6月14日に新作タクティクスRPG『GOD WARS 日本神話大戦』をリリースする角川ゲームス。同社の社長・安田善巳さんは経営者でありながら、『GOD WARS』のシナリオやディレクターを手掛けるクリエイターでもあります。ゲーム業界の大手企業で代表取締役を歴任した安田さんに、これまでのキャリアを振り返りつつ、若手クリエイターへの思いを伺いました。
角川ゲームス代表取締役社長。京大卒。日本興業銀行、テクモ代表取締役社長、フロム・ソフトウェア代表取締役会長を歴任。主な作品は『ロリポップ・チェーンソー』『デモンゲイズ』『艦これ改』『GOD WARS』。
バンカーからゲームクリエイターへ
――プロデューサーとして、また、経営者としても、ゲーム業界に長く携わっていらっしゃいますが、ゲームの仕事に関わるきっかけはいつ頃だったのでしょうか。
1988年のことですね。30年前ですから、ゲーム業界で随分長くやってきました。
――当時からゲーム制作の現場に?
いえ、大学卒業後は日本興業銀行(現在のみずほ銀行)に就職して、バンカーとして、当時「ニュービジネス」と呼ばれていたゲーム業界の支援に関わっていました。支援といっても、ゲーム会社にただ開発資金を貸すのではなく、人材を派遣したり、組織作りをサポートしたりして、様々な面から企業と産業全体を育てていくディベロップメントキャピタルというやり方です。
ディベロップメントキャピタルはイギリス最大手の投資会社スリーアイ・グループが当時からワールドワイドで推し進めていて、日本でも通産省(現在の経済産業省)と組む形で、様々なニュービジネス分野への支援が行われていました。
この流れを受けて、ニュービジネス協議会(現在の東京ニュービジネス協議会)という団体でも同様の取り組みが始まるのですが、会員にはナムコ創業者の中村さん(中村雅哉さん)、セガ元社長の中山さん(中山隼雄さん)もいらっしゃったんですね。ちょうどその時に通産省を担当していたこともあり、仕事を通して、中村さん、中山さんをはじめとしたゲーム産業の第一世代の方々とコンタクトを重ねるようになっていきました。
今でこそ一大産業として認知されているゲーム業界ですが、当時は海の物とも山の物ともつかない市場でしたから、大きな可能性を秘めていることを投資家へ積極的に発信して、健全な資金調達力を高めていく必要がありました。
そこで、証券会社とも一丸となってゲーム会社の上場を支援するようになり、その結果として1990年代にスクウェア、エニックスといった企業が大きく成長していきました。これは、自社の資本で資金調達するというエクイティファイナンスによるところが大きいのですが、そのベースとなる産業政策に一人のバンカーとして関与していたというのが最初のきっかけです。
――ゲームは元々お好きだったのですか。
それはもちろん! 行内でもゲーム通として結構知られていましたし、ゲーム業界に関わる案件は全部自分の仕事だと思って何でもやってきました。当時の銀行員としてはちょっと珍しいタイプだったかもしれません(笑)。
――なるほど。
やがて、ゲーム系メディアの方々ともお付き合いさせていただくようになり、中でもコンシューマーゲーム雑誌『Beep』の編集長だった川口さん(川口洋司 現JOGA事務局長)と意気投合して、「ジャムおじさん」というペンネームで『Beep』にコラムを書くことになりました。連載は1988年から1994年まで、なんだかんだで6年間続きました。
執筆にあたっていつも考えていたのは、やはり業界全体の活性化ですね。今もそうかもしれませんが、ゲーム雑誌は攻略情報がほとんどで、ゲーム業界全体がどうなっているだとか、ゲームクリエイターという働き方についてはほとんど取り上げられていませんでした。そういう背景もあって、川口さんからは、ゲームという“産業”について書いてほしいと言われ、連載が終わって大分経ちましたけど、今でも重要な課題だと考えています。
とはいえ、当時からそんな立派なことをしていたわけでもなくて。「『源平討魔伝』は名作だから是非メガドライブでも出してくれ」とか言いながら、ナムコに突撃インタビューをしたこともあります(笑)。実は、私は筋金入りの“セガっ子”(セガの長年のファン)でして、任天堂のゲームやハードばかり脚光を浴びているのが悔しいあまりに、コラムではセガの取り組みをよく記事にしていました。現在リリースを目前に控えている『GOD WARS 日本神話大戦』も、『シャイニング・フォース 神々の遺産』(セガ,メガドライブ, 1992年)の影響を強く受けています。
