無料でCGの制作スキルが学べ、就職支援までしてくれるスクールがあることをご存知でしょうか。クリーク・アンド・リバー社が運営する「クリエイティブアカデミー(以下アカデミー)」は、初心者でも短期間で即戦力まで育てる環境が整っています。それも受講料や違約金、退会金がかからないだけでなく、クリエイティブPCやツールの無償貸出も行っている本当の『完全無料』。

今回はその中でも現役学生限定としている【CGブラッシュアップクラス】の受講生たちにインタビューを行いました。(インタビュアーは同CGブラッシュアップクラス担当者の前田)

川辺(写真・右)
専門学校3年生。2019年8月よりCGブラッシュアップクラスに参加。
プラチナゲームズ株式会社への内定を果たす。

松永(写真・左)
専門学校3年生。2020年1月よりCGブラッシュアップクラスに参加。
株式会社スパイク・チュンソフトへの内定を果たす。

「君が一番下手」企業担当者の一言で一念発起

――まず、ふたりが、CGブラッシュアップクラスへ応募したきっかけを教えてください。

川辺 専門学校2年の夏休みに企業にポートフォリオを見せる機会がありました。自分の中では、少し自信があったんですが、企業の人から「今日、見た中で一番下手だね」と言われてしまって……。そこで、もっと自分が成長できる場所を探していたところ、「荒廃したアメ横(CGブラッシュアップクラス卒業生・藤井健一さんの作品)」をTwitterで見かけて、このクラスの存在を知りました。クリークさんは、派遣のイメージが強かったので親にも止められましたが、新卒は社員として就業決定支援をしているとのことだったので受講することを決めました。最初は、親を説得して通い始めましたね。

松永 川辺くんが、このアカデミーへ通っていたので興味を持ちました。あと、佐藤先生の作品をみて、「この先生に教えてもらえるんだったら行きたい!」と思ったのも大きいですね。教えてくれる人を尊敬していれば、「この人に教われるんだから、頑張らなくちゃ!」と思えるので。

CGブラッシュアップセミナー

――実際に通ってみて、佐藤先生の印象や指導方法はいかがでしたか?

川辺 佐藤先生への印象は、「怖い」と「厳しい」でした(笑) というのも、すごく上手い先輩たちのポートフォリオに厳しいフィードバックをしていたので……。「自分、大丈夫かな」と思いながら、最初はビクビクしてましたね。でも、おかげで、「このクオリティじゃ先生に見せられない!」というラインが自分の中にもできて、きちんとスケジュールを管理しながら進められるようになりました。毎週チェックがあるので、締め切りに追われる漫画家のような気分でしたけどね(笑)

――佐藤先生のイメージは、今でも怖いですか?

川辺 毎回、細かくフィードバックしてくださったり、深夜まで添削に付き合ってくれたり、というのを重ねて本当は優しいんだな…ということに気づきました(笑)今は、怖いという印象はなくなりましたね。厳しいとは思います(笑)

――厳しい、というところに関して。佐藤先生のフィードバックで驚いたことはありますか?こんなところまで見るんだ!というような。

川辺 たくさんあるんですけど……いちばんびっくりしたのは、一つ上の先輩・東さんへのフィードバックですね。佐藤先生が東さんのポートフォリオ見てる時に「ここ、ずれてない?」って指摘していたんです。東さんは、「ずれていないです」と言っていたんですけど、あとでイラストレーターを開いたら、1ピクセルだけずれていて……。

松永 すごいよね。

CGブラッシュアップクラス

川辺 もう感激ですね。そのくらい細かいので毎回びっくりしていました。あと、ポートフォリオに関しては「読み手のことを考えて作って欲しい」と言われていたので、毎回、そこに気をつけていましたね。

