ゲーム業界のサウンドクリエイターになるには?仕事と年収を知る
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ゲーム業界のサウンドクリエイターとは?仕事と年収を知る

ゲーム業界のサウンドクリエイターになるには、どのような勉強やキャリアパスを踏めばよいのでしょうか。
この記事では、サウンドクリエイターの仕事内容、必要なスキルや年収など、転職するために押さえておくべき情報を紹介します。
この記事を読めば、サウンドクリエイターについて理解を深め、具体的な次の行動もイメージできる様になるはずです。サウンドクリエイターにご興味のある方はぜひご一読ください。

ゲーム業界のサウンドクリエイターとは

ゲームサウンドクリエイター_ゲームサウンドクリエイターとは
ゲーム内で使われる音楽を作る仕事です。ゲーム会社に勤務することが多いですが、フリーで活躍している人も多々います。サウンドクリエイター自体にファンがつくことも多く、有名なクリエイターが制作に加わることでゲームの人気に大きな影響を与えることもあります。ゲーム内のサウンドは作品の雰囲気に大きな影響を及ぼすため、制作スタッフの中でも非常に重要な存在です。

サウンドクリエイターの仕事内容

サウンドクリエイターとはゲーム音楽の制作をおこなう仕事です。
主な仕事内容には以下が挙げられます。

  • ゲームのテーマ曲の制作
  • BGM制作
  • 効果音の制作
  • 音響コントロール

ゲーム内で使われるメインテーマやBGM、効果音など、あらゆるサウンドを制作します。複数のゲームタイトルを1人で担当するケースが多く、必要に応じて外注を使いプロジェクトを同時進行で回すことも珍しくありません。
そのため、プロジェクト管理能力も必要になるでしょう。

長いテーマ曲から数多くある効果音まで制作する必要があるため、ひとつのゲームにおいて作る楽曲が100を超えることも珍しくありません。社員であれば、基本的に社内でイメージを考え、数多くの仕事を同時並行でこなしていきます。

仕事の流れ

ひとつのゲーム作品に対して、大勢のスタッフが共同で作業を進めていきます。
そのため、まずは方向性を決めていくことが重要です。
チームでおこなうサウンドクリエイターの仕事の流れは、各々が業務を受け持ちつつ、全体の進捗状況も注視しながら進めていくことがほとんどです。
 

【主な仕事の流れ】
  1. クライアントと打ち合わせ
  2. スタッフ、各分野とのミーティング
  3. 必要に応じて音源採集
  4. サウンド制作、ミーティングの繰り返し
  5. 外注の進行管理

まず始めはクライアントとの打ち合わせです。ゲームの世界観、コンセプトを共有し、指針を定めていきます。

その後、サウンド制作とミーティングを繰り返しながら、作業を進めていきます。1人で数多くの業務をこなすため、時には外注に仕事を回すこともあります。また、納期に合わせてスケジュールを管理する必要があり、1人で請け負う仕事が多い骨の折れる仕事です。

サウンドクリエイターの年収・給与

一般的なサウンドクリエイターの年収は、300~600万円程度です。(クリーク・アンド・リバー社調べ)
実力によって収入は大きく異なり、知名度が高いサウンドクリエイターの場合1000万円以上稼ぐ人もいます。ゲーム作品から派生してCDが制作されたり、コンサートが開催されたり、実力と人気によって収入が大きく飛躍する職業と言えるでしょう。

参考:政府統計の総合窓口(e-Stat)

また、様々な雇用形態のあるサウンドクリエーターは、働き方によっても年収に差が出ることがあります。

  • 正社員:400万円~608万円
  • 契約社員:300万円~396万円
  • アルバイト:172万円~230万円
  • フリーランス:200万円~1000万円以上

参考:平均年収.JP

「平均年収.jp」の調査によれば、正社員の平均年収は505万円、月収の給与は31.5万円前後です。雇用形態、就職先でも年収は変動するため、実力次第でいくらでも上を目指すことが可能です。

サウンドクリエイターと作曲家との違い

サウンドクリエイターと作曲家との大きな違いは、制作するサウンドの幅広さにあります。
ゲームの雰囲気やコンセプトに合わせて作曲家を起用することもありますが、彼らは効果音などの細かな音の制作にはあまり関わりません。