銀行からゲーム開発の現場へ身を移したきっかけは。
ゲーム業界が産業として独立できるようになっていくのと並行して、金融の世界は自由化が進んだことで支援よりもリターンを重視した投資が行われるようになりました。私自身も、銀行とゲーム会社の関係が徐々に変わっていってしまうのを感じてモヤモヤしていたところ、業界の方にお声掛けをいただいて、それでゲーム会社への転職を決めたんですね。
最初は、テクモ(現在のコーエーテクモゲームス)の常務に就任し、約1年半後に社長となって3年ほど務めた後、2009年に角川ゲームスを設立しました。角川ゲームスとして初めてリリースしたタイトルが『ロリポップチェーンソー』(PlayStation3 / Xbox360, 2012年)ですね。
出版社がゲームを作ると、ついライトノベルやアニメ作品をベースにしたアドベンチャーゲームになりがちですが、せっかく新しいことをやれる環境があるんだから、ハイエンドでもっと振り切ったゲームを作ろうと思いました。それで『ロリポップチェーンソー』の開発費は当初の予算の20倍くらいになってしまったんですが、こういう時に資金調達ができなければ、私がここに来た意味がないじゃないですか。
そこで世界的大手のワーナー・ブラザーズとパートナーシップを結び、開発費の大半を負担してもらうようにして、やっとプロジェクト始動にこぎ着けたという経緯がありました。それに加えて、ワーナー・ブラザーズと組んだメリットはもうひとつあって、彼らの世界最大級の販売網を活用できるという点です。だから、『ロリポップチェーンソー』は世界60ヶ国で販売することを前提としていて、日本はもちろん、アメリカでもヨーロッパでも通用するクオリティと分かりやすさが求められました。
当初の想定よりかなり大規模なプロジェクトになったので、周りには不安視する人も少なくありませんでした。けれど、私も開発スタッフも変に気負うことなく、「やってみて、失敗したら考えようか」みたいな雰囲気だったんですよ。今振り返ると、それがゲームの個性を研ぎ澄ますことに繋がったようにも思います。
人気のライトノベルやコミックとのコラボレーションで特別コスチュームも実装しましたが、手探りながら思い切ってやってみたら、皆さんにすごく喜んでいただけたので、結果オーライですね(笑)。お陰様で、ワールドワイドでミリオンセラーを達成することができました。
――角川ゲームスのゲームにはいわゆるIPモノもありますが、いずれもゲーム性が高く、あえて市場のニーズに迎合しない独創性を感じます。
そう言ってもらえると嬉しいですね。ゲームに求められるクリエイティビティは本当に高くて、ビジネスとして見ても非常にハイリスク・ハイリターンです。プロジェクト一つひとつが真剣勝負だから、プロデューサーもディレクターも全く気が抜けない。キャリアも浮き沈みが激しくて、完璧な経歴という人はまずいないでしょう。
ですが、二度目のチャンスは無いという厳しい環境だからこそ、クリエイターと経営者が両立できると思うんです。一度きりの人生なんだからゲームクリエイターとして理想のゲーム作りに挑戦したいし、ビジネスとして失敗できないなら思い切った投資で成功を掴みたい。
――とはいえ、なかなか舵を切るのは大変かと思います。
事業戦略の基礎となったランチェスター戦略という考え方があるのですが、それによれば、総合力で自分を上回る相手に勝つには局地戦で一点突破するしかないんです。一点に集中して突き抜ける。これが角川ゲームスのゲーム作りに対する基本的な姿勢です。ただ、集中しすぎると、どうしてもやり過ぎたり、ピーキーになりすぎたりする面もありますから、行き過ぎたものを手前に戻すような逆のベクトルをゲームに組み込むことも重要です。
新しいゲームを創るということにおいて、リスクを全くのゼロにすることはできません。ということは、予定調和とか協調は結局毒にも薬にもならない。そのことを若いクリエイターの皆さんはもう少し意識してもいいのではないでしょうか。
――若いクリエイターに対して、どのような印象を持っていますか。
私は、若者がもっと前に出ればいいのに、前に出してあげたいと思っているのですが、「社長、がんばってください。後ろでサポートしますから!」みたいなことをニコニコしながら言われてしまうと、ちょっと複雑な気持ちになります。
