日本の働き方改革が問われるなか、会社に出勤することなく在宅で働く「リモートワーク」が、新しい働き方として注目されています。
育児や介護などがありリモートワーク可の求人を探している方や、自社にリモートワークの導入を検討されている人事担当者の方に向けて、リモートワークのメリットやデメリット、必要となるスキル、求人が多い職種について詳しく解説します。
求人サイトでもリモートワーク制度を導入する企業が増加していますが、条件などは企業によって異なります。リモートワークに向いている職種にはどのようなものがあるのでしょうか。
この記事の特徴
- 厚労省のデータをもとにリモートワーク普及の背景をご紹介
- 「CREATIVE VILLAGE」の取材情報をもとにした情報をご紹介
- 募集中のリモートワーク可の案件に応募ができる
- 1.リモートワークとは?
- 2.リモートワークの普及率
- 3.リモートワークのメリット
- 4.リモートワークのデメリット
- 5.リモートワークに適した仕事の種類・副業
- 6.リモートワークで求められるスキルや経験とは?
- 7.リモートワークに必要なツールと活用するポイント・注意点
- 8.リモートワークの求人
- 9.まとめ
1 リモートワークとは?
リモートワークとは、Remote(遠隔・遠い)にWorkを合わせた言葉で、オフィス以外の場所から遠隔で仕事をする働き方を指します。コロナ禍において、会社員のリモートワーク率は一気に増加しました。
1.1 リモートワーク普及の背景
働き方が多様化しリモートワークが普及してきた背景には、働き方改革とコワーキングスペースの広がりも影響しているようです。厚生労働省「働き方改革~一億総活躍時代の実現に向けて」によると働き方改革とは、“働く人々が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で選択できるようにするための改革”と定義されています。
1.1.1 働き方改革の広がり
このような国の取り組みやワークライフバランスへの考え方を尊重する社会的背景があり、大手企業だけでなく中小企業でもリモートワークの導入が進んでいます。また厚生労働省「テレワークではじめる働き方改革テレワークの導入・運用ガイドブック」ではテレワークについて以下のように述べられています。
参考:テレワークで はじめる 働き方改革 – 厚生労働省
1.1.2 コワーキングスペースの広がり
コワーキングスペースは、フリーWi-Fiや仕事に必要な設備がそろっている共有のスペースです。専用の個室スペースではなく、オープンスペースを設けるサービスが多く、日本では2010年頃から徐々に浸透し始めました。2020年12月現在、日本国内に1,200箇所ほどの拠点があるようです。
コスト削減や情報交換ができるなどのメリットがあり、ITベンチャーで働くエンジニアや起業家、フリーランスの方などの活用が目立ちます。
2 リモートワークの普及率
リモートワークは、コロナ禍で一気に国内での普及が拡大しました。
東京都が都内にある従業員30人以上の企業1万社に対してアンケート調査した、『テレワーク「導入率」緊急調査結果』によると、2020年4月時点でのリモートワーク導入企業は62.7%であることがわかりました。前月3月に調査した24.0%から、38.7ポイント増と大幅に増加しています。
各企業のリモートワーク従業員の割合は、前年12月の2割から5割へ増加しました。また、個々の従業員がリモートワークをする月あたりの日数も、前年12月比で10倍以上増えていることがわかりました。
従来、リモートワークは企業規模が大きいほど導入率が高い傾向にありましたが、コロナ禍で中小企業や小規模企業の導入率も一気に伸びました。
さらに、2020年3月まではIT、事務、営業系の業種での導入率が高かったものの、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、現在は業種を問わず導入が進んでいます。
参考:テレワーク「導入率」緊急調査結果
3リモートワークのメリット
次に、リモートワークを行なうことで得られるメリットについて見ていきましょう。
3.1 【リモートワーク】従業員にとってのメリット
リモートワークで働く従業員は、実際にどのようなメリットを感じているのでしょうか。
3.1.1 通勤時間を他の作業に充てる
通勤にかかる手間がなくなり、ストレスの軽減が期待できます。出社の準備をして自宅を出てから職場に到着し、仕事に取りかかるまではある程度の時間がかかるものです。通勤時間が長い人ほど、その身体的・肉体的負担は大きいでしょう。
通勤時間を大幅に省き、満員電車のストレスからも解放されるため、業務に効率良く時間と体力を使うことができます。
3.1.2 集中力がアップし、仕事の生産性が高まる
