ゲーム内で流れる音楽は「サウンドクリエイター」によって作られています。その持ち前の音楽感性を使って、ゲームの世界観に合うBGMや効果音を作り上げています。

サウンドクリエイターがいないと、ゲームの演出を盛り上げるための音楽を作ることができないため、ゲーム制作において重要な役割を担っています。

本記事では、サウンドクリエイターへの転職を目指す方に向け、サウンドクリエイターの仕事内容や必要なスキルを解説します。自作の音楽がゲームで使われることを目標に、サウンドクリエイターを目指してみてください。

サウンドクリエイターとは

サウンドクリエイターとは、ゲーム内のあらゆる音楽(メインテーマ、BGM、効果音など)を制作する職業のことです。音楽はゲームの世界観や演出を表現する上で欠かせない要素であるため、サウンドクリエイターなくしてはゲーム制作を語れないと言えるほど重要な仕事です。

サウンドクリエイターの仕事内容

サウンドクリエイターの仕事内容をまとめると以下のものがあります。

  • メインテーマやBGM、効果音などの制作
  • クライアントや制作スタッフとの打ち合わせ
  • 音源採集
  • 音楽のプログラミング

それぞれの内容について説明します。

メインテーマやBGM、効果音などの制作

サウンドクリエイターの仕事は、先の項目でも説明したとおり、ゲーム内のメインテーマやBGM、効果音などの音楽を制作することです。

サウンドクリエイターの語源をたどると「音楽を生み出す人」となります。サウンドクリエイターは、単に音楽を作曲するだけでなく、ゲームの世界観を引き立てる効果音(サウンドエフェクト)も作成します。

サウンドクリエイターと似ている職種として「作曲家」がありますが、作曲家は主に歌詞の雰囲気に合わせて曲を作るのに対し、サウンドクリエイターはゲームのストーリーや世界観に合わせて曲を作ります。

また、オープニングテーマやエンディングテーマ、BGM、効果音といった多様なサウンドを作る点も作曲家とは異なります。

制作スタッフとの打ち合わせ

サウンドクリエイターは、ゲームプランナーやプロデューサーと打ち合わせし、音楽を制作していきます。打ち合わせの主な内容としては、ゲームのストーリーや世界観を把握した上でどのような雰囲気の曲を作るか、どういった効果音が必要なのかなどが挙げられます。

サウンドクリエイターは、企画側が求めていることを十分に理解し、イメージに合った音楽を作ることが求められます。

音源採集

サウンドクリエイターは必要に応じて音源の採集を行います。たとえば、ゲームの中で雨のシーンがあれば、実際に雨が降っている音を録音し、その音をベースにして雨の情景が感じられる雨音に仕上げていきます。

効果音の質を高めるためにも、サウンドクリエイターは本物の音を追い求める姿勢も必要です。

音楽のプログラミング

できあがった音楽は、音楽データとしてまとめるためにプログラミングの作業を行います。

プログラミングの作業はエンジニアが行う場合がありますが、サウンドクリエイターがプログラミングの作業まで行うことができれば、クリエイターとしての仕事の幅が広がるでしょう。

サウンドクリエイターに必要なスキル

マックブックとヘッドホン

サウンドクリエイターに必要なスキルとしては以下のものがあります。

  • 音楽に関する幅広い知識
  • パソコンを使って音楽を制作するスキル
  • コミュニケーション能力

ここでは、それぞれについて説明します。

音楽に関する幅広い知識

ゲームの世界観に合った音楽を作ったり、それぞれのゲームシーンに適した効果音を作ったりするためには、音楽に関する幅広い知識が必要になります。

ゲーム音楽だけでなくアニメソングや映画音楽、J-POPやロックなど幅広い知識を持っていれば、深みのある音楽が制作できます。また、鍵盤やギターといった楽器が弾けるとなおよいでしょう。

パソコンを使って音楽を作るスキル

サウンドクリエイターは、パソコンを使って作曲を行います。パソコンを使って作る音楽のことを「DTM(Desk Top Music)」と呼びます。

DTMには、オーディオインターフェースやスピーカー、ヘッドホンなどの音響機器のほか、DAW(Digital Audio Workstation)と呼ばれるソフトウェアも必要となります。

このソフトウェアを使いこなしながら音楽を作ることは、サウンドクリエイターとして必要不可欠なスキルといえるでしょう。

コミュニケーション能力

サウンドクリエイターには、コミュニケーション能力も求められます。

サウンドクリエイターは、音楽に対するこだわりを持つことも大切ではありますが、企画側の意図をくみ取った上で音楽を制作することがより重要です。

ゲーム音楽の完成度を高めるためには、企画者とサウンドクリエイターが綿密な打ち合わせを重ね、イメージを共有しながら制作を進めていく必要があります。

サウンドクリエイターになるには?

サウンドクリエイターになるには主に以下の方法が挙げられます。

  • 専門学校で学ぶ
  • 大学で学ぶ
  • 独学で学ぶ

自分に合った道を選び、サウンドクリエイターを目指すといいでしょう。

専門学校で学ぶ

サウンドクリエイターになるための一般的な方法は、専門学校で学ぶことです。専門学校では音楽に関する知識に加えて、DTMを使用した作曲の方法など、サウンドクリエイターになるための実践的な教育を受けられます。

即戦力のサウンドクリエイターとして活動するなら、専門学校で学ぶのが王道です。

大学で学ぶ

サウンドクリエイターを目指す場合、音楽大学や芸術系の大学で学ぶ方法もあります。

音楽大学や芸術系の大学では、音楽に関する理論を学べるほか、音楽に対する感性を高められるため、作曲する音楽に奥行きが感じられるようになります。

専門学校は実践を重視するのに対し、大学では音楽に対する知識や感性が磨ける点が特徴です。

独学で学ぶ

上記では、専門学校や大学で学ぶ方法について紹介しましたが、社会人になると学校に通うことが難しいという場合もあるでしょう。もしサウンドクリエイターになりたいという強い気持ちを持っているのであれば、独学で学ぶ方法もあります。

知識や技術を習得するためには、学校で学ぶのが最も確実ではありますが、「好きこそものの上手なれ」ということわざもあるとおり、ゲームサウンドに関する興味や関心が高ければ、自分自身で積極的に学ぶことも可能です。

現代は、作曲をしたいと思えばパソコンとDAWソフトウェアを使って自由に曲を作ることができます。良い音楽ができたと感じたら、動画サイトに投稿して認知度を上げていくのも1つの方法です。

少しずつ音楽制作の実績を積み重ねて自信が持てるようになったら、サウンドクリエイターの求人に応募し、自分自身を売り込んでみましょう。

ゲームのサウンドクリエイターになるためには、サウンド以外のことにも目を向けて

サウンドクリエイターは、ゲームサウンドに魅力を感じる方であれば誰しもが目指したい職業でしょう。

サウンドクリエイターを目指すには音楽のセンスも大切ですが、それ以上にプランナーなどの企画側と密にコミュニケーションを取り、チーム一丸となってゲームサウンドを作っていくことが大切です。

自分が制作に関わった音楽が実際にゲームで流れたら、サウンドクリエイターとしての達成感が味わえることでしょう。