ちまたにあふれる「Webマーケティング」という言葉。でも、Webマーケティングとは何かと改めて聞かれると、さっと答えられない方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、Webマーケティングの概要と手法を目的別にまとめて紹介します。
SEOやアフィリエイト広告など、Webマーケティングの手法は千差万別ですが、どれも集客・接客・再来訪・効果測定のどれかを実現するための方法です。何のために行う施策なのか、ひとつずつ確認していきましょう。
- Webマーケティングの概要と目的
- そもそもWebマーケティングとは
- マーケティングの目的
- Webマーケティングの目的
- 集客するためのWebマーケティング手法
- 検索エンジンからの集客:SEO
- 検索エンジンからの集客:リスティング広告
- 広告からの集客:アフィリエイト広告
- 広告からの集客:Web媒体への広告出稿
- SNSからの集客:SNS広告
- SNSから:ソーシャルメディアマーケティング
- 接客するためのWebマーケティング手法
- ランディングページの最適化
- 入力フォームの最適化
- Web接客ツールを使ったフォロー
- 再来訪を促すWebマーケティング手法
- リターゲティング広告
- メールマーケティング
- Webマーケティングの効果測定方法
- アクセス解析
- まとめ
Webマーケティングの概要と目的
経済産業省が2017年に発表した「平成28年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」。この調査によると、2016年の日本国内消費者向け電子商取引の市場規模は、15.1兆円(前年比9.9%増)まで成長しています。
市場規模は毎年右肩上がりに上昇していて、インターネット上における商取引はますます活発な状況に。このような環境の中、Webマーケティングもまた、その重要性を増しています。
そもそもWebマーケティングとは
Webマーケティングとは、その呼び名の通りWebを使ったマーケティングのことを指します。
それではマーケティングとはどういった意味があるのかと言えば、ある製品、サービスを販売するために、どうすれば消費者が商品を理解し、購入するに至るか、というそのプロセスに対する手法とも言い換えることができます。
マーケティングという言葉にあまり馴染みのない人にとってはマーケティングを広告のようなものを想像するかもしれません。
これはマーケティングというものが前時代的な媒体のイメージによるものが大きいのではないかと考えられます。
インターネットがまだ世になかった頃の時代では、テレビ、ラジオ、新聞を中心とする媒体がマーケティングの主役でした。
テレビやラジオで流れるCMはある一定の時間枠でしか自社のCMを流すことができません。当時はこの広告の枠を抑えるための広告代理店との関係性が大きなウエイトを占めており、いかに世間が注目する場所に広告を出せるか、ということに終始していました。
しかしWebマーケティングではそうした発想がありません。
Webは消費者が自分の好きなものを好きな時に見ることができる媒体です。
また情報を発信する側としても、好きなように情報を加工することができ、自分の媒体に人気が出てしまえば、テレビやラジオのような枠を押さえなくても、自前でマーケティングを行うことだって可能です。
近年では誰もがSNSを使うようになったことや、通信インフラの革新によって、テレビのように一方通行的なコミュニケーションではなく、双方向、多角的な宣伝手法を取り入れる企業も当たり前になってきました。
Webマーケティングとは、単一的な画像や映像で広告を流すことだけではなく、インターネットに関係するインフラやテクノロジー、コンテンツを活用できるマーケティングということができます。
マーケティングの目的
Webマーティングの目的を説明する前に、まず一般的なマーケティングの目的について説明いたします。
消費者が商品、サービスを購買するまでに至るプロセスとして、AIDMAと呼ばれる購買行動モデルが提唱されています。
いくつかこうしたモデルは存在していますが、AIDMAを例にすると、認知、興味、欲求、記憶、行動という5つのプロセスに分けることができます。
ここでマーケティングの目的を考えた場合「○○人に認知してもらおう」とか「子供のいる人に興味を持ってもらおう」と考えるかもしれません。
こうした小さな目標はマーケティングの中にもありますが、あくまでマーケティングは手段であり、サービスを買ってもらうことが目的です。
マーケティングの世界では「究極のマーケティングは、マーケティングせずとも商品が売れること」と冗談めいたように言われることもあります。
野球の世界で例えれば、バッターボックスに立てば必ずホームランを打つという感じに置き換えることができるでしょうか。
もちろんそんなことは限りなく不可能に近いくらいできないことかもしれませんが、野球選手が打率を上げるために様々な練習に取り組むのと同様に、商品が売れる確率を増やすためのもの、と考えればいいかもしれません。
Webマーケティングの目的
Webマーケティングも、通常のマーケティング活動と同様、ユーザーの購入行動(コンバージョンと言います)を促し、売り上げを向上させることが最終目標です。