確かに、今時良いゲームが売れるとは限らないし、SNSで心ない一言にひどく傷つくこともあるでしょう。リリースされるのも続編ばかりで、若い人になかなかチャンスが回ってこない。そのくせ、失敗すると責任を追及されたりして、そういう経験ばかりではリスクヘッジに走りたくなる気持ちもわかります。
けれど、ゲーム、特にコンシューマーゲームは自分の名前がプレイヤーの目にしっかり映るんです。イラストレーターの名前でも、人気声優の名前でもなく、自分自身の作家性が問われるわけです。若いクリエイターは何かと板挟みになりやすくて悩みも尽きないものですが、それでもクリエイターとして試されることに臆してはいけません。
経営者でもある私が、リスキーでジャングルのようなゲーム市場にあえて切り込んでいって、少しでも若いクリエイターにチャンスをもたらすことができればと常々思っていて、そういう願いを『GOD WARS』に込めている部分があります。
日本のルーツに踏み込んだ『GOD WARS』
――『GOD WARS』は日本の神話をモチーフとしていますが、そのアイディアの源はなんだったのでしょうか。
私は日本の神話が大好きで、神社オタクと名乗りたいくらい(笑)。バンカーだった頃から海外で仕事をすることも多く、日本の外側から日本古来の物語、ひいては宗教観を考えるようになって、その面白さにあらためて気付いたというのがきっかけです。パソコンもスマートフォンも使いこなすような日本人が、山の神様やら土地の神様やらを真面目に信じている。最先端の科学とアニミズム(自然信仰)を違和感なく両立できているということが、海外の方にとってはとても不思議なのだそうです。
この30年で、日本文化の受容のされ方が随分変わったように思います。以前は、グローバリゼーションの下、世界基準と合致していない日本を見て、「だから日本はダメなんだ」というような考え方が根強くありました。日本も早く世界基準に合わせるべきだ、と。ゲーム業界にもその波が来て、アメリカで成功するゲームが良いゲームだとされるようになりました。何でもかんでも、ハイエンドで一人称視点型の派手なアクションゲームにされてしまう時期があったのです。
ところが、海外でJRPGが再び評価されるようになり、それをスマートフォン向けゲームという新興市場が後押しする形となりました。「日本のゲームだからダメ」ではなく、日本のゲームらしさがあらためて受け入れられるようになってきているんですね。たとえば、日本ファルコムの『軌跡』シリーズや任天堂の『ファイアーエムブレム』シリーズ、最近ではアトラスの『ペルソナ5』(PlayStation3 / PlayStation4, 2016年)も非常に高い評価を得ています。海外のゲームユーザーも成熟して寛容になった部分があるのかもしれません。
せっかく日本的なコンテンツが受容されるようになったんですから、“フジヤマ”、“サムライ”みたいな分かりやすいキャッチフレーズではなく、そろそろ日本の価値観や様式のルーツを盛り込んだ物語をベースにゲームを作ってもいいのかな、と考えるようになったのが『GOD WARS』のはじまりですね。
そして、日本文化の源流を辿っていくと、そこにはいつも日本の神話があって、それが自然にメインのモチーフとなっていきました。ただ、日本神話は、日本人の宗教観や政治体制にも関わっているものですから、そこは慎重に、かつ、真摯に受け止めていく覚悟が必要でしたが、結果的には、若い人たちを中心に新しい日本神話の解釈として受け止めていただけたようです。
『GOD WARS』には「カグヤ」や「キンタロウ」といったおとぎ話の人物も出てくるのですが、それぞれのおとぎ話が、日本神話のどのエピソードと繋がっているのかを相当細かく研究しましたから、物語の深い交錯を楽しんでいただければと思います。
――昨年6月に前作『GOD WARS ~時をこえて~』がリリースされましたが、反響はいかがでしたか。
ありがたいことに、ユーザーの皆さんからは非常に高く評価していただくことができました。アンケートでも熱心なコメントを沢山寄せていただき、私もスタッフもひとつひとつ拝見しました。
