日本および世界のゲームシーンで数々の金字塔を打ち立てた大ヒットシリーズ『ファイナルファンタジー(以下FF)』。中でも歴代1・2の人気を誇る『ファイナルファンタジーVII』が誕生して20年、最先端技術を駆使してリメイクする『ファイナルファンタジーVII リメイク』の開発は、大きな注目を集めています。そこで今回、開発の総指揮を担うプロデューサー北瀬氏に、25年以上FFシリーズに関わってきた経緯や開発にかける思いについて語っていただきました。

メンバーインタビュー

北瀬 佳範
開発担当執行役員
第1ビジネス・ディビジョン ディビジョン エグゼクティブ
ファイナルファンタジーVII リメイク プロデューサー

アニメ制作会社で映像制作に関わった後、1990年にスクウェアに中途入社。
ファイナルファンタジーシリーズは5作目の『ファイナルファンタジーV』から携わり、これまでフィールドプランナーやディレクター、メインシナリオなど様々なポジションで活躍。『ファイナルファンタジーX』からプロデューサーとなり現在、『ファイナルファンタジーVII リメイク』プロデューサーとして、制作の総指揮を担っている。

企業プロフィール

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株式会社スクウェア・エニックスは、エンタテインメント分野において、創造的かつ革新的なコンテンツ/サービスのヒット作品を生み続けるリーディングカンパニーです。当社グループの自社IPの代表作には「ドラゴンクエスト」シリーズ、「ファイナルファンタジー」シリーズ、「トゥームレイダー」シリーズ、「スペースインベーダー」シリーズなどがあります。

■ 社名  :株式会社スクウェア・エニックス
■ 所在地 :東京都新宿区新宿6丁目27番30号 新宿イーストサイドスクエア
■ 設立  :2008年10月1日
■ 代表者 :代表取締役社長 松田 洋祐
■ 事業内容:デジタルエンタテインメント事業、アミューズメント事業、出版事業、ライツ・プロパティ事業
■ URL:http://www.jp.square-enix.com/



人間ドラマを大事にする『FF』の世界に可能性を感じてスクウェアへ

元々はアニメーションの映像制作に関わっていました。そのころは特にゲームの世界には縁がなく、映像を通じて物語を表現することに興味をもっていました。

転機となったのは80年代後半、『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』などRPGが続々と誕生したころ。実際にプレイしてみると、まるで映画やドラマのように、しっかりとしたストーリー性を持たせたエンタテインメントとして成立していたことに驚きました。

特に『FF』は人間ドラマとして見ごたえのあるストーリーや映像演出が施されていたことから、ゲームの世界で新しい表現に挑戦できる可能性に魅力を感じ、スクウェアへの入社を決意しました。

といっても当時、ゲームの開発技術や経験は一切なかったので、スクウェアに応募したときに送ったのは、私が作ったミュージックビデオ作品でした(笑)。
スクウェアに入社後は、現場で経験を積みながらゲーム開発技術やノウハウを吸収しつつ、私が得意とするストーリーを盛り上げる演出分野に注力してきました。
『FFシリーズ』に関しては最初に携わった『ファイナルファンタジーV』から、かれこれ25年以上に渡る付き合いになりますね。

「あの時の衝撃」を今の世代に伝えたい。
『ファイナルファンタジーVII リメイク』誕生のきっかけ


今回『ファイナルファンタジーVII リメイク』のプロデューサーとして、20年ぶりに『FFVII』をリメイクすることになりました。
『FFシリーズ』の中でもトップクラスの人気を誇り、20年を経た今なお「クラウド」「セフィロス」といったキャラクターが、多くのFF関連作品を介して若い人たちにも人気を博しています。
一方で20年前の原作を知らないから、どんな背景でこのキャラクターが生まれたのかを知らない人も増えています。

