GMOインターネットグループ(代表:熊谷正寿)は、現代美術の巨匠ジュリアン・オピーによる代表作《People 14.》を、2025年に開催される大阪・関西万博にて初公開すると発表した。
本作は、世界最大級のオピー・コレクションを有するとされる熊谷氏が所蔵するもので、現在は同社の本社エントランスに常設展示されている。大阪・関西万博での展示にあたり、アーティスト本人と協議を重ねたうえで、屋外展示に適した新たなディスプレイが特別に制作された。
《People 14.》は2014年に制作されたLED両面ディスプレイ作品で、ミニマルな線と色彩によって表現された人々が歩いたり瞬きをしたりする「動く肖像画」。静的な肖像画に微細な動きを加えることで、人間の姿を都市の風景に溶け込ませながらも象徴的に映し出す。
展示は、2025年4月13日から10月13日までの万博開催期間中、エンパワーリングゾーン内オーストリアパビリオン隣にて行われる。
今回の出展は、「アートを通じた社会貢献」を掲げる熊谷氏の理念に基づくもので、GMOインターネットグループでは「デジタル社会におけるアートの価値再発見と多様な文化の共生促進」をテーマに掲げている。
熊谷氏は、オピーの作品について「複雑な人間の姿を、驚くほどシンプルに表現している」と語り、インターネットという複雑なシステムが「0」と「1」という単純な要素で成り立っている点に通じると強調。「本物・本質が問われる時代にこそ、真のアートとの出会いが重要」との想いから、オフィスや美術館での常設展示、今回の万博出展に至ったという。
GMOインターネットグループでは、渋谷の本社を「GMO Gallery」として位置づけ、オピー作品の常設展示を行っているほか、渋谷フクラス内には「バンクシー展 GMOデジタル美術館 東京・渋谷」も運営し、一般に向けたアート公開を積極的に進めている。
万博という国際舞台でのアート展示は、同社にとっても、訪れる多くの来場者にとっても、感性と創造性を育む貴重な体験となることが期待される。