タイ出身のカンヤーニーさんは、専門学校でゲーム制作技術を身につけ、2020年4月にクリーク・アンド・リバー社(以下C&R社)に入社しました。
入社3ヵ月ですでにメインエンジニアとして新タイトルのゲームを開発していると言います。その成長の秘訣はどこにあるのでしょうか。
また安全な日本の生活が気に入っているカンヤーニーさんですが、どうしても慣れないこともあるそうです。
エンジニア/カンヤーニーさん(Kanyanee)
タイ・バンコク出身。アニメをきっかけに日本に興味を持ち、大学では専攻の英語とは別に日本語も学習、3年生のときに交換留学で青山学院大学へ。
留学中に日本でゲームの仕事をすることを決意し、タイの大学を卒業後、再来日して2年間、専門学校でゲーム制作を学んだ。
いつでも質問ができる環境で、自分でやってみることを意識
──入社して3か月。今のお仕事内容を教えてください。
DGのTechチーム(ゲームプログラムを専業で行っている)に所属しています。
現在担当しているのは、物を気持ちよく破壊してストレス解消になるような「破壊ゲーム」です。改修ではなく、ゼロから開発を行っています。
──早くも本格的な開発を任されているのですね。
基礎的なプログラミングは身につけていましたが、新人でこんなにすぐに実際のゲーム開発ができるとは思っていませんでした。とても充実しています。
開発にはUnityというゲームエンジンを使用します。とても機能が多く、専門学校ではあまり詳しくは学ばなかったので、毎日調べながら奮闘しています。
──仕事を始めたばかりで、調べてもわからないことも多くあるのではないですか。
私がメインプログラマーですが、サポートしてくれる方とチームを組んでいますので、行き詰まったときには助けていただいています。
部署全体が「いつでも質問するように」という方針で、サポート体制が整っています。
でも、最初から聞いてしまうよりも、まずは自分でやってみることが大事だと感じています。
プログラミングがうまくいかないことは毎日のようにありますが、そのときに、自分で調べて勉強すると頭によく残ります。
わからないときには、いつでも先輩や上司が助けてくれる安心感があるなかで、「まずは自分で」を心がけて、成長できていると思います。
尊敬できる上司のもとでチャレンジができる
──他にも気をつけていることはありますか。
プログラミングでは「何のために」を考えるようにしています。きちんと構造を考えながらコードを書かないと、理屈がないめちゃくちゃなものになってしまいます。
開発はチームで行うもので、他人が読んで構造が理解できるものにしなくてはいけません。そういうことは専門学校でも指導されましたが、仕事をする中でより強く感じるようになりました。
先輩や上司に指摘されて、きれいなコードが書けていないと気づくことも多いです。先輩が書いたコードを見るのも勉強になります。
──目標とする先輩や上司はいますか。
はい。今の上司はすごい人です!Unityのことはもちろん、各種プログラミング言語、サーバーなど、幅広く深い知識があり、質問すると即座に答えが帰ってきます。
技術があるだけでなく、教え方も上手いです。
私の場合は、技術面だけでなく、日本語面でわからないときもありますが、具体的な例を出してわかりやすく説明してもらえます。
1度目の例でわからなければ別の例を挙げて、わかるまで教えてもらえますし、「大丈夫。どんどん失敗していこう」といつも言ってもらえるので、新人でもチャレンジができたと思います。
豊かなストーリーのあるアニメやゲームが好き
──なぜ、日本でゲームの仕事をしようと思ったのでしょうか。
もともとゲームやパソコンが好きで、いつかゲーム業界で働きたいという夢を持っていました。
アニメをきっかけに日本に興味を持って、交換留学で日本に来てみたらとても居心地がよく、ゲーム会社の多い日本でゲームの仕事がしたいと考えるようになりました。
留学中に専門学校の見学をして、進学することにしたのです。
──アニメは何が好きでしたか。
子どもの頃は『ドラえもん』や『ドラゴンボール』が好きでしたが、日本語を勉強するきっかけは高校生の頃に観た『魔法少女まどか☆マギカ』です。
大人も楽しめる意外な展開や豊かなストーリーが気に入っています。
──ゲームでもストーリーの豊かさが気になる方ですか。
はい、そうですね。
『ペルソナ』や『モンスターハンター』などのRPGや『牧場物語』シリーズが特に好きですが、どれも思いもつかないような展開があって、「もっと知りたい」と、クリアに向かって夢中になれるところが魅力だと思います。
「寝る前にちょっとだけ」と思ってプレイして、気づくと朝なんてこともよくあります。ゲームの中で、枝分かれして複数用意されているストーリーは全部確かめたいと思います。
夜中にふと買い物に出られる日本の安全さがいい
──日本とタイで、違うと思うところは?
タイでは22:00時過ぎに出歩くのは危険ですが、日本なら02:00にアイスを食べたくなってコンビニに行くこともできて、安全なのがいいと思います。
また、日本は時間に正確ですね。タイでは友達と約束すると、30分くらい遅れて集まるのが普通です。
──正確すぎて窮屈ではありませんか。
最近は慣れましたし、日本のように正確だと計画が立てやすいと思います。
いまだに慣れないのは、東京のスピードの速さです。新宿などの大きな街では、なぜかどの人もすごく速く歩いていますね。
2年以上住んでいますが、私の歩き方では全然追いつきません。
──今後の目標を聞かせてください。
技術を学んで磨きながら、将来は、ヒットするコンシューマーゲームの制作に参加できるようなプログラマーになりたいです。
AIに興味があり、専門学校の卒業制作でもAIを使ったものをつくりました。AIを使ったゲームの制作もできたらいいなと思っています。
取材・ライティング:あんどうちよ/撮影:SYN.PRODUCT/編集:田中祥子(CREATIVE VILLAGE編集部)
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