キャラクターの持つ真の魅力は単に外見だけではなく、その設定や背景、キャラクターが歩んできたドラマを深く理解することによってはじめて気づき、感情移入して愛着を持てるはず。そこで今の若い人にも原作をプレイしてもらいたいという想いが強くなりました。
さらに『FFVII 』登場時、それまでのドット絵を中心とした2Dから、初めて「3D」によってFFの世界観を表現したことで多くのユーザーに「衝撃」を与えたことも、今に続く人気の背景にはあります。
その当時味わった「衝撃」を、今の世代の人たちにも同じように味わってほしい。
そこで今回制作する『ファイナルファンタジーVII リメイク』は、20年前の『FFVII 』をなぞって作るのではなく、FFシリーズの最新作である『ファイナルファンタジーXV』を超える最新技術を惜しみなく投入することで、新たな衝撃を届けたいと考えています。

新しいモノを作り続けることがFFの宿命。
その上で『FFVII』の持つ魅力を伝えたい


25年以上『FFシリーズ』に関わってきましたが、どの作品に関しても常に新しい試みをしてきました。『FFシリーズ』に関わる者にとってそれは一つの宿命です。

一方、今回制作する『ファイナルファンタジーVII リメイク』は、これまでのようにゼロから創り上げるのではなく、多くのファンが思い描く『FFVII』が持つ世界観を大切にする必要もあります。このように新しいモノづくりに挑戦しつつ、一方で『FFVII』に対してファンが大事にしてきた想いを壊してはならない。この大きなギャップをいかにして埋め合わせていくかが今回、最大のハードルになると考えています。

でも私自身の思いとして、制作に関わるメンバーに対しては自由にやりたいことをやってほしい。実は長年FF制作に関わっている私よりも、若手の制作メンバーの方がはるかに「『FFシリーズ』30年の歴史を背負う」「FFVIIをリメイクする」ことのプレッシャーを感じているように感じます。

しかしながらこれまでの『FFシリーズ』制作を振り返ってみると、私を含めた制作メンバー全員が、ただがむしゃらに作り続けてきただけ。その積み重ねの結果が今なので、今回のメンバーに対してもがむしゃらな思いを正直にぶつけてくれれば、きっと理想のゴールに近づけると信じています。

例えば『FFVII』をリメイクする上でファンが大きな関心を抱くものの1つに「主人公クラウドが女装するシーンを、今の最新技術でどう表現するのか」という点があります。
きっと一人ひとりのファンそれぞれがクラウドの女装した姿を想像されていると思います。しかしその想像や期待に応えるだけではなく、「自分だったらこうしたい」という強い思いを持ちながら、ファンの期待を超えていくようなチャレンジがFFらしさなのかな、と思っています。
そして私の役割はプロデューサーとして、制作現場が過度なプレッシャーに委縮しないような環境づくりだと思っています。

『FF』だからこそ可能なチャレンジがある。
自分の得意分野で、ゲーム作りの熱い思いをぶつけてほしい

『ファイナルファンタジーVII リメイク』は、技術的な検証を数多くこなしていく必要があるため、プランナー・デザイナー・プログラマーそれぞれのポジションにおいて現在、新しいメンバーを求めています。

人それぞれ得意分野があると思いますが『ファイナルファンタジーVII リメイク』の場合、かなり大きな規模で制作を進めているので、その中で特定のポジションやテーマに特化して活躍できるチャンスがあります。

例えばプログラマーの場合、AIに興味があれば、「敵キャラクターのリアルな動きを、AIによって実現したい」といった思いを追求し、クオリティを高め続けていくチャレンジが可能です。
またデザイナーやプランナーも含め、自分の得意分野を『FF』という広大なフィールドで自由に生かせるチャンスがあります。

その上で私がこれから入る方に期待するのは、「面白いゲームを作りたい」という強い意思と高いモチベーション。「自分が『ファイナルファンタジーVII リメイク』を作るなら、絶対にこうしたい!」という思いを、私たちに遠慮なくぶつけてくれることです。既に制作に関っている多くのメンバーも各自、そうした思いをぶつけながらチャレンジしています。

私たちと一緒に、世の中に新たな衝撃を与える『ファイナルファンタジーVII リメイク』を生み出していきましょう。

作品情報



■『ファイナルファンタジーVII リメイク』ティザーサイト
http://www.jp.square-enix.com/ffvii_remake/

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