ゲーム業界への転職では、ポートフォリオが非常に重要な意味を持ちます。
ただし、いざポートフォリオを作成しようと試みても、どのように作ればいいのか、書式や記載内容がわからない方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ゲーム業界におけるポートフォリオの意味や作成するポイントなどをまとめています。ぜひ参考にして、ポートフォリオを作成してみてください。
ゲーム業界のポートフォリオとは?
ポートフォリオは、今までやってきた仕事の履歴や、技術を伝える作品集のようなものです。
自分にどのようなことができるのか具体的な形で示せるので、ゲーム業界では、採用する人材の選定や仕事の発注先を決める際、重視する傾向があります。
採用担当者が「会ってみたい」「話を聞いてみたい」と興味を持ってもらうためにも、ほかの応募者と差をつけたポートフォリオで目を引きましょう。
最初にイメージをつかんでから作成
採用企業側から提出を求められた際に慌てて作成することがないよう、ポートフォリオは早めに準備を進めておく必要があります。
ただし、「ポートフォリオを作る」といっても、何をしたらいいのかイメージが湧かない人も多いでしょう。
ポートフォリオのイメージが湧かない方は、複数のポートフォリオを見ることから始めるのがおすすめです。
就職サイトなどで公開されている作品を数多く見て研究することで、自分の作りたいポートフォリオのイメージが湧き、自分が作成したいものがつかみやすくなるはずです。
最初は他人のポートフォリオに似てしまうことがあるかもしれませんが、自分独自の作風や応募企業のカラーに合わせたポートフォリオにブラッシュアップすれば問題ありません。
自分の強みを念頭に置いて作成する
ポートフォリオは、決められた書式がなく、構成やページ数、作品の並べ方や説明など、すべて自分の裁量とセンスに任されています。
ポートフォリオの制作に迷っている方は、「最も強調したい自分の強みは何か?」を念頭に置いて、作成するとよいでしょう。
ゲーム業界は、クリエイティブな仕事であるため、ポートフォリオそのもののセンスも問われることがあります。「自分の強みをいかに魅力的に見せるか?」を考えて構成を決めるようにしましょう。
ゲーム業界のポートフォリオは作品や作風などを伝えるもの
ゲーム業界のポートフォリオを作成する際は、掲載する作品を慎重に選ぶことが大切です。
なぜなら企業側は、ポートフォリオの作品を見ることで、あなたの詳しい能力やスキル、求めている作風なのか、といった判断をするためです。
応募する企業の過去作品を入念にリサーチし、求められている作風や能力をしっかりと研究したうえで掲載する作品を選びましょう。
ポートフォリオは、クリエイターとしての実績や現状の能力だけでなく、作品や作風を伝えるために重要な資料となります。
ゲーム業界のポートフォリオには何を書けば良い?
ゲーム業界のポートフォリオでは、採用担当者へあなたの能力やスキルをただ提示するだけでなく、自身の今までの作品をまとめ、相手に強い印象を残す必要があります。
それでは、ポートフォリオには、具体的に何を記載すればよいのでしょうか。以下からは、ゲーム業界のポートフォリオの特徴を解説します。
就職希望の職種によって異なる
ゲーム会社におけるクリエイティブ職は、ゲームプランナー、デザイナー、イラストレーター、シナリオライターなど、多種多様です。
そのため、希望の職種によってセールスポイントが異なります。ポートフォリオでは、職種によって記載内容を変えるようにしましょう。
例えば、ゲームプランナーであれば仕様書や企画書、デザイナーであればキャラクターや背景などのイラスト、シナリオライターであれば小説などのシナリオです。
制作物を記載する
ポートフォリオには制作物を記載しますが、「できるだけ多くの制作物をゲーム会社側に見てもらいたい」という思いから、多数の作品を記載しがちです。もちろん一定のボリュームは必要ですが、記載する制作物は、多過ぎても少な過ぎても情報が頭に入りにくくなってしまいます。
まずは「自分の技術がよく伝わる」作品を選定し、適度な数の制作物を記載するように意識しましょう。
また、制作物を記載するときは、タイトルや使用ソフト、制作時間や制作時期も忘れずに記入してください。
なお、過去と現在で制作物の作風が大きく変化している方は、最新の制作物が目立つようポートフォリオに載せる掲載順番などを工夫してみましょう。
テイストを合わせた作品
記載する作品は、希望する会社が制作しているゲームのテイストになるべく合わせるのもよいでしょう。
ゲーム制作会社が普段発売しているゲームの年齢層や、ゲームジャンルなどによって求められる作風が決まる場合があるためです。
必ずしもテイストを合わせる必要はありませんが、テイストが合った作風のポートフォリオがあれば、目を引きやすくなるはずです。
ゲーム会社が見ているポートフォリオのポイント
以下からは、ゲーム会社側が見ているポートフォリオのポイントについて紹介します。採用担当者の見ているポイントを知っておけば、ポートフォリオ作成時に役立てることができます。
仕事の幅
ゲーム会社は多くの場合、幅広いジャンルやテイストの仕事を抱えています。そのため、ゲーム会社の採用担当者がポートフォリオで見ているポイントの一つは、あなたの仕事の幅です。
よって、ポートフォリオで手がけたジャンルや業務をなるべく詳細に記載すれば、対応できる能力の広さを評価されやすくなります。
幅広い業務を経験している方は、どれだけ多彩な役割を担ったかなど、ひと目でわかる資料作りを心がけましょう。
得意とするジャンル
多くのクリエイターは、人それぞれ得意とするジャンルと不得意なジャンルがあります。
そのため、ゲーム会社の採用担当者は、応募者が何を得意とし、何を不得意としているのかをポートフォリオなどで確認します。
特にさまざまな案件を抱える企業は、自社がリリースするゲームのジャンルや世界観に合わせた制作物に対応できるかを重視しています。
そのため、あなたの得意とするジャンルがゲーム会社側とマッチしていれば、採用率は高くなるでしょう。
応募する企業を選ぶ際は、自分自身の強みと相性が良いと思われる会社を探すことも大切です。
技術力
技術力は、経験者を募集している企業やクリエイティブ職の募集で非常に重要視されるポイントです。
入社後に十分活躍できるだけの技術力があるか、自社のゲームに対応できるだけのスキルがあるか、といった点をポートフォリオなどから判断します。
過去に担当したプロジェクト名や、成果物をポートフォリオで記載できるのであれば、なるべく詳細を記載しましょう。
自身のWebサイトなどを持っているのであれば、URLを掲載し、Web画面上で作品を確認できるようにするのも効果的です。
採用担当者がストレスなく閲覧できるポートフォリオを作成することが肝心です。
なお、実績がない、もしくはゲーム業界未経験であった場合は、ポートフォリオに記載できる作品が少ないかもしれませんが、作品の数が少なくても、技術力が確かなら採用される可能性は十分あります。
作品を制作した際の思考のプロセスや制作工程などを紹介し 、一つの作品を深く細かくわかりやすく見せる工夫をしてみましょう。
職種にもよるがデザイン職のポートフォリオは必須となるので準備しよう
ゲーム業界への就職や転職、新たな仕事を獲得するためには、ポートフォリオの作成が不可欠です。ポートフォリオは、あなたの能力や経験をアピールできる名刺代わりの重要資料です。
また、ゲーム業界は、クリエイティブな業界であるため、ポートフォリオの見せ方も手を抜いてはいけません。
採用担当者は、ポートフォリオからも自分の魅力を伝える力があるかを判断している場合があります。ゲーム業界のポートフォリオは、他業界以上に妥協せず、こだわって作りましょう。