デザインコンサルティングのトリニティ株式会社と、当社(クリーク・アンド・リバー社)は、経済産業省・中小企業庁による「令和元年度補正予算 大企業人材等の地方での活躍推進事業補助金」対象事業として採択されました。
このプログラムは、これまでトリニティ社が行ってきた「デザイン思考」や「デザイン経営」をベースに、高度デザイン人材に必要な実践型教育プログラムを行い、当社が地方・中小企業での人材活躍を推進するためにキャリアカウンセリング、その後の支援を行うものです。
今回はその運営の実績を紹介し、次年度以降の活動に繋げていく予定となっております。
- 社内で、副業で、地域や社会で。クリエイティブ人材自らが、未来の働き方を模索する機会を
- 「高度デザインブリッジスクール Powered by トリニティ」の特長
- 地方企業での実践体験(フィールドワーク)で得られたもの
- 次回開催について
社内で、副業で、地域や社会で。
クリエイティブ人材自らが、未来の働き方を模索する機会を
人生100年時代、さまざまな場所・業種で「働き方」や、「働く意味」そのものが問われ直されています。デザイナーや企画・開発といったクリエイティブにかかわる皆さんもそれは同じ。社会とこれからどう向きあうか、ジブンをどう活かしていくか。特にビジネスや社会において「デザイン」の持つ意味が広義に捉えられるようになったいま、人生の新しい選択肢を自分たちの手で「デザイン」できるチャンスと捉えることができるのではないでしょうか。
デザインコンサルティング会社のトリニティは、これまで「デザイン思考」「デザイン経営」を推進してきた知見や人的ネットワークを活用し、大手企業のインハウスデザイナー、クリエイティブ組織所属の方と共に「クリエイティブ人材が自ら次の働き方を模索していく」ための新しいプログラム「高度デザインブリッジスクール powered by トリニティ」を開発、2020年10月からスタートしました。
これまでクリエイティブ人材として養ってきた創造性を、ビジネスや社会全体の「創造」に活かしていく。単なるスキルアップではなく、クリエイティブの価値を見つめ直しほんの少し拡張して、高度デザイン人材として「今の仕事に活かす」、「組織内での活動領域をさらに拡大」する、「副業」制度を活用して地域や社会に貢献する――そんな機会を通して「智」や「ひと」を社会に流動させ、よりよい未来をリアルに創り上げていくことを目的としています。
「高度デザインブリッジスクール Powered by トリニティ&クリーク・アンド・リバー社」の特長
クリエイティブ人材ならではの思考法+αを伸ばし、自ら学びとるプログラム設計
「実際に地方や中小企業に出向いた際、信頼関係を築いていくにはどうしたらよいのか」
「経営者の考えを読みとり、また自分の考えを伝えるために必要なことはなにか」
「デザイン思考をデザイナーではない人々に上手く伝えるためにはどうしたらいいのか」
「ブリッジスクール」のカリキュラムは、新しい知識を一方的に学ぶというものではありません。参加者それぞれが持つクリエイティブ人材としての視点や経験をさらに拡張し、発揮するために必要な「+α」なきっかけやマインドを、ユニークな経歴を持つ講師陣・参加者と共に気づきあい、学び取ることをめざしたプログラム設計になっています。
プログラム概要
プログラムは2ステップ構成。[STEP1]で講義とワークショップを実施、[STEP2]では希望者を対象に実際に地方企業に赴き、社員の方と共に課題を解決していく「フィールドワーク」を行いました。
【STEP1】高度デザインブリッジスクール(オンライン)
講義+ワークショップ形式
第1日目
○講義:「地方での高度デザイン人材活動事例Ⅰ」
(講師)蓮見 孝 氏 / 筑波大学・札幌市立大学名誉教授
(内容)講師自らの体験・実例を通して、地域に入っていく際のポイントやマインドの持ち方等を学ぶ。
○ワークショップ:「デザイン思考習得講座」
(ファシリテーター)米山良明氏 /トリニティ株式会社 デザインリサーチャー
(内容)デザイナーの思考法を体系として学ぶことで、新たな気づきや人に伝える際のヒントを得る。
第2日目
○講義: 「コミュニティデザイン」
(講師)原 亮 氏 / エイチタス株式会社 代表取締役
(内容)「地域」ならではのコミュニティデザインに関する基本的な考え方を理解する。
第3日目
○講義:「地方での高度デザイン人材活動事例Ⅱ」
(講師)加藤 公敬氏 /公益財団法人日本デザイン振興会 常務理事
(内容)「デザイン」が時代と共に進化してきた流れを整理し、今とこれからの役割を理解する。
○ワークショップ:「ビジョンデザイン(経営デザインシート)」
(ファシリテーター)兵頭 武信氏 /トリニティ株式会社 デザインプロデューサー
(内容)「経営デザインシート」を活用し経営者やキーパーソンとビジョンを描き共有する方法を学ぶ。
第4日目
○講義:「ビジネスデザイン」
(講師)平野幸司氏 /株式会社idealShip代表取締役
(内容)事業アイデア以上に重要ともいえる「実現までの過程設計」について方法とポイントを学ぶ。
第5日目
○ワークショップ:「サービスデザイン/UXデザイン」
(ファシリテーター)北澤 順子 氏/Dia-Log Japan代表、愛知県立芸術大学非常勤講師