多かった要望としては、キャラクターそれぞれのバックグラウンドを掘り下げたストーリーの追加、また、色々なキャラクターをバトルでもっと活躍させたい、というのもありましたね。当初は追加DLC「黄泉の迷宮」で一旦完結させようと思っていたのですが、アンケートからユーザーの期待をひしひしと感じまして、『GOD WARS 日本神話大戦』では新規シナリオ、周回プレイ要素を追加、さらにレベル上限の開放、マルチエンディング制を実装しました。
前作から相当なボリュームアップを図り、ほぼ作り直しと言えるほどの開発リソースを投入しています。ファンの皆さんにはだいぶお待たせしてしまいましたが、ご期待に添える内容になっていると自負しています。
前作をまだプレイしていなくても、『シャイニング・フォース』や『タクティクスオウガ』(クエスト, SFC, 1995年)が好きだった人ならきっと気に入っていただけると思います。やり込み要素も満載ですから、ざっと300時間は遊べますよ。
――これまでは角川ゲームスの社長として、またプロデューサーとしてゲーム開発に関わっていらっしゃいましたが、『GOD WARS』ではシナリオも手掛けていらっしゃいますね。
シナリオを書いたのは今回が初めてです。日本神話をモチーフと決めたものの、キャッチーにするためにやたら改変したり、端折ったりするのは本意じゃないなと思って。それなら、元々の神話に詳しい神社オタクの自分がシナリオを書くしかないだろうと、この年齢にして初の挑戦をしました。
――ゲームを作る上で、経営者としての判断と、クリエイターとしてやりたいことと、矛盾や葛藤を感じることはありますか。有り体に言えば、売れるゲームを目指すか、作りたいゲームを求め続けるか、ということになりますが。
そういうことで悩んでいる人もいるのかもしれませんが、どんなゲームが売れるかが初めから分かっているのなら、そんなに楽なことはありませんよね。ずっと成功し続けているクリエイターなんて、ほんの一握りです。もう随分前にゲーム業界から去って行った人もいます。厳しいけれど、それもこの業界の一面です。
今売れているゲームの要素をそのまま移植して、新作として売り出すケースも散見されます。けれど、それが真にクリエイティブであるかどうかなんて不毛な議論をやっているうちに、もう中国のディベロッパーによるタイトルがいくつも日本市場で成功し始めているわけです。特に、スマートフォン向けのゲームは、ゲームシステム、課金体系、プロモーションのハイブリッドで総合的に優れたサービスを提供できるかが重要になりますから、ゲームの要素ひとつをとって一方的に評価するのは、ちょっと違うんじゃないかと。
ただ、私自身の経験を踏まえて言うと、自分の打ち立てたコンセプトをどこまで貫けたか、こだわり続けられたかというのが、最終的に成否を分けるポイントになってくるんですね。煙に巻こうとしても、ユーザーは賢いですから必ず見抜かれます。
経営的な観点では、やはりジャンルの選定、プロモーション面での分析は重要です。ジャンルについては、私は「途切れた樹形図」という言い方をしていますが、黎明期から成熟しないまま系図が途切れてしまっているジャンルもあるんですね。そのひとつがタクティクスRPGです。90年代には『シャイニング・フォース』『タクティクスオウガ』『ファイナルファンタジータクティクス』といった名作が生まれましたが、その後は画期的なタイトルがなかなか出てこなくて、今では系統が途切れつつあります。そういうところを見つけて、ジャンルの遺伝子と新しい要素を組み合わせて継承できれば、ニーズを掘り起こしながら、しかも競争相手の少ない領域で良いポジションを獲得できるという戦略です。
求めているのは“ディープ”な人
――角川ゲームスは来年で10周年を迎えますが、社内ではどのような体制でゲーム作りが進められているのでしょうか。
角川ゲームスはプロデューサー制を採用していて、主に3人のプロデューサーがいます。一人は杉山君(杉山イチロウさん)、『キミキス』(エンターブレイン, PlayStation2, 2006年)などを手掛けた恋愛シミュレーションゲーム一筋のクリエイターです。彼のチームは現在12名ほどのメンバーがいますが、全員がこの分野で10年間やってきたというような人材ばかりで。だから、ゲームに対してもすごくピュアな人が多いですね。
もうひとり、河野君(河野順太郎さん)は外部のパートナー企業とプロジェクトを進めていくプロデューサーとして、『デモンゲイズ』(角川ゲームス, PlayStation Vita, 2013年)や、シリーズ最新作の『メタルマックス ゼノ』(角川ゲームス, PlayStation4 / PlayStation Vita, 2018年)のプロジェクトを担当してもらいました。そして3人目のプロデューサーが私自身で、他のチームが特定の分野に特化しているのに対して、メンバーも作っているものもバラエティに富んでいる感じがあります。
