近年、座席のムーブ、風、香りなど、その臨場感と迫力でますます人気が高まっている4DX。『パシフィック・リム』や『ジュラシック・ワールド』等は、4DXの「体験」という意味でも話題となりました。
そのような盛り上がりの中「4DXのために映画を作ったらどんなに凄いだろう」という想いから生まれた作品が『ボクソール★ライドショー 恐怖の廃校脱出!』(1月16日より全国順次ロードショー)。
これまでの、既存の作品を4DX版として上映する形態とは異なり、生まれながらにして4DXの性能を100%体感できる真のアトラクションムービーです。
この日本初の4DX専用映画を手掛けるのは「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」シリーズ、『シロメ』で知られる白石晃士監督。日本ホラー界きっての奇才が恐怖の廃校に仕掛けた罠の数々とは??
主演はフォロワー数 10万人を超える、人気の女子高生女優、岡本夏美。さらに、渡辺恵伶奈、松本妃代と今旬の若手女優が体当たりの熱演を見せる脱出ホラーです。
このたび、本作の4DXクリエイティブ・ディレクターYoung Choi(チェ・ヨンスン※チェ=崔)さんのオフィシャルインタビューが到着しました。
■どのような経緯で、現在の4DXクリエイティブの道を選ばれたのですか?
Young Choi(チェ・ヨンスン):最初、広告製作からスタートし、ビジュアル・エフェクトのプロデューサーとして活動しました。その後、映画製作の疲れもあって、1年間仕事を休んでいる間に、大ヒットしていた『ゼロ・グラビティ』で、生まれて初めて4DX映画に触れました。
映画の中に入って体感できる、新たなエンターテインメントの形だと感激していたところ、たまたま4DXに携わる仕事をしていた友人から声をかけられ、クリエイティブ・ディレクターとして働くことになりました。
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■これまで、どのような作品を4DX化してきましたか?
Young Choi(チェ・ヨンスン):現職について2年目になりますが、毎年75本、今年まで150本の長編商業映画を担当しました。商業映画だけではなく、CMや予告編、オルタナティブ・コンテンツなども手掛けており、全部で累計300本くらいです。
これまでディレクターとして手掛けた全ての作品に愛着を持っていますが、やはり4DXと相性が良いジャンルといえば、アクションです。そこで『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』では、作品のキャラクターを追っていくような新しい企画を試みました。
また『ハルク・スペシャルバージョン』では、ハルクの咆哮(ほうこう)する瞬間のリアルな振動をバイブレーションで表現するなどの展開を試み、とても印象深い作品でした。
■『ボクソール★ライドショー 恐怖の廃校脱出!』の4DX演出のコンセプトは?
Young Choi(チェ・ヨンスン):まずは、POV(Point of View Shot:主観ショット)スタイル作品の魅力を活かすべく、4DXの動きや動線をうまく組み合わせて俳優たちとの距離感を自然と共感できるようにすることです。
次に、「はっ!」と驚かせる演出の意図を倍増させるため、4DX的な効果Back Tickler(背面座席が動く)やFace Water(前席から、顔の周辺に水が吹き付ける)などを重ねました。そして、バランスとエキサイティングです。
本作は、日常を描いた作品ではなく、映像も整えていない荒さなど、そもそも追求する表現スタイルがある作品なので、そこに4DXのエンターテイメント(風やバブルなど)を溶け込ませて、4DXとしての魅力もふんだんに味わえるようにしていきました。
■韓国では4DXの他にもスクリーンXのような上映形態があるそうですね。多様化する視聴方法ですが、未来の映画館、映画の楽しみ方はどのようになっていくと思いますか?
Young Choi(チェ・ヨンスン):2Dが進化して3Dに発展し、IMAXやVRが誕生しての4DX。さらに映画館に足を運ばなくても、VODサービスのようなホームエンターテイメントで映像を楽しむことができる時代になりました。こういった多様化する視聴方法やそれを取り巻く背景の中、他のエンターテインメントに比べて4DXは観客に映画の世界への没入感を与えることができます。今後4DXが将来の映画業界を牽引していくリーダーになれるようにしていきたいですね。それが実現できると、自然と観客らのニーズも増えて、映画館も観客動員数も増えて、映画業界全体の成長にも繋がることを期待しています。
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■4DXが商業化されたのは、2009年。過去作で4DXにしたらもっと面白くなると思う作品はありますか?
Young Choi(チェ・ヨンスン):憧れの巨匠スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』です。4DXとの相性が良い作品でもありますが、その静的な映画の美しさを4DXの表現で再誕生させたい!
また、スタンリー・キューブリック監督といえば『シャイニング』。ジャック・ニコルソンの狂気に満ちた最後のシーンをサプライズ効果をふんだんに取り入れて表現してみたいですね。
【プロフィール】===========================================
Young Choi(チェ・ヨンスン)
CJ 4DPLEX 4DX i-Studio
総括クリエイティブ・ディレクター
1971年7月生まれ。広告製作会社、ビジュアルエフェクトのプロデューサーなどを経て2014年に CJ 4DPLEX 4DX i-Studioに入社。同年1月総括クリエイティブ・ディレクターに就任。主に4DXコンテンツの品質管理及び4DX最終演出の方向性を打ち立て2015年現在150本以上の長編商業映画を4DX化。映画のほか、CMや予告編、オルタナティブ・コンテンツなど含め、2年間累計300本以上のコンテンツを手がけるという驚異的な仕事量をこなし、精力的に活動中。
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■作品情報
『ボクソール★ライドショー 恐怖の廃校脱出!』
出演:岡本夏美 渡辺恵伶奈 松本妃代 大迫茂生 久保山智夏
監督・脚本・撮影・出演 白石晃士
製作:「ボクソール★ライドショー」製作委員会 (C)2016vauxhallrideshow
協力:ユナイテッド・シネマ 制作:Uhuru Films 制作協力:ダブ
配給・宣伝: KICCORIT 上映時間:約25分
2016年1月16日、ユナイテッド・シネマ豊洲他全国順次ロードショー!
公式サイト:http://4dxmovie.jp/
(2016年1月7日 CREATIVE VILLAGE編集部)