売り上げを向上させるためには、以下の4つが重要になります。
- 集客数アップ
- 接客による売上向上
- 再来訪によるリピーター獲得
- 効果測定による改善策の実施
集客 → 接客 → 再来訪(リピーター)の循環がうまく回ると、売上も順調に伸びていきます。この循環がうまくいっているかどうかを確認するには、効果測定が欠かせません。Webマーケティング成功のカギは、これらの目的がバランス良く組み合わさり、循環させることです。
それでは、具体的に今主流となっているWebマーケティング手法を説明していきます。
集客するためのWebマーケティング手法
ユーザーをWebサイトに呼び込むための集客方法は、Webマーケットでの集客の経路は大きく分けて3通りです。
・検索エンジンからの集客
―SEO
―リスティング広告
・広告からの集客
―アフィリエイト広告
―Web媒体への広告出稿
・SNSからの集客
―SNS広告
―ソーシャルメディアマーケティング
それぞれについて、具体的な手法を見ていきましょう。
検索エンジンからの集客:SEO
SEOとは、Search Engine Optimizationの略称で、日本語だと「検索エンジン最適化」と表記します。特定のキーワードを検索したときに、サイトを上位に表示させるための施策のことです。検索結果の上位に表示できればクリックされる確率が飛躍的に高くなり、なおかつ無料で集客できるため、個人・企業ともにSEOに注力しています。
検索結果に表示される順位は、クローラーと呼ばれる検索エンジンロボットがサイト内を巡回して、独自に定めたアルゴリズムによって決定します。
以前はアルゴリズムの精度が低く、クローラーの裏をかいたSEO施策を行えば簡単に上位表示することができました。
しかし今ではアルゴリズムの精度が高まったため、ページ訪問者にとって有益な情報を提供できるコンテンツ重視のサイトが検索結果上位に表示されるようになりつつあります。
検索エンジンからの集客:リスティング広告
GoogleやYahoo!などで検索を行い、検索結果一覧の上部・下部に表示される広告をリスティング広告と言います。「検索連動型広告」とも呼ばれ、検索したキーワードに合った広告を表示する仕組みになっています。
タイトルの下に小さく「広告」と表示されるリンクが出るので、通常の検索結果と区別がつくと思います。
キーワード単位に入札形式でお金を出して広告を出します。 GoogleAdWordsやYahoo!プロモーション広告などが有名どころです。
広告からの集客:アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、広告主が設定した成果と成功報酬を提示し、広告を出す側がその条件を満たすと報酬が支払われる仕組みの集客方法です。成果は、購入だけでなく、アンケート回答や問い合わせなどもあります。
単にWebサイトにアフィリエイト広告を貼り付けているだけでは誰も見てくれないため、広告を出す側は自然とSEO対策もセットでやって、アフィリエイト広告を表示しているWebサイトへ人を呼び込む必要があります。 広告主は、成功した時だけ報酬を払えばよいため人気がありますが、成約率に貢献しているかどうかは効果測定をして検証しなければなりません。
広告からの集客:Web媒体への広告出稿
Web上には、さまざまなWebメディアがあります。その中で売りたいモノやサービスに合致したテイストのWebメディアに広告を掲載して、見込み客を集客する手法がWeb媒体への広告出稿です。
そのまま広告として掲載を依頼する場合と、Webメディアに依頼して、掲載されている記事と同じようなPR記事を作成してもらい、そこから集客する場合があります。アクセス数が多くて希望のテイストを持ったWebメディアがあれば、そのサイト訪問者が顧客になる確率も高まる方法ですね。
SNSからの集客:SNS広告
FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSに出稿する広告です。SNSを利用している人の属性(年齢や居住地など)に合わせた広告が出せるという点が大きな特徴です。
SNSから:ソーシャルメディアマーケティング
TwitterのリツイートやFacebookのシェアなどによって、SNSからの集客を狙うWebマーケティング手法を総称してソーシャルメディアマーケティングと呼びます。
最近では、InstagramやYouTube経由で人気が出る、ということもありますね。公式のアカウントを作成し、ユーザーとの交流を図ることで親近感や共感を呼び、自社サイトへの集客につなげます。
接客するためのWebマーケティング手法
せっかくWebサイトへの集客が成功しても、たどり着いたWebサイトで成約してもらうのはそう簡単ではありません。Webサイトで快適に過ごしてもらい、スムーズに成約できるようなWebサイトにするだけでなく、チャットやメールなどのツールを使って接客することも重要です。
接客に対応するWebマーケティング手法について見ていきましょう。
ランディングページの最適化
ランディングページとは、広義ではユーザーが特定のサイトを訪れた最初のページを意味しますが、Webマーケティングでのランディングページは少し意味が違います。