一方でサウンドクリエイターは、BGMや効果音などのゲーム音源全般を制作します。作曲・編曲・音響コントロールまで、ゲームの世界観をすべての音の重なりで表現することが役割と言えます。

「ゲーム業界はやめとけ」と言われる理由

ゲーム業界はやめとけと言われる理由には、サウンドクリエイターを含め「ゲーム業界は寝る暇もなく過酷な仕事である」という古いイメージが今でも残っているからです。

もちろん現在でも繁忙期など忙しい時期はありますが、基本的には現在は働き方改革により、勤務時間が見直されています。

残業が発生することもありますが、これはゲーム業界に限ったことではなく、あくまで企業体質によるものが大きいでしょう。
つまり、あくまで企業によりけりです。

ゲーム業界のサウンドクリエイターになるには

ゲームサウンドクリエイター_ゲームサウンドクリエイターになるには
専門学校や音楽学科のある学校に進学し、知識を学んだ上でゲーム会社やサウンド制作会社に就職するのが一般的です。
しかし、必ずしも専門課程の学校で学んでいなくても、作曲に関する知識や実力があれば、独学でゲーム制作会社に就職することが可能です。

この章ではサウンドクリエイターの適正や、身につけるべきスキル・知識を一つずつ解説していきます。
これらを見た上で
「独学で身につけていく自信がない。」
という方は、大学や専門学校で体系的に学ぶのを検討しても良いでしょう。

サウンドクリエイターに必要なスキル・知識

作曲ができなければならないため、楽譜を読む能力は不可欠です。一方、音源についてはコンピューターで制作できるため、楽器を弾けなければならないということはありません。とはいえ、サウンドクリエイターとしての仕事の幅を広げるためには、多様な楽器や音楽に触れておくことは重要でしょう。

ここで、サウンドクリエイターに特に重要な3つのスキルをそれぞれ詳しく解説します。

スキル1. 楽譜を読む能力

楽譜を読むスキルはサウンドクリエイターにとって重要です。
楽譜が読めなくても、音楽制作ソフトなどを使って作曲は可能です。ですが、相当抜きんでたスキルやセンスがなければ、成功するのは難しいでしょう。

大手のゲーム制作会社などは、採用試験に作曲や楽譜の作成も含まれていることがあります。就職を希望するのであれば、楽譜を読む能力は必須のスキルです。

スキル2. 幅広い音楽ジャンルと楽器の知識

サウンドクリエイターはゲーム内の様々な場面の効果音も制作するため、音楽に触れてきた経験値がものをいう職業です。

幅広い音楽ジャンルに触れ、世界の多様な楽器を知ることで「ここにはあの楽器が合うかも」「このシーンはこんな音楽を取り入れてみよう」というような引き出しの数が多くなり、有利にはたらきます。

スキル3. マルチオーディオ業務の実務経験

ゲーム作品の映像に音を合わせる「マルチオーディオ業務」は、サウンドクリエイターの重要な仕事のひとつです。映像とサウンドの微妙なずれや違和感を修正するため、実務経験を積んで慣れておくと就職にも有利になります。

音響や映像の専門学校に通ったり、ゲーム制作会社でアルバイトをしたりすることで、マルチオーディオ業務が経験できる可能性は上がるでしょう。

サウンドクリエイターが選ぶべき進路

将来を見据えて進路を考えるのであれば、サウンドクリエイターの人材育成をおこなっている専門学校や音楽大学に進学し、作曲について学ぶのも良いでしょう。進路の選択肢は以下が挙げられます。

  • 音楽、音響系統の大学や専門学校に通う
  • パソコンを使って独学で学び、スキルを磨く
  • アルバイトで実務経験を積む
  • ゲーム制作会社などへ就職、またはフリーランスとして活動する

就職を希望する場合、サウンドクリエイターは知識ゼロで採用されるような仕事ではないため、音楽に触れ、地道に学ぶ努力がステップアップに繋がります。

サウンドクリエイターに向いている人

ゲーム内の音楽を制作するサウンドクリエイターに向いている人に共通する特徴は以下のとおりです。

  • ゲームが好きで音楽に強く興味がある
  • 作曲や編曲が好き
  • 幅広いジャンルに興味を持てる
  • デジタルツールに抵抗がない、得意
  • コミュニケーションを大事にし、協調性がある
  • 対象をイメージしたサウンドを生み出せる

