職場での理不尽なパワハラに苦しんでいて、仕事を続けるのが辛いと感じるなら、思い切って転職を選択するのも一つの手段です。

とはいえ、「パワハラを転職の理由とするのは、イメージが悪いのではないのか」「そもそも、今よりいいところに転職ができるのか」などと考え、転職活動を躊躇してしまう人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、「パワハラを転職の理由として正直に話しても良いのか?」という疑問について、深く掘り下げていきます。

面接の際の注意点や話し方のコツについても併せて紹介しますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。

1 そもそも、パワハラの定義とは?

厚生労働省のハラスメント対策サイト「あかるい職場応援団」によると、以下の3つの項目をすべて満たす行為が、パワハラ(パワー・ハラスメント)に該当するとされています。

  • 職場の優越的な関係を背景とした言動や行動
  • 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動や行動
  • 労働者の就業環境が害される言動や行動

ただし、主観的な感覚ではなく、「第三者から見てもパワハラと判断できるか」がという点も重要です。具体的には、業務上必要とされる適正な業務指示、相応な範囲で行なわれる指導については、パワハラとは見なされません。

パワハラ

例えば、「重大なミスを何度も繰り返し、上司に厳しく叱責された」という内容であれば、業務上必要かつ適正な指導と判断されるでしょう。

一方、「過剰に語気を強めて叱責する」「暴力をふるう」「嫌がらせをする」など、業務として適正な範囲を超えている場合は、パワハラに該当します。

身体的もしくは精神的苦痛を我慢し続けた結果、就業できなくなるほどの支障が出るケースも少なくはありません。

2 パワハラを転職の理由とするのはあり?なし?

パワハラを受けていた事実を面接で話すことで、選考結果に悪影響を及ぼす可能性はあるのでしょうか?

パワハラ

2.1転職の面接で「退職の理由」が聞かれるのはなぜ?

そもそも、なぜ転職活動で退職の理由を聞かれるのか、まずはその質問の意図を理解しておくことが重要です。
採用する側としては、おもに以下の内容を確認するために「退職の理由」を聞いています。そういった事情を把握した上で、採用の面接に臨むようにするとよいでしょう。

  • 前職と同じ理由で、すぐに辞めてしまうのではないか?
  • 不平不満や言い訳ばかりで、何でも他人のせいにする性格ではないか?
  • 仕事への取り組み方や考え方は甘くないか?
  • 社風になじみ、既存の社員と良好な関係を築いていけるか?

2.2 パワハラを転職の理由とするのはあり?なし?

結論から言うと、パワハラがあった事実を面接官に伝えること自体は、まったく問題ありません。理不尽なパワハラを受けているのであれば、思い切って転職してみるのも一つの選択肢であることは、面接官も心得ているからです。

パワハラによる転職の面接に不安がある場合は、お気軽にクリーク・アンド・リバー社の転職エージェントサービスにご相談ください。経験豊かなプロのエージェントが、あなたの転職活動を全力でサポートします。

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3パワハラを転職理由とする際の注意点と話し方のコツ

パワハラを理由に転職するなら、面接でのマイナス評価を避けるためにも、以下の注意点と話し方のコツを押さえておきましょう。

3.1 パワハラについては、事実のみ簡潔に伝える

面接でパワハラを退職理由として伝える際には、ネガティブな感情や愚痴としてではなく、あくまでも客観的な事実のみを伝えるのがポイントです。パワハラの説明だけがメインとならないよう、できるだけ簡潔に話すことを心がけましょう。

悪い例:「上司から毎日嫌がらせを受けて、本当に辛かった……」
良い例:「毎週の休日出勤を強制され、月3日しか休めなかった」

3.2 パワハラ問題を解決するため、精一杯努力したことを伝える

パワハラ

また、「パワハラを受けたので転職することにした」という事実を伝えるだけでは、「トラブルに対して主体的に対応できない受け身の人」「他力本願で努力をしない人」というマイナスイメージが付いてしまう可能性もあります。

そこで、パワハラ問題に真摯に向き合い、状況を改善しようと努力したものの、残念ながら解決には至らなかった、ということを説明するようにしましょう。

悪い例:「何度かパワハラを受けたので、転職を決めた」
良い例:「パワハラを黙認する職場環境を変えるため、改善案を提示して役員に直訴した」

3.3 個人の問題ではなく、職場全体の問題だったことを強調する

「職場内で自分だけがパワハラを受けていた」と伝えた場合、説明の仕方によっては「本人の能力や性格に問題があるのでは?」と判断されてしまう可能性もあります。

そこで、パワハラを個人の問題とするのではなく、職場全体でパワハラが問題となっていた、といった風に伝えるとよいでしょう。

パワハラ

悪い例:「その上司は、私だけをターゲットに嫌がらせをしてきた」
良い例:「職場全体でパワハラが横行し、業務にも支障が出ていた」

3.4 メインの退職理由は、ポジティブさを前面に出したものにする

パワハラ

パワハラを受けたことだけを退職理由とするのではなく、熱意や前向きさに満ちた理由を強調することも大切です。

前職への不満や愚痴で面接が終始してしまうと、ネガティブな印象だけが残るため、採用を勝ち取ることは難しいでしょう。

パワハラについては、事実をさらりと説明するに留め、今後に向けてのポジティブな展望をアピールしましょう。

悪い例:「職場の人間関係に疲れた」「仕事内容がつまらなかった」
良い例:「理想のキャリアプランを叶えるべくスキルアップしたいが、今の職場ではそれが望めない」「自身の成長と将来のために、転職を決意した」

4まとめ

転職の面接では、必ずといっていいほど「退職の理由」を聞かれます。このとき、パワハラを転職の理由として話しても問題はありませんが、ネガティブな印象にならないよう、伝え方には十分に注意しましょう。

具体的には、パワハラの事実だけを客観的に伝えたうえで、仕事への意欲や熱意をアピールすることが大切です。

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