バナー広告やリスティング広告をクリックしたときに、商品のメリットや価格が書かれた1枚の長いページに飛んだことがあると思います。
そういった販売促進用のWebページのことを「ランディングページ」もしくは「LP」と呼びます。
ランディングページは、ユーザーが最初にたどり着く入り口でもあると同時に、購入までできる出口のページでもあります。このページの訴求がユーザーに響かなければ、購入までつながらずにすぐ離脱してしまいます。
ランディングページは、見栄えの良さと商品やサービスの訴求とのバランスを取りつつ、初めて訪れたユーザーにも直感的に必要な情報にたどり着けるような構造が求められます。
ユーザー行動分析ツールなどを駆使して最適化することでランディングページの効果は改善することができます。
入力フォームの最適化
ネット通販で一番面倒なのは入力フォームに必要事項を記入する時だと感じたことはありませんか?商品を買い物かごに入れたら何だか満足してしまってそのまま放置、という人も意外に多いものです。
これらを少しでも成約につなげるため、入力フォームを最適化することも、成約率向上に重要なポイントと言われています。郵便番号を入力すると住所が自動的に入る、といった動きも、ユーザーの負担を減らして売上につなげる工夫のひとつ。カート画面で「今なら送料無料!」などのキャンペーンバナーを一番上に見せるのも、購入を促す施策ですね。
Web接客ツールを使ったフォロー
チャットやLINE、Twitterなどのツールを使い、ユーザーと直接情報をやり取りすることで、ユーザーが困っていることに対応し、スムーズな購入につなげるという手法です。
ブランド品買取り業者なら、LINEで写真を送ってもらって簡易鑑定したり、旅行についての個別相談をSNSのアカウントで受けたり、いろいろなやり方があります。
再来訪を促すWebマーケティング手法
Webマーケティングにおける「再来訪」は、単に一度訪問してくれたユーザーの再来訪をうながすだけの施策ではありません。集客と接客によって購入に至ったユーザーをリピーターに育て、そのモノやサービス、引いては会社のファンになってもらうところまでを見据え、安定的な販売サイクルができるようにしたいものです。
再来訪に使えるWebマーケティング手法を見ていきましょう。
リターゲティング広告
一度見ていた商品のページから離脱しても、その後その商品に関する広告を出し続けるWebマーケティング手法をリターゲティング広告と言います。多くの企業が導入していることからわかるように、成約につながりやすい広告手法です。
メールマーケティング
保有しているユーザーの属性(性別・年齢層など)に合わせ文面を変えるなどして、メールからWebサイトへのアクセスにつなげる手法がメール マーケティングです。狙ったターゲット層に情報を届けることができる手段のひとつとして今でも利用されています。
Webマーケティングの効果測定方法
最後に、ここまで触れてきたWebマーケティング手法の効果を測定する方法について紹介します。これまで行ってきた施策に効果がなかったら、新たな施策を考えなくてはなりません。やりっぱなしではなく、効果を測定し次の施策にその結果を反映して、また効果測定をするというサイクルを回すことが重要です。
アクセス解析
Webマーケティング手法を試しているなら、アクセス解析はこまめに行い、問題の洗い出しに有効活用したいものです。アクセス解析ツールとして有名なものには、GoogleアナリティクスやYahoo!JAPAN アクセス解析などがありますが、ほとんどの企業がGoogleアナリティクスを導入しています。使い方を解説したサイトもたくさんあるので、アクセス解析はGoogleアナリティクス一択で問題ないでしょう。
アクセス解析で見えてくるデータから、「どうしてこのような数字になったのか」という原因を考える時は、アクセスしている人の気持ちになって考えることが必要になってきます。PDCAサイクル(計画→実行→ 評価→改善)をうまく回すために、アクセス解析は必要不可欠な施策です。
まとめ:Webマーケティングは集客だけではない
Webマーケティングの概要と目的とWebマーケティングの具体的な手法について解説しました。Webマーケティングは、インターネット上でモノやサービスが売れる仕組みをつくることです。ご紹介したマーケティング手法をおさらいしましょう。
・集客:SEO、リスティング広告、アフィリエイト広告、Web媒体への広告出稿、SNS広告、ソーシャルメディアマーケティング
・接客:ランディングページおよび入力フォームの最適化・Web接客ツール
・再来訪:リターゲティング広告、メールマーケティング
・効果測定:アクセス解析
ご紹介したWebマーケティング手法は、集客に関するものが多いですが、やはりまずはWebサイトに来てもらわないと成約にはつながらないため、集客に関する手法が多種多彩なのもある意味良く分かりますね。
ただ、よく言われることですが、集客しっぱなしでは、人が訪問してくれるのになぜかモノが売れないサイトになってしまいます。接客や再来訪のWebマーケティング手法も積極的に活用することが、Webマーケティング成功の秘訣ではないでしょうか。