アプリ市場データを提供するApp Annieは、調査ブログ『2018年のアプリ市場を見通す10のポイント』を発表しました。
2018年、AppleのiOSAppStoreとGooglePlay(旧AndroidMarket)が10周年を迎えます。アプリは現在、小売、銀行、旅行、ファストフード、消費財、メディアとエンターテインメントなど、ほぼすべての業界で重要な役割を果たしており、現在も新しいアプリがどんどんリリースされています。
年々拡大し続けるアプリ市場について、3つのトピックをご紹介します。
アプリストア全体の消費者総支出額:全世界で10兆円を突破
世界中でアプリ市場の成長が続くなか、アプリのマネタイズが拡大を続けています。
2018年には、世界の全モバイルアプリストアを合計した消費支出が前年比でおよそ30%増加し、1100億ドル、日本円で10兆円を突破する見込です。
支出の大半を占めるのは、やはりゲームです。しかし、ゲーム以外のアプリは2018年、支出に占める割合が増加し、増加ペースがゲームアプリを上回るでしょう。この変化は、主にサブスクリプションによってもたらされているもので、アプリ市場の成熟化が進み、アプリがユーザーに提供する価値が高まっていることを強く示しています。
サブスクリプションとは?
月額・年間料金を支払うことで利用できるサービスのモデルです。
「Netflix」「ニコニコ動画」「ルナルナ」などがサブスクリプションモデルの一例です。
小売業はモバイル中心へと躍進
モバイルは近年、小売業においてますます中心的な役割を担うようになっています。
主に実店舗内で買い物をする際のツール(価格、商品情報、レビューなど)からスタートしたモバイルは、今やそれ自体でショッピングを完結できるチャネルになりました。加えて、従来の実店舗型の小売業者が、さらに発展させるためにアプリを採用しています。
こうした動きは、店舗での買い物・自宅での買い物・商品の配達など、あらゆる次元に影響を与えています。
2018年には、こうした変化のために消費者の買い物習慣が変化して、小売店と消費者の関係が見直されるだけでなく、既存の小売チャネル(モバイルアプリ、ウェブ、実店舗など)の存在意義さえ変化し始めると考えられます。
例えば中国で見られるように欧米市場でも、モバイルで購入した商品の受取場所として実店舗が使われるケースが増えるでしょう。また、精算や支払いの処理に長い間使われてきたレジの役割が縮小し、場合によってはモバイルに置き換えられるでしょう。
これから数年の間に、信頼、価値、利便性といった最も重要な要素に対する人々の期待が少しずつ高まり、ついには小売の新しいパラダイムが生まれるときが来るものと思われます。購入チャネルにかかわらず、モバイルは今後も、多くの消費者にとってショッピング体験の中心となるでしょう。
ファイナンス関連アプリ:個人間送金アプリで決済がさらに多様化
米国で人気のVenmoなどの個人間(P2P)送金アプリは、フィンテックの中でも目立つ存在でしょう。P2P送金アプリは現金や小切手に取って代わり、ミレニアル世代を中心とする消費者の支払い方法を一変させました。
2018年にはそのサービス範囲を拡大することで、収益機会を増やし、従来の銀行との競争激化に対抗し、ユーザーエンゲージメントの強化を図るとみられます。そして、オンライン振込やサードパーティー決済の成長が、P2P送金アプリの取引量を増加させるでしょう。
特にサードパーティー決済は、小売業者や販売業者が支払いオプションに採用していることが追い風になっています。このようなサービスは、さらなる利便性をもたらすことから、ユーザーには好意的に受け止められています。
またこの分野には、メッセージングやソーシャルネットワーキングなど、自社の大きなユーザー基盤に対するサービス、マネタイズ、エンゲージメントの新たな手法を常に模索している他のカテゴリーから、成功企業の参入が増えることが予想されます。なかでもWeChatは、多くのユーザーにとって、中国におけるサービス配信チャンネルの定番であり、様々な目的を実行するための拠点であることから、固有の地位を築いています。
まとめ
アプリ市場は誕生から10年の間に大きく発展しましたが、それでもポテンシャル全体でみれば、ほんの序章にすぎないことが述べられています。
アプリに対する期待の高まりによって、開発者によるイノベーションと技術進化はさらに加速すること。他の手段でも実行できる活動をなぞるだけのアプリでは、ユーザーはもはや満足しないことは、アプリ開発において重要なポイントです。
アプリ市場の次の10年間を担うスタートを切ってみてはいかがでしょうか。
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