クリエイティブアカデミー事業責任者の佐藤と遊技機受託開発スタジオの責任者飯田が、映像制作で有名な株式会社デジタル・フロンティア様にて遊技機映像制作の現場の意見、映像制作のキャリアについてお伺いいたしました。

株式会社デジタル・フロンティア 執行役員 AM事業部部長 桑名貴裕プロデューサー 同AM事業部 中原拓也クリエイティブディレクター

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株式会社デジタル・フロンティア 執行役員 AM事業部部長 プロデューサー 桑名貴裕氏
株式会社デジタル・フロンティア AM事業部 クリエイティブディレクター 中原拓也氏
株式会社デジタル・フロンティア
映像を主体とした総合映像制作プロダクション。様々なジャンルの映像制作を行い、遊技機開発部門はAM事業部という部署で開発遂行。演出考案、仕様書作成、映像制作(CG、実写、2Dアニメ)、デザイン制作、オーサリング、ランプデータ作成、サウンドデータ作成、サブ制御プログラム作成まで幅広く対応し、一貫したワンストップでのぱちんこ、パチスロ開発を行っている。

中原拓也クリエイティブディレクター

株式会社デジタル・フロンティア AM事業部 中原拓也氏 クリエイティブディレクター
入社5年目。デザイナーとして、遊技機のオーサリング、EF制作、素材制作や、ソーシャルゲームの開発に携わり、その後、遊技機の映像制作ディレクターとして映像ディレクション、クオリティ管理、映像企画提案等、幅広く業務に携わる。

クリエイティブアカデミー責任者 佐藤浩平、デジタルコンテンツ・グループ遊技機開発Amusment Creative Studio責任者 飯田企三宏

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株式会社クリーク・アンド・リバー社 デジタルコンテンツ・グループ遊技機開発Amusment Creative Studio責任者 飯田企三宏
同クリエイティブアカデミー責任者 佐藤浩平

飯田 今回は映像制作のキャリアという切り口で取材をさせていただきます。宜しくお願い致します!
デジタル・フロンティアというと映像制作の大手で、実写やCGなどハイエンドな映像制作を得意としている総合映像制作プロダクションだと思うのですが、その中でも中原さんは遊技機映像制作のチームに所属していますよね。入社時から遊技機映像制作を希望されたのでしょうか?

中原 僕はもともと遊技機好きでしたので、遊技を通じて多くの映像作品を見てきました。
なので、希望の一つでもありました。
でも中には、自分のような遊技好きだけではなく、遊技を全くやってこなかった純粋に映像を作りたいクリエイターも沢山いますよ。

学生の頃、ホールで何気なく遊んでいると素晴らしい映像の多さに驚きました。豪華でリッチで遊技に没頭する心震える映像の数々。こんな映像をいつかは作ってみたいと思い、映像制作会社を調べて、デジタル・フロンティアに入社することができました。

入社後は直ぐ にでも希望の遊技機の映像を作りたかったのですが、現場に入ると周りのレベルが高くて直ぐにはアサインされませんでした。そのため、 入社当初はデザイナーというポジションから早く映像制作に移行し作れるようになるにはどうすればいいのかを常に考えていました。

飯田 初めから遊技機映像制作を志していたのですね。遊技の映像はユーザーと直接対話するというか、特殊性が高いと思うのですが、中原さんにとって遊技機映像制作の魅力ってなんでしょうか?

中原 弊社の遊技機映像制作業務では、個人で演出を任せてもらえることが大きい魅力ですね。他のジャンルに比べて一人に任せてもらう範囲が広く、裁量が大きいので個人のスキルによって自分の表現したいこと、見せたい方法でのアウトプットが可能になっており、スキルアップや成長も早い環境です。クライアント様やユーザーから「かっこいい映像ですね」などのお言葉を頂けるとやっぱり嬉しいですし、もっとやろう!とモチベーションも上がります。
また、遊技機は、TVアニメ、映画、時代劇、ゲーム、アーティストなど、色々な人気IPコンテンツを使っているところも魅力です。
実写やアニメ、CGといった大きい括りの中で、タイポグラフィ作ったり、モーショングラフィックを作ったり、楽曲に合わせた映像を作ったりなど、機種開発の中で、様々なコンテンツに関する映像表現ができたりするのも魅力だと感じています。
コンポジッターは最終的な映像を完成させる重要なポジションだと思っています。ジャンルによってコンポジッターの細かい作業内容は違うのかもしれませんが、最終的に良いものに仕上げるということは変わらないと思います。コンポジット次第で映像クオリティの良し悪しを左右する、とても責任があるポジションですが、その分やりがいはあります。最終ルックをイメージし、それに必要な要素は何かを考え、イメージを形にできた時の達成感は別格だと思います。

遊技機開発の場合は、「キャラ素材を流用して演出を作ってほしい」というご要望も多いため、演出を完成させるために自分で背景を作ったり、不足要素を自分で作るといったことも多々あります。それも魅力かもしれないです。クライアント様から難しいご要望を頂いた際、それを形にし、ご満足頂けたときの達成感や喜びもあります。

飯田 遊技機映像制作は個人の裁量が大きいんですね。確かに制限がない分、自由度は高いと思います。自由度が高いってことは逆に自身の限界まで良いもの作ることができるってことだと思いますが、よりよい映像制作にするにはどういった点にこだわられているのでしょうか?

