グラフィックデザイナーとは、主に商品の宣伝や販売に関わるデザインを行う、幅広い分野で活躍できる職業です。この記事ではグラフィックデザイナーの仕事内容、未経験者がグラフィックデザイナーになるための方法、平均年収について解説します。
1.グラフィックデザインとは
グラフィックデザインとは企業や店舗などのロゴや商品パッケージ、書籍・雑誌の装丁などユーザーが商品を買うときに最初に目にする印刷物をデザインすることです。
広告や名刺のようにユーザーに伝えたい情報を視覚的に表現することもあります。この場合は写真や絵に加えて文字を組み合わせることが多くなります。
このようなグラフィックデザイナーの仕事とDTPオペレーターの仕事は混同されがちです。どちらの仕事にもデザインに関する要素が含まれますが、グラフィックデザイナーの仕事がデザインに特化しているのに対し、DTPオペレーターは主に印刷向けデザインのデータをつくります。
2.目指すために学びたいこと
以下について学んでおくと実務に役立つでしょう。
- 構図
- 色彩
- 書体(フォント)
色彩については特に色の種類や表現方法に関する知識で「プロセスカラー」と「スポットカラー」について学んでおくとよいでしょう。
フォントは和文フォントや欧文フォント、デザイナーフォントなど非常に多くの書体があります。
また、フォントや写真を利用する際はライセンス(使用許諾)を守らなければなりません。このためには著作権の知識も必要になります。
3.学べる学校
IllustratorやPhotoshopなどツールの基礎知識は公式のヘルプやチュートリアル、教則本から学ぶこともできますが、以下のような美術系・クリエイター系の大学や専門学校に進んでデザインの基礎を学ぶ方法もあります。
これから進学を考えている方はぜひチェックしてみてください。
多摩美術大学
これからのAI時代を勝ち残る為に必要な、ゼロからイチの価値を生み出せる「創造的な力」をもった人材を育成。多様性を重視した入試ではセンター試験のみでの受験方式も拡充し、総合大学との併願も可能。
学部 | 美術学部 |
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学科 | ・グラフィックデザイン学科 ・生産デザイン学科 ・情報デザイン学科 |
公式HP | https://www.tamabi.ac.jp/index_j.htm |
武蔵野美術大学
幅広い教養を備え、人間的にも優れた美術・デザインを中心とする造形各分野の専門家を養成。
学部 | 造形学部 |
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学科 | ・視覚伝達デザイン学科 ・基礎デザイン学科 ・デザイン情報学科 |
公式HP | https://www.musabi.ac.jp/ |
専門学校 桑沢デザイン研究所
1954年にデザイン・ジャーナリスト桑澤洋子によって設立された、日本初のデザイン学校。
公開シンポジウムや卒業生作品展など、外に開かれた発表・交流の機会も多彩。
学科 | ・総合デザイン科(昼間部・3年制) ・ビジュアルデザイン専攻科(夜間部・2年制) |
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公式HP | http://www.kds.ac.jp/ |
東京デザイン専門学校
プラス1講座、インターシップ、資格講座、産学協同活動、海外研修など、やる気に応える多彩な課外講座が多数。各人の人格や個性、能力、興味・関心を尊重しながら、教育のプロと現役クリエイターが指導。
学科 | グラフィックデザイン科 |
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公式HP | https://www.tda.ac.jp/subject/ |
4.グラフィックデザイナーに資格は必要?
グラフィックデザイナーになるために特定の資格は必要ありません。資格よりも経歴やデザインセンスがクライアントの要望や仕事内容にあっているかが重視されます。
未経験からデザインセンスを磨くためにはIllustratorとPhotoshopを使いこなすことが必要最低限のスキルです。
しかし、実務経験に活かせる資格もあります。資格の取得を考えている場合は以下の資格を参考にしてみるとよいでしょう。
ウェブデザイン技能検定
検定概要 | 実技および学科試験で実施され、関連国際標準規格等に基づきウェブデザインに関する知識・技能、実務能力等が問われます。1級の合格者には厚生労働大臣より、2級及び3級の合格者には当協会理事長より、ウェブデザイン技能士の合格証書が発行されます。 |
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公式HP | http://www.webdesign.gr.jp/ |
色彩検定
検定概要 | 色の基礎から、配色技法(色の組み合わせ方)、専門分野における利用などを幅広く学習。感性や経験によらない、色彩理論の土台を身に付けることができる。 |
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公式HP | https://www.aft.or.jp/ |
アドビ認定アソシエイト
資格概要 | Photoshop、Illustratorの基本的な利用スキルを証明する資格。試験科目はアドビのアプリケーションごと(Adobe Photoshop CC、Adobe Photoshop CS6、Adobe Illustrator CC)に独立してあり、資格は科目ごとに認定。 |
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公式HP | https://adobe.odyssey-com.co.jp/index.html |
5.平均年収
グラフィックデザイナーの平均年収は337万円ですが、雇用形態によって年収に差があります。インハウスデザイナーの場合は企業の規模に比例して年収が増加する傾向があり、大手の出版社や広告代理店の社員として働くデザイナーの中には、年収が1000万円を超える人もいます。
ただし、デザイナーは一般的な職種のように年齢や勤続年数に応じて収入が増加することは少ないようです。
グラフィックデザイナーのみを対象にした統計データではありませんが、一方でフリーランス全般の平均年収は300万~400万円のレンジに集中するようです。
一見するとインハウスデザイナーとあまり年収に差がないようにみえますが、フリーランスの場合はデザイン制作にかかる経費や健康保険料、年金などもすべて自己負担です。同じ年収であっても、インハウスデザイナーよりも手取りの収入は少なくなります。
グラフィックデザイナーの年収・年収の上げ方については以下の記事で詳しくまとめていますので、ぜひご覧ください。
6.まとめ
グラフィックデザイナーは未経験から挑戦できる職種です。実務経験やデザインセンスが問われるため、クライアントの要望にあった作品がいつでも作れるよう、さまざまなデザインに触れてセンスを磨いておくとよいでしょう。
また、グラフィックデザイナーからWebデザイナーなど他分野のデザイナーにキャリアチェンジする選択肢もあります。就職・転職をする際はお気軽にクリーク・アンド・リバー社のエージェントサービスをご利用ください。