会社全体としては和気藹々とやっていて、社員一人一人と毎日ミーティングの時間を設けるようにしています。スタッフからマネージャーまで現場で一体となって取り組んでいくという社風です。
――かつてはニュービジネスと呼ばれたゲーム業界も、既に50年近く続いてきた歴史があります。その中で働き方も大きく変わってきましたが、この変化をどのように捉えていらっしゃいますか。
昔は良くも悪くも、クリエイターの情熱だけでゲームが作れる時代でした。作りたいモノを作るために、夜を徹して作業することも厭わなかった。けれども、今は予算もスケジュールもかっちり決められているから、なかなか気持ちだけでプロジェクトをやりきるというのは難しい。経営者として社員のワークライフバランスも考えなくてはなりません。
ですが、あえて言うならば、完璧なマネジメントが出来たからといって、必ずしも良いゲームが作れるというわけではない。厳密に管理しすぎても、水清ければ魚棲まずということになりかねません。仕事との付き合い方は人それぞれです。だから一様にルールを定めるのではなくて、在宅勤務など色々な働き方を選択できるような職場環境を作っていく必要があると考えています。
この問題は、「仕事で何を成し遂げたいか」という人生観にも関わってきます。プロジェクトのコアメンバーとして活躍したいと思う人もいれば、ひとつの作品にずっと関わっていきたいという職人気質の人もいる。何でも良いからヒット作で社会的評価を得たい、いつかは今の会社を辞めて起業したい、という気持ちも立派なモチベーションです。将来の理想像がどういうものであれ、それを実現するための仕組みが組織的に、また社会的にも整備されていくように、産業全体に訴えていくというのも経営者の責任だと思っています。
だから、私たちはいつも「ゲームで何かを成し遂げたい人」を求めているんですね。とにかく“ディープ”な人がいい。採用面接で話しているうちに心のスイッチが入ってしまって、自分が愛してやまないものをつい語っちゃう、そういう熱心さがクリエイターに不可欠な要素ではないでしょうか。ですから、ゲーム開発に特別詳しくなくてもいいんですよ。その辺りは私たちが支えますし、後から知識を身につければどうとでもなりますから。「角川ゲームスなら、自分の本当にやりたいことが成し遂げられる」という気持ちを共有できる人が理想です。
――では最後に、角川ゲームスの今後の展望をお聞かせください。
「角川ゲームスと言えば」というような看板タイトルを育てていきたいですね。その第一歩が『GOD WARS』という位置付けで、今後も自分たちの特色をユーザーや業界に浸透させていくことに挑戦していくつもりです。『艦これ改』(角川ゲームス, PlayStation Vita)、『NAtURAL DOCtRINE』(角川ゲームス, PlayStation3 / PlayStation4 / PlayStation Vita)など、シミュレーションゲームが多い会社ですから、その辺りを強みとしていければと。
『GOD WARS 日本神話大戦』は6月14日にリリース予定です。ディレクターをしていて気付いたのですが、やはり私は一人のクリエイターでありたいという気持ちがあります。これからも、ゲームを作って走り続けていきますので、是非期待していてくださいね。
――安田さん、ありがとうございました!
インタビュー・テキスト:原 孝則(Pick UPs!)/撮影:TAKASHI KISHINAMI/編集:CREATIVE VILLAGE編集部
作品紹介
『GOD WARS 日本神話大戦』
「日本最古の歴史書である古事記」と、「古来、人々が親しんできたお伽噺」を融合させた世界を冒険するタクティクスRPG。
それぞれの運命を背負いながら神羅万象と果敢に戦い、その人生を煌めかせた英雄たちの群像劇を描く。
タイトル:GOD WARS 日本神話大戦
ジャンル:タクティクスRPG
ハード:PlayStation®4 / PlayStation®Vita / Nintendo Switch™
発売日:2018年6月14日
発売:株式会社角川ゲームス