誤魔化しが効かないフィードバック 資料集めに奔走

松永 僕は、佐藤先生に初めてあった時、「このポートフォリオじゃ就職は難しいよ」と言われたんですけど、その一言で逆に僕の中で火がつきましたね。

――怖いし、厳しいから行きたくない、とはならなかったんですね。

松永 佐藤先生は厳しいけれど理屈が通っているんですよ。普段作品を見せてもあまり指摘されることがなかったポイントも佐藤先生の場合は、資料と照らし合わせたフィードバックをくださるので納得いくんです。あと、チェックは順番に1対1なので、誤魔化しが効かないことも早く成長できたポイントだと思います。おかげで、モノの汚れひとつ描くときも、「なぜ描くのか?」を考えながら説明できるようにしていました。

川辺 佐藤先生へのプレゼン用に資料を集めたりしたよね。

松永 そうそう。それもひとつの楽しみになっていました。「ほとんどの晴れているシーンでは、ここがこうなっているので、こう表現する方が一般的じゃないですか?」とプレゼンしたり。

ーーその経験は、企業へ就職した時にも役立ちそうですね。

松永 本当にそうですね。あと、ただ忠実に表現するのではなくて、その中にも自分のこだわりが出るような技術の身につけ方ができたと思います。週2回という限られた時間の中で教えてもらっていたので、フィードバックをもらう時は必ず事前に疑問点をまとめておくようにしていました。佐藤先生の時間をフルに使って吸収することを意識していましたね。

CGブラッシュアップセミナー

ーーふたりは、最初から背景モデラーを志望していましたが、CGブラッシュアップクラス内ではコンポジットなど絵作りも学んでいましたよね。どんな風に役立ちましたか?

川辺 僕がこれから作品をリアルに作るために身につけないといけないのが、コンポジットの知識だったんですよ。ノイズとかフィルターとか、学ばないといけない課題が沢山あったんですけど、今までの作品で一度も使ったことがなかったんです。だけど、先生からコンポジットを教えていただけたので、よりリアルに作ることができるようになりましたね。先生に相談してカメラも買いに行きました。

ーー作品をよりリアルに作るために役立ったんですね。松永くんはどうでしょうか?

松永 僕は、前からデッサンを勉強していたのですが、まだまだ技量は足りないことが分かりました。例えば、古い時代の背景だったら、劣化している物の隣に綺麗な新しいものをおいてもおかしいですし、そういった根本的なところから考えたいというところで、その辺もコンポジットを通して身につけられて良かったと思います。

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▲(左から)松永作品「夕暮れが照らす町」、川辺作品「陶芸絵師の工房」

受講生同士で教え合うことが「復習」につながっていた

――この講座はディスカッション制度を取っているので、先生からだけでなく、同じ受講生たちからもフィードバックをもらえるところが特徴です。松永くんと川辺くんは専門学校も同じ、ということもあって、コミュニケーションの機会も多かったですよね。

松永 僕より先にCGブラッシュアップクラスへ参加していた川辺くんから色々と教えてもらえるのは、すごくありがたかったです。今まで自分が頑張ってきたものを無料で提供するようなものだから……。教えてもらう度に、ちゃんと結果を出したい気持ちも強くなりましたね。

ーー川辺くんが教えてくれることが松永くんのモチベーションに繋がっていたんですね。一方、川辺くんは自分がこれまでに学んできたことを教えるのに対して抵抗はなかったですか?

CGブラッシュアップクラス

川辺 なかったですね。それに教えることできちんと復習ができて、より成長できたと思います。反対に、僕が松永くんに美術のことを教えてもらうことも多かったです。自分が足りない部分を松永くんに教えてもらうのはメリットでした。お互いにwin-winでしたね。

松永 良いところを教え合っていたような感じだよね。独学だと慣れればなれるほど感覚的に作ってしまう人が多いと思うので、先生や川辺くん、他の受講生たちから厳しいチェックをされて初めて気づくことも多かったです。

「恩返しがしたい」内定を獲得したあとも通い続けているモチベーションの源泉

ーー最近2人は後輩に向けて、指導するチュートリアル動画を作ってくれていましたね。この動画を作ろうと思った、きっかけは?

