株式会社ニコンは4月8日、フルサイズ/FXフォーマットのミラーレスカメラ「ニコン Zf」用の最新ファームウェアVer.2.00を公開した。2023年10月の発売以来、初の大型アップデートとなる今回の更新では、上位モデルである「ニコン Z9」や「ニコン Z6III」に搭載された機能がZfにも追加され、カメラとしての性能と利便性が大きく向上した。
主な変更点のひとつは、同社のクラウドサービス「Nikon Imaging Cloud」への対応である。これにより、パソコンやスマートフォンを介さずにファームウェアの自動更新が可能となり、画像の自動転送や「イメージングレシピ」の活用など、クラウド連携を活かした多彩な映像表現が可能になる。「イメージングレシピ」は、プロのクリエイター監修による設定をダウンロードし、撮影に活用できる機能で、最大9個までカメラに保存できる。
被写体検出機能には、新たに「鳥」専用モードを追加。これにより、小型の野鳥や飛翔中の鳥、背景が複雑な環境下でも高精度な認識と追尾が可能となり、野鳥撮影愛好家のニーズに応える仕上がりとなっている。
さらに、単焦点レンズでもズーム撮影を可能にする「ハイレゾズーム」機能も搭載された。フルHD解像度時に最大2倍相当のズームが行えるこの機能は、動画撮影において表現の幅を広げる。ズーム速度は11段階から選択可能で、Fnリングやコントロールリングへの割り当てもできる。
マニュアルフォーカス撮影時の使い勝手も改善された。ライブビュー中の拡大表示倍率が最大400%まで引き上げられ、より細かなピント合わせが可能に。さらに、マニュアルモード使用時でもコマンドダイヤルにISO感度や露出補正の設定が可能となり、非CPUレンズ使用時には絞り値をExif情報として記録できる機能も追加された。
ニコンは今後もファームウェアアップデートによって製品を継続的に進化させ、ユーザーの撮影体験をより豊かなものにするとしている。