就職し、会社員として働く方法です。
企業に属して仕事をするので、福利厚生はもちろんのこと、収入の安定性がありますので、手堅く考えている方にはおすすめです。
クリーク・アンド・リバー社では、転職支援サービスをおこなっています。
ぜひこの機会に無料登録をしていただき、映像業界の専任エージェントにオンライン相談をしてみましょう!
登録すると?(登録のメリット) | クリエイターのための総合情報サイト CREATIVE VILLAGE
動画市場は成長産業!
前述にもあった通り、動画市場は今後も安定して成長していくと予想されています。
そこに付随して、ユーザーにとって魅力的な動画を作る「動画編集者」の需要も拡大路線にあります。
未経験からでも比較的始めやすいクリエイティブな仕事の一つであり、学習の仕方や仕事環境により早急なスキル習得も実現可能です。
仕事の仕方は人それぞれではありますが、自分に合った働き方を見つけ、クリエイターとして大きく羽ばたいていきましょう。