通勤ラッシュ時の混雑から解放され、心にも余裕ができ、仕事に集中できます。総務省の「テレワークの最新動向と総務省の政策展開」によると、リモートワークを導入していない企業の労働生産性は599万円となっています。対して、導入企業は約1.6倍の957万円という結果で、生産性が向上していると公表しています。
3.1.3 育児や介護との両立が可能になる
育児や介護といった理由により、出社が困難な人でも自宅などで仕事を続けられます。また、時間を有効に使えるため、仕事とプライベートの両立が行ないやすくなることもメリットの一つです。
3.2 【リモートワーク】企業にとってのメリット
企業にとって、リモートワークはどのようなメリットをもたらすのでしょうか。
3.2.1 維持費の削減
従業員が出勤しないため、通勤にかかる交通費、オフィスの家賃や設備費、光熱費などさまざまな経費を削減できます。事実、リモートワーク導入によってオフィスの縮小や移転に踏み切る会社も増えています。
3.2.2 優秀な人材を確保しやすくなる
リモートワークでは、従業員の居住地を考慮する必要がなくなります。そのため、業界・業種の経験やスキルに長けており、自社にフィットする優秀な人材を全国から募集することができます。
3.2.3 離職率が改善する
育児や介護、配偶者の転勤といった諸事情により通勤が難しくなっても、リモートで仕事を続けられるため、離職率が低下します。それにより、優秀な人材を手放さずに済むでしょう。
4リモートワークのデメリット
上記でお伝えしたように、リモートワークはメリットも多いですが、デメリットもあります。導入前に良い面と悪い面のどちらも理解し、想定しておくことで必要な対策を立てられます。
4.1 【リモートワーク】従業員にとってのデメリット
従業員にとってのデメリットとして挙げられるのは、以下のような点です。
4.1.1 過労になる恐れ
仕事をする場所が自宅など、会社以外の場所になると、オンとオフの切り替えが難しくなります。また、時間帯を問わず入る電話やメールへ対応する必要が出てくると、労働時間の管理が難しくなるため、超過労働になる恐れがあります。
4.1.2 コミュニケーションが薄くなる
リモートワークでは、基本的に一人で仕事を進めなければならず、電話かメール、チャットツールなどを介して、他の従業員とコンタクトをとることになります。
オフィスなら、何気ない雑談や直接のやり取りができても、リモートでは周りに他の従業員がいないため、気軽にコミュニケーションが取りづらくなるのです。
4.1.3 孤独や運動不足で、心身の体調を崩す可能性も
一人で仕事をしていると、孤独を感じる人も少なくありません。さらに、出勤するときに比べて身体的活動量も大きく減少してしまうため、心身の健康を害するリスクは高まるようです。
4.2 【リモートワーク】企業にとってのデメリット
企業にとっては、以下のような点がデメリットとなります。
4.2.1セキュリティ面でのリスクが高まる
端末のウイルス感染、カフェでの長時間離席、電車に端末を置き忘れる、といったことがきっかけとなる情報漏えいや機密情報の消失など、セキュリティ面でのリスクは高まります。一層のセキュリティの徹底とシステムの強化は、企業にとって急務といえます。
4.2.2 従業員の管理や評価制度を見直す必要がある
リモートワークでは、従業員の勤怠や働きぶりに目が届きにくくなります。また、業務だけでなく企業の労務面の体制についても、対応や変更を余儀なくされます。
さらに、出勤者とリモートワークする従業員について公正・公平に評価できるよう、評価制度の整備も求められるでしょう。
5リモートワークに適した仕事の種類・副業
リモートワークに向いているのは、クリエイティブ系やコンサルティングなどの業種です。
成果物をデータで納品するだけで完結する仕事であれば、オフィスに出勤する必要はなく、リモートワークでも業務が可能です。企業によっては、クライアント先へ月数回ほど訪問するケースもありますが、基本的に出社の必要がないリモートワーク求人が増えています。
具体的な職種では、コンサルタントやITエンジニア、プログラマー、デザイナー、広告運用ディレクター、コンテンツディレクター、ライターなどが挙げられます。未経験から始められる場合もありますが、専門的な知識を必要とする職種が多いため、資格やその仕事に関わった経験などがあると採用に有利でしょう。
「本業があるためフルタイムでの勤務は無理だけど、副業として平日の夜や土日の空き時間にリモートワークをしたい」というニーズもあります。こうした副業希望の人が利用するサービスがクラウドソーシングです。代表的なサービスに、ランサーズやクラウドワークスなどがあります。
副業を希望する会社員だけでなく、駆け出しのライターやデザイナー、エンジニア志望の学生といった人たちも活用しています。
6リモートワークで求められるスキルや経験とは?
