こんにちは、CREATIVE VILLAGE編集部の澤田です。
突然ですが、この記事を読んでいる方の中に
「本当は起業やノマドワークにチャレンジしてみたいんだよな。」と
思っている方はいらっしゃいますか?私はそうです。
そんなとき福島イノベーションコースト構想の取り組みの1つ、Fukushima Tech Createを知りました。
東日本大震災によって失われた地域の産業復興を目指す国家プロジェクト。
産業の発展、人材の育成、交流人口の拡大、生活環境の整備に向けて複数のプログラムが進行中。
その中のFukushima Tech Create-ビジネスアイデア事業化プログラム-では、独自技術を用いた起業や新規ビジネス創出にチャレンジする企業・個人をワークショップやメンター制度を提供している。
もしかすると起業家やノマドワークのヒントがあるかも…?
私は早速、このプログラムを遂行しているプロデューサーの加藤さんに電話しました。
加藤さんは同じ会社の先輩で、コワモテな顔面と裏腹に優しい心の持ち主なのできっと良きに取り計らってくれるはず…!
澤田 加藤さん、私も起業したいんですけど。
加藤 え?お前、独自の技術持ってんの?
澤田 (絶句。)
加藤 まあワークショップでは技術指導だけじゃなくて事業開発とか起業のノウハウについても話すから、試しに聞いてみれば?
やったー!!やっぱり優しい!!!そんな経緯でこの潜入レポート企画は始まりました。
早速初回のワークショップの様子を覗きに行きましょう。
こんにちは、本日講師を務める0→1Boosterの平岡です!
0→1Boosterでは起業にまつわるあらゆる問題をサポートし、事業を成功に導くプログラムを提供しています。
初回のテーマは、例えるなら準備運動。
「事業創造に必要なマインドセットと環境」「事業創造動機を言語化する」「仮説検証の重要性」の3点についてお伝えしていきます。
1.事業を成功に導くマインドを保つ
スタートアップとは、革新的なモデルで短期間の内に急速な成長を狙うビジネスのことです。
売上をコツコツと積み上げていくスモールビジネスとは違って、
スタートアップの起業家は投資家から多額の資金を調達し、株式公開やM&A(企業買収)を通じた大きなリターンを狙います。
この過程でほとんどの起業家が、混沌とした精神的にキツイ場面を経験します。
スティーブ・ジョブスを始めとする先人たちは、このように難局を乗り越えたといいます。
- 1.リフレクション:自分と向き合う時間をもつこと
・走りながら思考を整える
・定期的に一人合宿する
・迷ったときは山に籠って考える
・行き詰まったときは場所を変える - 2.メンタリング:事業の進行具合を定期的に報告する相手をもつこと
・自分の社外取締役的な存在を見つける
・起業を志す方や支援者が集まるコミュニティに参加する
長い闘いを乗り越えるために、必要な環境を整えておけるといいですね。
2.「なぜ」を伝えて他人を巻き込む
次にお話したいのは、あなたが「なぜ」「何を解決したくて」その事業をやるのかを
言語化しておくことの重要性についてです。
多くの起業家の方が直面する悩みの一つが「自分がなぜその事業をやるのか、
わからなくなってしまった」というものです。先行きが不透明になった時に「なぜやるのか」に立ち返ることで、モチベーションを保つことができます。
事業創造の動機を言葉にするメリットは、他にもあります。
例えば投資家やベンチャーキャピタルに資金援助を求めるとき、
・「なぜ」あなたががその仕事をやるのか
・どんな体験がきっかけになってその想いが生まれたのか
この2つをストーリーとして語ることで共感や協力を得やすくなります。
マーケティングコンサルタントのサイモン・シネックが提唱した「ゴールデンサークル理論」はご存知ですか?
