転職先としてIT業界を検討する方は多いものの、「どのような仕事をするのか」「どのような業界なのか」と聞かれると、具体的には答えられない場合も多いでしょう。
IT業界への転職を目指すのであれば、まずは業界と仕事内容について詳しく知っておくことが重要です。
この記事では、転職を目指す方向けに「IT業界とはどのような業界なのか」を説明します。併せて、どのような職種があり、働くにはどのようなスキルが必要なのかも紹介します。
ITとは情報通信に関わる仕事
ITとは、「情報技術」を意味する「Information Technology」から頭文字を取った言葉です。情報の取得や加工、発信をするための科学技術全般を指し、ITの中にもさまざまな業種・職種が存在します。
インターネットサービスの提供やスマートフォンの販売、業務用システムの管理など、情報を扱う職種全般がIT業界に属します。
誰もが知る有名企業のなかでは、Google LLCや日本電信電話株式会社（NTT）、富士通株式会社などがいわゆるIT企業です。参入に大がかりな設備や巨大資本が必要ないことから、ベンチャー企業が多い業界でもあります。
ITは、今や私たちの生活には欠かせないものです。医療や金融・物流など幅広い分野で活用され、AIやIoT（※スマート家電などに使用される、ものとインターネットをつなぐ技術）も発展してきているため、今後ますます重要性が高まってくるといえます。業界としての将来性も高いでしょう。
IT業界は大きく4つに分類される
単にITといっても、業界によって仕事内容や需要の高い職種が異なります。そのため、転職活動を始める前におおまかに各業界の特徴を把握しておきましょう。IT業界の業種は、以下のように大きく4つに分類できます。
1.Web・インターネット業界
インターネット上でサービスを開発・提供する企業群です。
ECサイトやWebサービスの構築
インターネット上で動くWebシステムの開発
2.情報処理業界
企業の依頼を受け、業務システムの開発・運用を行う企業群です。ハードウェアとソフトウェア双方の知識が必要となるケースが多く、企業によっては業務の効率化や課題の解決などを提案するコンサルティング業務を含むこともあります。
ハードウェア業界
スマートフォンやパソコン・プリンターなど機器側の筐体やプログラムの開発を企業群です。一般に“組み込み系”というとハードウェア業界や、その技術者を指すことが多いです。
ソフトウェア業界
パソコンやスマートフォンなど、機器上で動作するソフトウェア・アプリケーションを開発する企業群です。
なお、すべてのIT企業が上記のいずれかに、明確に分かれるわけではありません。
社内にジャンル別の部門や子会社を設けていたり、大型プロジェクトの場合にはさまざまな業種の開発者でチームを組んだりすることもあります。
IT業界に転職できる職種4選
IT業界に転職する場合、どのような職種が選択肢となるのでしょうか。ここでは、代表例を4つ紹介します。
技術職
ITと聞いて、最もイメージしやすい職種はプログラマーやエンジニアなどの技術職ではないでしょうか。
技術職は、提供するシステムやサービス・ソフトウェアの開発を担う現場の職人です。おもに、決まった仕様に沿ってシステムの構築を行います。
ベテランのエンジニアになれば、クライアントとのやりとりや仕様の決定に関わることも可能です。
マネジメント職
開発業務の進行管理を担うのが、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーなどのマネジメント職です。現場の開発職の上司にあたるポジションのため、エンジニア・プログラマーからキャリアアップしてマネジメント職に就く場合もあります。
おもに、予算や開発スケジュール、工数の管理など、開発プロジェクトのかじ取りが仕事です。
マーケティング職
マーケティング職は、ITを活用してクライアントの課題を解決する職種です。データアナリスト、Webマーケターと呼ばれる職種がマーケティング職にあたります。
おもな仕事はSEOやアクセス解析、Web広告効果の計測など、収集したデータを分析・利用してクライアントの悩みを改善することです。
営業・コンサルタント職
自社で開発したサービスやソフトウェア、パッケージなどを他社に売り込むのが営業職の仕事です。
また、クライアントの抱える課題を、自社サービスを駆使して解決するコンサルタントとしての一面を持つこともあります。
他社やクライアントに対し、正確でわかりやすい説明をする必要があるため、ITについて幅広い知識が求められるでしょう。
IT業界に転職するうえで重要なスキル
IT業界に転職する際、どのようなスキルが重要視されるのでしょうか。職種によってスキルや練度が異なるので、ここではIT業界の職種全般で重要視される3つのスキルを紹介します。
プログラミングスキル
技術職の基本となるのが、プログラミング言語を駆使した開発スキルです。エンジニアやプログラマーではいわずもがなですが、マネジメントや営業においても担当プロジェクトやサービスを理解するために重要といえるでしょう。
開発に使用するプログラミング言語には多くの種類がありますが、業種によって使用する言語は異なります。
例えば、WebシステムであればJavaやPythonなどが使いこなせると有利です。一方、ハードウェアに組み込むプログラムの開発では、CやC++などが得意だと重宝されるでしょう。
志望先の企業でどのような業務を行なっているのかを確認すると、求められる開発スキルが明確になります。要求スキルはおおむね求人に記載されているので、必ず確認しましょう。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルも、IT業界で働くために重要です。
IT業界というと黙々とパソコン作業をするイメージがあるかもしれませんが、実際には、クライアントとのやりとりや開発グループ内で足並みをそろえた進行が必要となります。そのためコミュニケーションスキルは非常に重要です。
特に、営業職はクライアントの要望を引き出し、課題を解決できる自社サービスを提案しなければなりません。厳しい納期や予算を提示された場合など、交渉が必要な場面もあるため、コミュニケーションスキルの重要度は高いでしょう。
ロジカルシンキング
IT業界での仕事は、常に「問題解決力」が要求されます。そのために必要なのが、ロジカルシンキングのスキルです。ロジカルシンキングとは物事を筋道立てて理解し、問題の解決に導く論理的な思考を指します。
例えば、「開発がスケジュールどおりに進まないとき」「クライアントにわかりやすく説明・提案をするとき」など、論理的な思考により課題をクリアする力は随所で求められるでしょう。
まとめ
ひと口に「IT」といっても、その定義は非常に広範で属する企業もさまざまです。
IT業界への転職を検討するのであれば、まずはどのような業種や職種が存在し、必要なスキルは何なのかを明らかにする必要があります。
ただしIT業界の求人は非常に数が多く、自分に適した求人を探すのは難しいといえるでしょう。その場合、頼りになるのが転職エージェントです。
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