VR制作で特によく使われるソフトがUnityです。初心者でもすぐに使える簡易さと、人気ゲームの制作現場でも使用されているレベルの高さが人気の理由となっています。「ドラゴンクエストVIII」「スーパーマリオ ラン」などもUnityで制作されていると聞けば、そのレベルの高さも実感できるでしょう。
ここではUnityの概要や使用方法、料金などの詳細をまとめて解説します。
汎用性の高いゲームエンジン「Unity(ユニティ)」
Unityはゲーム開発用ソフト(ゲームエンジン)です。もともとはVR用ではなく3Dゲーム用として2005年に登場しました。
主要なモバイル端末・ゲーム機・パチスロ台などに対応しており、これらに提供するゲームはすべて制作可能です。初心者からプロのトップレベルまで使える汎用性により、ゲームエンジンでのシェアは世界1位となっています。
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具体的な対応端末を挙げると、パソコンでは「Windows・Mac・Linux」に対応しています。スマートフォンのOSでは「Android・iOS」が対応可能です。これらのOSに対応しているため、パソコン用ゲーム・スマホ用ゲームのどちらも開発できます。ゲーム機では「Wii U・PlayStation3&4・Xbox 360」に対応しており、各ゲーム機の人気タイトルの多くがUnityで制作されています。
過去には「Webブラウザ」にも対応していました。パソコンゲームではなく、ユーザーが普段ネットを見るときに使う「Google Chrome・Firefox」などで、Unityで制作されたゲームや映像を再生できたのです。しかし、この取り組みはUnity本体が2016年3月にサポートを打ち切ったため、それ以降は「仮に動作しても使わない方がいい」とされています。Webブラウザへの対応は終了したものの、Unityは「あらゆる映像の分野に適応できる開発ソフト」といえるでしょう。
このようにUnityはゲーム以外の場面でも使われますが、主に使われるのはゲーム制作なので「ゲームエンジン」とされています。
UnityでのVR制作方法 ~初心者でも簡単に使える!~
UnityでのVR制作方法は非常に簡単です。簡単なゲームなら誰でもすぐに作成できます。
制作の原理は、Unityの中に用意されている「物体・背景・エフェクト」を組み合わせるだけです。有名な他のソフトの中では「ホームページ・ビルダー」に似ています。このソフトもバナー・アイコン・写真などを組み合わせることでホームページができますが、それと同じ要領です。
Unityなら「物を掴んで投げる」などの動作は初日でできる人も多くいます。この動作にボール・バスケットゴールを追加すれば、それで「バスケのシュートをするゲーム」ができるわけです。効果音も追加できるので「リングにぶつかる音」「ボールが弾む音」「BGM」などを入れれば、それだけで一気にゲームらしくなります。
Unityのライセンス費用~個人で利用したい人のために~
Unityの使用料金は3通りに分かれています。個人向けのPersonalなら無料、初級のプロ向けのPlusなら月額4,200円、上級のプロ向けのProなら月額15,000円です。Unityのように最先端のソフトは料金の変動も大きいので上の金額は目安と考えてください。他のソフトと同様にキャンペーンもあるため上記より安い金額で使うことも可能です。
VRゲーム・動画はUnityだけあればできる?
VRのゲームや動画はUnityだけでは作れません。Unityはあくまで「制作用」ソフトなので、プレイ・視聴して確認するための装置が必要です。VRゲームや動画の視聴に必要な装置は「ヘッドマウントディスプレイ(HMD)」です。一般にVRゴーグルといわれます。
ゲームではコントローラーも必要になりますが、これがゴーグルと連動していなくてはいけません。両者がセットになっているもので人気の製品は「Oculus Touch」です。Oculus Touchのコントローラーなら「握る・放す」などの基本動作に加え「投げる・殴る・指をさす」などの高度な動きも可能です。もしこのような動作を導入せず「画面を見てコマンドを選択するだけ」という昔のRPGのようなゲームならHMDだけでもいいでしょう。
UnityでVR映像を作るのにプログラミングは必要?
UnityでVR映像・ゲームを作るのにプログラミングは必要ありません。プログラミングができればより綺麗なグラフィックを描けますし、高度な機能を取り入れることもできます。しかし、Unityの初心者向けの機能でもそれなりのゲーム・映像は制作できます。初心者のうちは、Unityの操作のために無理にプログラミングを覚える必要はないでしょう。
もしプログラミングも並行して覚えたいなら、Unityでもっとも多く使用されるC#を覚えるべきといえます。JavaScriptが使用される割合も20%程度ありますが、C#だけで間に合うことが多くなっています。最初はC#だけ覚えれば十分でしょう。Booも稀に使用されますが、Unity5からは採用されていません。一応Booで作ったデータも動きますが、特に覚える必要はないといえます。
初心者でも簡単に扱えるUnityを使用して、VR制作を行ってみてはいかがでしょうか。
CREATIVE VILLAGE編集部