川辺 CGブラッシュアップクラスの先輩たちに色々と教えてもらった恩返しをしたかったからです。内定をもらって心の余裕が出てから、「そういえば、先輩方に色々と教えてもらったな…..」と思い出して(笑) 先輩たちへの恩返し、という形で後輩へ向けて教えようと思いました。

松永 実際、「川辺くんが教えてくれたからテクスチャが上手くなった」って言ってた子もいたよね。

川辺 CGブラッシュアップクラスは2クラスに分かれていて、他の学校の人や通っている曜日が違う人の中には、積極的に聞きづらい人もいるんじゃないかな?と思って、受講生なら誰でも見える場所にチュートリアル動画を置きました。

松永 優しい。僕は皆のために、というよりは川辺くんのためにデッサンのチュートリアル動画を作りましたね。デッサンがどれだけ重要かというのは僕自身、身を以て実感したことだったので、川辺くんのためになるといいなと思って作りました。

CGブラッシュアップセミナー

川辺 めちゃくちゃありがたかった。

松永 それこそ、川辺君と僕が仲良くなかったらチュートリアル動画を作ろうなんて思わなかったな。そういう点では、ディスカッションをはじめ、生徒同士の交流が盛んなところがCGブラッシュアップクラスのポイントでもあるかなと思いますね。

きめ細やかなフォロー体制 面接に集中できた理由

――当クラスでは作品/ポートフォリオ制作から就職支援まで行っていますが、2人がかなり苦戦したと思う就職活動のことについて、聞きたいと思います。

川辺 いちばん苦労したのは面接ですね。アカデミー内でやってもらった1回目の面接練習が散々だったんです。緊張して頭が真っ白になってしまって、何にも喋れない1時間が続いて……これを見かねてか連日面接練習に付き合ってもらったことが大きかったですね。1対1での面接練習を行う機会はなかったので、アカデミー内でやってくれるのは本当に助かりました。

松永 僕も、面接練習は役立ちました。特に特定の質問に対して、自分の考えと伝わり方に齟齬がないように、「どのように答えたら良いのか」など細かいところまで親身になって相談に乗ってくださったのは本当に心強かったですね。企業側に書類を提出する部分もやってもらえたので、決め手となる面接に集中できたのも嬉しかったです。あと、クリークさんは、いろいろな企業さんと連携しているので、自分に合った会社を先生やクリークさんの目線からも見て選んでくれるのも大きかったですね。

ーー川辺くんはプラチナゲームズ株式会社に、松永くんは株式会社スパイク・チュンソフトに内定をもらいましたね。決め手はどこだったのでしょうか?

川辺 僕はプラチナゲームズ株式会社が作るゲームの世界観、背景クオリティが大好きだったのが決め手です。今まで自分がユーザーとして感動させてもらった分、自分も恩返しで返せるように頑張りたいですね。

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松永 面接時に自分に合いそうな会社だと思ったのが決め手ですね。好きな会社に入ったからには、貢献したいって気持ちがあります。今まで学んできた美術的感性を会社の個性とマッチさせて良いゲームを作りたいと思っています。

ーーでは、最後に。CGブラッシュアップクラスを受けようか迷っている方へメッセージをお願いします!

松永 独学でやっていると、今の自分の技量で判断してしまうことも多いので、色んな角度から指摘してもらえること学びになります。あと、先生が個別で真剣に進路を考えてくれているのが、すごく良かったですね。初めて佐藤先生に話しかけられた授業で呼び出されて、「松永くんは本当に3Dの背景で良い?」と聞かれた時、本当に真剣に僕の進路を考えてくれているんだと分かって嬉しかったですね。

川辺 独学でやっていると、精神的にも技術的にも詰まってしまうことが多々ありました。そういうことを解決する意味でも、CGブラッシュアップクラスには、技術的にも精神的にも相談しあえる仲間がいるし、先生もいるのでおすすめです。

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