中原 基本的なことかもしれませんが、緩急、溜め詰め、メリハリにこだわっています。また、アニメーションやエフェクト、映像全体のクオリティを印象付けることもポイントですね。これらは見た人が「気持ち良い動きだ!」や「キレがありかっこいい!」などといった感情を起こすために必要なことです。
また、演出一つ一つにこだわりポイントを作るよう心掛けています。例えば、この演出はキャラクターの性格や感情に合せ、どのような動きにしたら良いか、ここの文字は動きをダイナミックにしてみようとか、作品の特徴や世界観、遊技機の演出としての重要度、信頼度等を意識することです。
ディレクターは、ただクライアント様に対して満足を得ることが出来れば良い訳ではなく、クライアント様の企画の意図を引き出し、その先にいるファンやユーザーに感動や驚きを与える意識をもってモノづくりをしなければならないと思っているので、これらのことを考えながら、作業するデザイナーに伝えていくことがとても難しいところです。
そのためには、クライアント様とコミュニケーションをしっかりと取りながら、モノづくりへのこだわりを持って、社内外へのディレクション対応をしていくことがとても重要だと思っています。

佐藤 遊技機映像制作でキャリアをスタートされ、デザイナーからディレクターに昇格し、キャリアを構築されていますが、培った技術は他の映像制作に応用することはできるのでしょうか?

中原 我々が業務で使用しているメインの制作ツールはAdobe After Effects(以下AE)です。このツールのポテンシャルを限界なく存分に使いこなすのが遊技機映像制作だと思います。AEマイスターになればどこの業界でもエキスパートとして即戦力で活躍できます。
TV番組、CM、PV、モーショングラフィック、映像の組み立て 、コンサート映像、アニメーションなど技術は多方面で使えると思いますよ。

佐藤 AEのスキルは万能なんですね。我々もコンポジットクラスで主にAEを教えているのですが、間違ってなかったと改めて思いました!
現場目線で、ツールのスキル以外にどんなスキルがあればより活躍できると考えられますか?

中原 AEやフォトショップ、イラストレーターなどの制作ツールが使えるのは当たり前で、更に高見を目指すには探究心を持って業務に取り組むことだと思います。
未熟だった新卒の時は「聞く前に調べろ」とよく言われ、 周りの先輩の映像解析をして、調べまくって質問をするなどしていました。そのおかげでよく調べる癖ができましたね。教えていただいたことは直ぐに実行して経験として習得していきました。すごい先輩を目にして同じように品質高い映像を作りたいと思う探求心がベースにあったんだと思います。
最近だとAEだけではなく3DCGのスキルも必要になってきていますので、覚えることが非常に多いです。いずれにしても能動的に知識を求める探求心がスキルアップには必須だと思います。

佐藤 探求心というのがポイントですね!前向きにポジティブに、貪欲に業務に取り組むことが大事なんですね。実際に早くに昇格されディレクターになられている中原さんですが、映像クリエイターとしてのキャリアアップってどう考えていらっしゃいますか?

中原 本当は目標を明確にしてそれを目指してやっていくのがいいのかもしれませんが、自分は仕事が楽しくて、楽しくて、その延長で現在のポジションにいる感じです。キャリア構築を明確にして業務をしてきた訳ではないです。
今はとにかくエキスパートを目指している感じですね。探究心を持って、どんな状況でもポジティブに業務に取り組み、努力を惜しまなければ、キャリアは自然についてくるものだと思っています。

佐藤 なるほど。すごく楽しく仕事をされているのが伝わってきます!
今回、中原さんの後輩になるような人材輩出の為に、クリエイティブアカデミーでコンポジッタークラスを開設しました。このクラスは業務実績を積む就業先に遊技機映像制作会社をターゲットとしています。実務を積んだ後は様々な映像制作にチャレンジも可能です。
しかし、候補生と話すと遊技機映像を遊技機だからと敬遠する方もいます。こういう候補者たちには何て説明するとよいでしょうか?すごくもったいないと思うんですよね。

中原 結局、映像の仕事って遊技でもCMでも映画でも一緒だと思います。なんのために仕事をするのかって考えると『エンドユーザーの為に感動や驚きを届ける』ってことだと思うんですよね。
そもそも媒体によっての貴賎はないですよ。それぞれの方々の意見やこだわりは尊重しますが、そこで止まっている人は一流のプロフェッショナルには成れないと思っています。映像制作は媒体の問題ではなく『誰に何を届けるのか?』が一番大事だと思います。
媒体によって作り方は違いますがユーザーの方を見て制作をするってことだと思います。
遊技機映像制作は一人に任せてもらう範囲が広いので成長も早くプロフェッショナルになるのも早いです!

佐藤 ありがとうございます。媒体によって差はあっても『ユーザーに感動や驚きを届ける』というのはクリエイター全員に響きますね…!
最後に、これから映像制作を志す若者へのメッセージをお願いします。

中原 AEは技術を習得することで、映像制作の可能性を広げることができます。そんなAEの技術、機能を余すことなく身に着けることができるのが遊技機映像制作だと思います。
映像制作は見ていただける方に感動や驚きを届ける素敵な仕事です。自分の為ではなく、エンドユーザーのために作る意識を持って制作するといいと思います。遊技機映像は自分の作った商品がホールに行けばユーザーの反応がダイレクトに伝わるのも魅力です。
遊技機映像業界を一緒に盛り上げていきましょう!

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