一般社団法人ウェブ解析士協会が毎四半期発表する「SNS流行語ランキング」。2024年第3四半期(7~9月)分の結果が明らかになり、今年はスポーツ関連やネット配信ドラマの流行が際立った。以下、1位から10位までの言葉とその背景を詳述する。
1位 50-50(大谷さん) 大谷翔平が2024年にロサンゼルス・ドジャースへ移籍後、右肘手術を受けながらも驚異的な記録を樹立。8月に「30-30」を達成し、9月20日にはMLB史上初となる「50-50」(本塁打50本・盗塁50個)を記録。SNSでは7.2万件以上の投稿が寄せられ、大谷の活躍に祝福が相次いだ。彼の成績は最終的に54本塁打、59盗塁となり、この快挙が1位に選ばれた。
2位 無課金おじさん パリオリンピック射撃競技で銀メダルを獲得したトルコ選手ユスフ・ディケチが「無課金おじさん」としてSNSで話題に。特別な装備を持たずに耳栓だけで挑む姿が、ゲーム界の「無課金プレイヤー」に例えられた。ファンアートも多く描かれ、本人もSNSで反応。動画は2703万回再生されるなど大きな盛り上がりを見せた。
3位 地面師たち 新庄耕の小説を原作としたNetflixドラマ『地面師たち』が7月に配信開始。土地詐欺を題材にしたストーリーとリアルな描写が視聴者を引きつけ、SNSでは作品のせりふやシーンが次々とパロディ化されて話題に。犯罪ドラマとして強烈なインパクトを与えた。
4位 しかのこのこのここしたんたん おしおしおのコメディー漫画『しかのこのこのここしたんたん』がアニメ化され、7月から放映。公式アカウントによるユーモアたっぷりの宣伝や、TikTokでのダンスチャレンジが流行。オープニング曲「シカ色デイズ」のイントロがSNSで繰り返し再生され、ファンの間で広がりを見せた。
5位 はいよろこんで/ギリギリダンス こっちのけんとの楽曲「はいよろこんで」が5月にリリースされ、TikTokで260万件以上の動画に使用されるなど爆発的な人気を博した。特にギリギリダンスはキャッチーな振り付けとともに大勢のユーザーが参加し、公式MVは再生数1億回を突破した。
6位 SHOGUN 将軍 ハリウッドで制作された日本の戦国時代を舞台にしたドラマ『SHOGUN 将軍』が、エミー賞で18部門を受賞し話題に。主演を務めた真田広之の評価も高く、日本国内でもDisney+で配信された。SNSでは日本人俳優が国際的に評価されたことへの称賛があふれた。
7位 アザラシ幼稚園 オランダのアザラシ保護施設「Zeehondencentrum Pieterburen」の様子がYouTubeでライブ配信され、ホカホカ通信がSNSで「アザラシ幼稚園」と名付けて紹介したことで人気が急上昇。スパチャが1週間で1000万円を超え、国際的な善意の輪が広がった。
8位 ブレイキン パリオリンピックで新競技として採用された「ブレイキン」で、日本の湯浅亜実が金メダルを獲得。SNSは祝福の声であふれ、41歳の福島あゆみの奮闘も「40代の星」として多くのユーザーに勇気を与えた。
9位 ニコニコ復活 ランサムウェア攻撃により停止していたニコニコ動画が8月に再開。サービス復活の際には「伏線回収」としてユーザーの間で話題に。再開記念イベント「ニコニコ超復活祭」も大きな成功を収め、SNSで盛り上がりを見せた。
10位 UCHIDA1 DJ銀太とおだけいによる楽曲「UCHIDA1」が7月にリリース。日本に約25万人いる「内田さん」を鼓舞する曲としてSNSで広まり、「UCHIDAチャレンジ」などの投稿が急増した。ダンスや面白動画に合わせた流行が拡大している。
2024年第3四半期は、スポーツ関連の言葉が目立ち、特にオリンピックでの日本人選手の活躍がSNSでも広がりを見せた。また、ネット配信ドラマの人気や、動物保護活動の話題など、バラエティに富んだランキングとなった。次四半期の結果にも注目が集まる。