遊技業界と言っても色々な事があるかと思います。その中で今回はパチンコ・パチスロ機におけるグラフィックの変遷についてお話しますがグラフィックと言うよりも、まずはそれを表現するハード面についてお話しさせて頂ければと思います。

■初めての液晶機とは

さてパチンコ機で初めて液晶表示器が採用されたのはいつなのか!? 意外と知らない方が多いですが、それは今から約26年前の1989年に平和社から販売された「ブラボーエクシード」になります。当時のパチンコ機の表示器は7セグが主流でしたが、この機械から表示の部分が液晶となり、この液晶上の青い窓の中に立体的な7セグを浮き上がらせていました。まぁこの技術を使い、通常の7セグ機よりも非常に美しく見せられるだけで、現在の液晶表示器とは見た目は違いますし、色々なモノを表示・表現できるわけではなく、見た目は7セグとほとんど変わっていません。液晶技術を初めて搭載した7セグパチンコといったところです。
ちなみに、本機は販売価格がパチンコ機として初めて10万円を突破したとも言われています。今と比べると、かなり安いですね(笑)

■初のカラー液晶モニター搭載機 パチンコのエンターテイメント性の向上

そして、その流れから2年後の1991年にパチンコ機で初のカラー液晶モニターが搭載された「麻雀物語」が平和社から販売されました。業界初のフルカラー液晶デジタル(3インチ液晶)を採用し、飾り図柄の他、キャラクターを液晶表示器で初めて表現した機械といえ、その後のパチンコ業界に大きな革命をもたらした機種といえるでしょう。本機は大当たり終了後の保留玉連荘に加え、液晶上でのキャラクターによるお色気要素が遊技者を虜にし、販売台数は30万台超えの大ヒットを記録しました。その後の平和は「ダービー物語」「プリンセス物語」「トランプ物語」「雀姫物語」「トランプ物語」「綱取物語」「弾丸物語」等と続くのですが、いつの間にか物語シリーズといえば海物語に…。

■パチスロ 初の液晶搭載機

一方、パチスロ機の方ですがカラー液晶モニターが初めて搭載されたのは意外と遅く、パチンコに遅れること8年、1999年にサミー社から販売された「ゲゲゲの鬼太郎」になります。それまでのパチスロ機は、リール窓や筐体の一部分の照明を点滅させるだけのものが大半でしたが、液晶上で行われるチャンス予告はゲーム性を大幅に進化させ、その後のパチスロ機に液晶画面は欠かせないものとなっていきました。その後、2003年にエレコ社が販売した「ハナビ百景E」は、透過型大型液晶ディスプレイをメインリールの全面に配したことで、リール上にもクリエイティブな映像を投影出来るようになりました。
2004年にロデオ社が販売した「ガメラハイグレードビジョン」は、ドーナッツビジョンと呼ばれるメインリールの位置を四角く抜いた穴あき大型ディスプレイが搭載された他、同年に同じくロデオから販売された「カイジ」は、透過型でも穴あきでもない通常ディスプレイを全面に配した疑似液晶パチスロ機が登場しました。ちなみに、パチンコ機にも全面液晶機は存在しており、実際の市場に登場した機種では2004年にミズホが販売した「CR雀帝倶楽部」となります。

■そして、進化した現在の液晶機

液晶は初期の頃には想像出来ない程の進化を遂げており、現市場では3D映像を主体にハード面ではサブ液晶や導光板等を搭載するのがトレンド化してきております。液晶のサイズも3インチからスタートして、いまでは15インチ~17インチが主体ではありますが、中には20インチのモノも多く登場しております。容量も今では32GBは当たり前、64GBやなんとパチスロで128GBも登場するとか…その他、パチスロは下部パネルも液晶にしちゃっています。そのうちパチンコ枠にも液晶が搭載されるのも…近い将来あるかもしれませんね。
さて、次回は遊技機の傾向(特にクリエイティブの部分)として、液晶内の映像面や演出面のトレンド演出の変化についてお話したいと思います。

遊技機演出の傾向(1)【コラム】
遊技機演出の傾向(2)【コラム】