ゲームが好きで、日頃からゲームサウンドに触れている人はサウンドクリエイターに向いている人と言えます。ただ音を作り出すのではなく、ゲームの雰囲気に合った音楽、シーンに合ったサウンドを制作するため、イメージからサウンドを連想できる能力も必要です。

また、チーム全体で世界観を共有しながら制作を進めるため、協調性を大事にできる人が向いています。

サウンドクリエイターに必要な資格

ゲームサウンドクリエイター_MIDI検定
サウンドクリエイターになるために必要な資格は特にありません。サウンドクリエイターの世界は実力主義であり、作曲の能力とそのセンスが全てなので、仕事において資格がものをいうことはほとんどありません。

ですが中には取得していると就職や転職の際にアピールできる資格もあり、現在経験も知識もないというような方は、知識を習得するためにも勉強しておくことをおすすめします。

MIDI検定

MIDI検定とは、一般社団法人音楽電子事業協会が主催している検定試験であり、MIDI規格を活用できている人材であるかを図るための試験です。

MIDI検定試験とは
MIDI認定制度はMIDI規格を広く一般社会に普及啓蒙する事を目的に、規格内容の認識・活用レベルを標準グレード化してMIDIを活用できる人材を数多く創出する事を目指して平成11年度よりスタートしました。
引用:一般社団法人 音楽電子事業協会

MIDI検定を受けるメリットは、MIDI規格を理解し、パソコンを使って音楽制作ができる人材であることをアピールできることです。

グレードが上がるごとに難易度も高くなり、1級になると合格者が1ケタの年もあります。

MIDI検定受験料

  • 3級検定試験:3,850円(税込)
  • 2級1次検定試験:6,050円(税込)
  • 2級2次検定試験:13,200円(税込)
  • 1級検定試験:19,800円(税込)

参考:MIDI検定受験料について

MIDI検定試験結果(国内)令和3年度

3級 2級1次 2級2次 1級
受験者数 317 103 45 23
合格者数 123 44 27 9
合格率 38.80% 42.72% 60.00% 39.13%

MIDI検定試験結果(国内)令和2年度

3級 2級1次 2級2次 1級
受験者数 242 18 24 31
合格者数 142 12 15 6
合格率 58.68% 66.67% 62.50% 19.35%

参考:MIDI検定試験結果の推移(国内)

サウンドクリエイターの将来性

ゲームサウンドクリエイター_将来性について
スマホゲームの普及もあり、ゲーム業界全体は2022年現在も日々成長しています。
そのためサウンドクリエイターの需要は今後も高まると予測されるでしょう。

角川アスキー総合研究所が2022年8月25日に発売した『ファミ通ゲーム白書2022』によると、世界のゲーム業界はまだまだ伸びしろが期待できることが明確に示されています。

ゲームサウンドクリエイター_世界のゲーム市場

出典:角川アスキー総合研究所

しかし、大手ゲームメーカーの就職希望人気は高いため、サウンド制作会社に勤め、ゲーム音楽に携わるのも一つの方法です。

さらに音楽制作ツールの発展により、だれでもある程度のクオリティを担保したサウンドの制作ができるようになりました。それにともなって予算を抑えるために、フリーランスのサウンドクリエイターを起用する企業の増加も予測されるでしょう。

その中でプロとして生き残っていくには、アンテナを広げ、常に向上心を持って、センスとスキルを磨いていくことが不可欠です。

まとめ

サウンドクリエイターは実力主義の世界であり、自らの力を発揮できる場に身をおくことで大幅な年収アップも期待できます。そのためには、やはり有望なゲーム制作会社にサウンドクリエイターとして採用されることが重要となるでしょう。普段から作曲のセンスと技術を高めて、精度の高いデモテープを作成し、自らを売り込んでいく努力も大切です。

また、サウンド制作会社にも視野を広げ、スキルと経験を積んでいくことも年収を上げていくための方法論の一つとなるでしょう。

クリーク・アンド・リバー社ではサウンドクリエイターの求人を紹介しています。
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著者情報
株式会社クリーク・アンド・リバー社
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監修
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