(内容)誰もまだ見えていない「未来」を描き、問いをたて、答えを共創する過程を体験する。
第6日目
○講義:「テクノロジー(テクノロジートレンド)」
(講師)兵頭 武信氏 /トリニティ株式会社 デザインプロデューサー
(内容)自らの専門分野以外のテクノロジートレンドを俯瞰し、未来を構想する素材とするコツを学ぶ。
第7日目
○ワークショップ:「ファシリテーション」
(ファシリテーター)原 亮 氏 / エイチタス株式会社 代表取締役
(内容)共創の具体的な手段としてワークショップを活用できるようファシリテーションスキルを学ぶ。
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【STEP2】
地方企業での高度デザインプログラム(フィールドワーク)
参加者のうち4名が実際に企業に赴き、ファシリテーターとして企業の課題に取り組みました。
<フィールドワーク実施企業>
○埼玉県 入曽精密株式会社 世界トップクラスの切削技術を持つ企業
「企業価値創出ワークショップ」 ワークショップ実施 半日×4回
http://www.iriso-seimitsu.co.jp/
○千葉県 株式会社秋葉牧場 成田ゆめ牧場を運営する酪農事業会社
「新規事業創出のためのワークショップ」視察1日、ワークショップ実施2日
https://www.yumebokujo.com/
参加者が地方企業での実践体験(フィールドワーク)で得られたもの
この「ブリッジスクール」で特に注目したいのは、学んだことを実践する「フィールドワーク」が盛り込まれているということ。
実際に、スクールに参加を希望する参加者からも「方法論などは自分でも学ぶことができるが、リアルな場面で本当に発揮できるかは不安(金融/UXデザイナー)」「デザイナーとして1社でずっとやってきた。果たして他の会社で自分の考え方が通用するのか(オフィス機器メーカー/デザイナー)」というリアルな声も届いていました。
そこで、トリニティではスクールの参加者と共に『フィールドワーク』の実施に挑戦。「講義+ワークショップ」で学んだあと、実際の地方企業に赴き、企業が抱える課題を参加者がファシリテーターとなって社員の方々と共に「デザイン」の視点を活かしながら解決をめざしました。
ファシリテーションを体験した参加者からは「異なる会社のクリエイティブ人材と一緒に取り組むことで、自分のものの考え方や視点を再確認することができた」「相手の会社の社員の方々とどう関係性をつくっていくか、ということの重要性が理解できた」という感想がありました。
また、今回「フィールドワーク」を実施していただいた企業からは「デザイン思考というといままでモヤッとしていたがその有用性が実践的に理解できた」「いままで取り入れてきた研修とは違った学びがたくさんあった」「具体的にカタチにしていきたいアイデアもたくさん得られて、今後も続けていきたい」との声が寄せられました。
参加者が、新しい一歩をリアルに踏み出す「自信」を得られたとともに、自らの「課題」も見つけられた貴重な体験でした。
参加者の声(参加者アンケートより抜粋)
UIUX デザイナーやウェブディレクターとして働きアプリ開発の楽しさを経験しました。副業を通じて社会に役に立つデザインやサービスに貢献できたらと思っています。(金融会社勤務)
ビジネスにおいてデザイン思考の重要性が高まっており知識習得したいと考えています。社内ではリカレント教育を担当しており学んだことを社内にフィードバックしたい。(商社勤務)
商品パッケージデザインを手掛けており、この度の機会に永続するデザインの視点を経営陣との相互理解のために役立てたいと思っています。(化粧品メーカー勤務)
デザイン思考、UXデザイン、ビジネスデザイン、等を地方創生ソーシャルデザインにからめながら、実践経験のある先駆者の方のお話しを聞くことでオーバビューできたことが良かった。(自動車メーカー勤務)
特に教育や文化作りの領域で今回の学びを生かした活動を行いたい。(オフィス機器メーカー勤務)
社内でデザイナーに求められる能力範囲が急に拡大してきており、受け手であるデザイナー側の能力が追いついておらず、数人の「できる人」にリクエストが集中してしまっています。「できる人」を増やしていかないと、デザイナー入れたけど思ったより良くなかったと周囲にがっかりされてしまったり、声がかからず経験を積めない人としょっちゅう呼ばれて知見が蓄積しまくる「できる人」との格差が広がったり、でさまざまな問題が深刻化することを心配しています。「できる人」を増やす上でとても効果的なプログラムだったと思います。(飲料メーカー勤務)
次回(第2期)開催について
次回開催は2021年を予定いたしております。
2020年度の実施報告レポートや、2021年の開催についての情報提供をご希望の方は下記のフォームからご登録ください。
高度デザイン ブリッジスクール powered by トリニティ インフォメーション 受付
https://form.run/@trinityshare–1608520906
本プログラムについてのお問合せ先
本プログラムに関するお問い合わせは、
以下の担当までメールにてお問い合わせ下さい。
担当 株式会社クリーク・アンド・リバー社 三木
creek_highclass@hq.cri.co.jp