リモートワークのなかでも、ライターは初心者でも受注できる案件が多くあります。発注企業側で用意する制作マニュアルを参考にしながら、的確に業務をこなすことで、未経験者でも基礎スキルが身についていくでしょう。
求められるレベルが高いのが、エンジニアやマーケター、コンサルタントといった職種です。
エンジニアやプログラマーは、ソースコードを書く技術や仕様書を作成するスキルが必須です。一方のマーケターは情報精査能力やリサーチ力、分析力が求められ、コンサルタントでは論理的思考力、コミュニケーション能力などのスキルが必要となります。
こうした職種のリモートワークは、実務経験や業務の遂行能力を持つ人でなければ、発注企業側が求めるクオリティーに応えることはできないでしょう。
7リモートワークに必要なツールと活用するポイント・注意点
リモートワーカーにとって、導入・準備しておくべきおすすめツールがいくつかあります。プロジェクトにおけるタスク管理や、コミュニケーションを円滑に行なうことができるツールなどがあるので、ぜひチェックしておきましょう。
7.1 迅速な情報伝達に利用する「チャットワーク」
要件確認、日程調整、ファイル共有といったさまざまな機能があり、多くのIT系企業やクリエイティブ業界で利用されている国産ビジネスチャットです。プロジェクトごとにグループチャットを作って、情報管理できるなど円滑なリモートワークをサポートしてくれます。
7.2 対面コミュニケーションに必須「スカイプ」
遠隔地で働くリモートワーカーは、社内で働く人との情報格差やコミュニケーション不足がネックになります。チームメンバーとのオンライン会議では、スカイプを使うことで気軽に情報交換ができます。ただし、セキュリティ面で不安要素があるため、マルウェア感染による乗っ取りなどに注意し、セキュリティ対策をしっかりと行ないましょう。
7.2 効率的にタスク管理ができる「バックログ」
プロジェクトの進捗管理機能が充実したツールです。シンプルでわかりやすいUIが特徴で、メンバー間のコミュニケーション、タスク管理が容易に行なえます。プロジェクトの進捗状態が、「処理中」「処理済み」「完了」というステータスと課題数で把握できるのが大きなポイントです。
どのツールも便利なものですが、機能や活用方法など自分に合ったツールを選び、注意点を押さえることで、さらに快適に業務を進められるでしょう。特に、直接顔を合わせないリモートワークだからこそ、チャットはとても重要な役割を果たします。
レスポンスをなるべく早くし、実際の会話に近いようなコミュニケーションの取り方をすることでリモートワークのデメリット解消につながります。どのツールにおいても、しっかりとしたリテラシーを身につけて、使いこなせるように努力しましょう。
8リモートワークの求人
リモートワーク可能な求人の一例を「CREATIVE JOB」から、まとめてご紹介します。
「育児や介護で出社せずに仕事をしたい」「生産性を上げたい」とお考えの方は、ぜひチェックしてみてください。
9 まとめ
政府主導の働き方改革などにより、現在では多様な働き方が選べるようになりました。一人ひとりの働くスタイルが変化しつつあり、リモートワークを導入する企業も増加傾向にあります。
リモートワークをはじめとした「働き方」を変えたい方は、お気軽にクリーク・アンド・リバー社のエージェントサービスへご連絡ください。