ビジネスの話をするとき、多くの人が左の図のように「What 何を」「How どのように」、つまりビジネスモデルの話ばかりしがちです。
一方優れたスピーカーのスピーチは「Why なぜ」から始まるといいます。
「ゴールデンサークル」に関する有名なスピーチは動画で視聴できるのでここでは詳細を割愛しますが、人は「なぜ」、つまりあなたの動機に動かされるのです。
3.ストーリーの元になる体験や記憶をあぶり出す
「なぜ」を伝えるストーリーで語る材料になるのは、あなた自身の体験や価値観です。
ライフラインチャートを用いて整理してみると良いでしょう。
特に人生における「最高の体験」と「痛みを伴う経験」を振り返るのがポイントです。
例えば私の場合、
「バスケの3ポイントが17本連続で決まった」という最高の体験と
「重度の貧血で日常生活が困難になった時期」という痛みを伴う体験が
スポーツや医療に思い入れのある現在の自分を形作っていると感じます。
皆さんは、どんな体験が今の自分に繋がっていると思いますか?
「社会人2~3年目に開発した技術が、今では世界中の人に使われている」
→「またみんなに使ってもらえるものをつくりたい」という想いが
スタートアップ起業を目指すモチベーションに!
3.ビジネスモデルを構成する要素を洗い出す
ここからはアイデアをビジネスモデルに落とし込んでいく際の手法をお伝えしていきます。
まずはリーンキャンバスを用いて、事業の構成要素を整理しましょう。
- リーンキャンバスとは?
事業計画を1枚の紙にまとめたもの。スピーディーに作成・更新していく。
このキャンバスの中で特に大事な要素は、こちらの3つです。
「お客さんはどこのどんな人なのか(顧客セグメント)」
「何にどんな課題をもっているのか(顧客の課題)」
「どんな価値を提供できるのか(独自の提供価値)」
これらは「何を提供するのか(ソリューション)」の根幹にある要素なので
ぜひ考え漏れることがないように取り組んでみてください。
4.徹底的にユーザーを観察すること
そして、次に取り組んでほしいのは「仮説検証」です。
仮説検証を徹底的に行うことで「誰かには求められているプロダクト(サービス)」を開発できます。
- 仮説検証とは?
これから提供するサービスは、どんなお客さんにどんな価値を提供するのか?
それは本当にお客さんの課題を解決できるのか?を突き詰めて考えること。
仮説検証には、2段階のステップがあります。
STEP1:「課題やニーズの有無」を検証する
自分が「困っているのでは?」と想定したことは、お客さんの本当の困り事と合致しているでしょうか?
下の仮説検証シートを用いて検証方法を決めてから想定顧客にヒアリングを行うと、
ブレずに情報収集を行うことができますよ。
ヒアリングの方法としては具体的にはアンケート、ユーザーインタビュー、Web行動解析
などがありますね。
STEP2:「ソリューションが課題解決に繋がるか」を検証する
課題が見つかったら、次は自分の考えたソリューションが本当に課題解決に繋がるのかを
検証します。実際にお客さんに使ってみてもらい確認するのが良いでしょう。
ソリューションと顧客ニーズがマッチしているかを確かめるには、下の価値提案キャンバスも役立ちます。
仮説検証の事例:アメリカ発祥のフードデリバリーサービス「DoorDASH」
このサービスを企画開発したのはスタンフォード大学の学生です。
彼は大学の休憩時間に近隣の飲食店をまわり、売上アップを妨げる課題をヒアリング。
「デリバリー体制の不備」をビジネスチャンスと捉えた彼は、店舗のメニューをPDFにして
一晩でサイトにアップ、オンラインオーダーのニーズを検証したそうです。
実際にオーダーが入ると彼は自ら店に商品を買いに行き、その足で届けに行ったそうですよ。
ユーザーへのヒアリングや観察は焦らずじっくり、徹底的に行いましょう。
講義を受けて
「ノマドワーカーになりたい★」とか言ってた冒頭の自分が恥ずかしい…!!
でもここで学べることって、たとえ起業しなくても新規サービスの立ち上げやマーケティングにも活かせる内容だよな。もっと言ってしまえば、自分や他人の「感情」を良い形で仕事に繋げていく術は、これから働いていく上で真似してみたいかも。
引き続き、潜入していきたいと思います。