――クリエイターのスキルと企業の求める能力をマッチングし、人材を紹介・派遣しているクリーク・アンド・リバー社(以下、C&R社)。近年、動画配信などコンテンツ配信事業が大きく成長する中で、C&R社の人材を多く採用している株式会社TBSグロウディアのコンテンツ事業本部本部長、岡部一彦さんにお話を伺いました。C&R社のサービス内容や、両社の連携体制について詳しくご紹介します。――

――御社の業務内容を教えてください。

TBSグロウディアは、TBSグループの7社が合併してできた企業で、多岐にわたる事業を展開しています。放送に関わるIT事業、イベントやラジオ番組の制作事業、番組公式グッズ、通販番組の制作等のショッピング事業などがあり、私が本部長を務めるコンテンツ事業本部では、映像コンテンツの配信、DVD制作、コンテンツの企画制作、国内外への番組販売などを手がけています。

――C&R社から派遣されているスタッフの皆さんは、どのような業務に携わっているのでしょうか。

現在、合計16名の方にご活躍いただいています。私が管轄するコンテンツ事業本部のコンテンツ配信の部門に12名、内10名が配信の運用、2名は権利処理業務の担当です。そして、DVDやBlu-rayのパッケージ制作業務に2名携わっています。残り2名は、IT事業本部で、インターネットモバイル関連の事業を担当しています。配信関連の仕事はデスクワークが多いものの、番組の編成や制作の知識が必要になるため、そうした現場の経験者の方が多く活躍しています。

慣れない派遣スタッフのマネジメントをC&R社のサポートで軌道に乗せる

――C&R社との連携は、いつ頃、どんなきっかけで始まったのでしょうか。

2022年4月、TBSからコンテンツ配信事業が当社に委託されることになって、もともと事業に携わっていたチームの方々が当社に移ってこられました。その中に、C&R社さんから派遣された方が1名いらっしゃって、その営業担当者である山下さんとの連携が始まったのです。既存のチームが引き続き運営にあたったので、業務自体には大きな混乱はなかったのですが、委託された当社はマネジメント面で迷うところが多くありました。配信の需要が高まる中、増員も必要でしたし、C&R社さんをはじめ人材関連企業の方々には本当にお世話になりました。

――C&R社には、どのようなオーダーをされたのですか。

今現在も多数の方にご協力いただいている、配信の運用とそれに伴う権利処理のスキルのある人を特に探していました。山下さんとは毎週のように多面的な相談をさせていただきました。「こういう人材を」というお願いはもちろん、派遣していただいた皆さんが働く上で問題ないか、ということも中心的なテーマでした。私は部署を率いる立場でしたが、それまでは社員とともに進める業務が圧倒的に多く、スタッフの皆さんへの接し方に慣れていなかったんです。派遣スタッフの皆さんとの関わり方も、山下さんを通して勉強させていただいたと思っています。

包み隠さず情報共有したことで、期待以上の提案が得られた

――弊社・山下と、密なコミュニケーションをとられた結果、2022年春から2年半ほどで、C&R社からの人材が1名から12名に増加したのですね。

そうですね。山下さんに限らず、派遣会社の皆さまとは、何でも言い合える関係をつくるようにしています。その中でも山下さんは特に信頼の置ける方なので、「デジタルコンテンツ部」立ち上げ当初から現在に至るまで、ずっと頼っています。たとえば、今、班の中心で活躍されている非常に優秀な方がいらっしゃいますが、その方は、以前、別の放送関連の職場で上手くマッチングしなかったのだそうです。どういう状況でなぜうまくいかなかったのか説明を受けた上で、採用させていただきましたが、真面目にコツコツと頑張る方で、スキルをどんどん伸ばして権利処理の仕事も覚えたいと、大変前向きに取り組んでくださっています。懸念されることを含めて詳しくお伝えいただくことで、その人に合った仕事、働き方でアサインすることができています。山下さんには「誰かいい人がいたらぜひ紹介してください」と常にお願いしていて、徐々にC&R社さんからのスタッフさんが増えていきましたね。紹介人材の不利な点を包み隠さず話してくださるだけでなく、私の無茶なオーダーに「そんな都合の良い人はいませんよ」とはっきり伝えてくださることも助かります。顧客に対して言いにくいことも、きちんと言ってくれる人は貴重です。

――コミュニケーションがうまく行っていることが最大のポイントですか。

山下さんに頼りたくなるポイントとしては、もちろんそこは大きいです。でも、いちばん感心したのは、こちらの期待以上のレスポンスがあることです。山下さんは派遣のスタッフさん方との面接を通して、当部署の業務内容をしっかり把握してくださっていて。私の方からもご説明はしていますが、それ以上にきめ細かく理解してくださって、「この方は、こちらの業務の方が向いているんじゃないですか」というご提案もいただくのです。おかげでスムーズに適切な人材配置ができて「山下さんは、うちの部署で働いていたんだっけ?」なんて冗談も飛び交っているんですよ(笑)

個々のスタッフが成長できる、働きやすい職場環境づくり

――時短勤務の方も採用していらっしゃるそうですね。

はい。小さいお子さんを育てていると、出産前と同じように働けず放送の現場に戻れないという方がいらっしゃるんですね。放送業界では時短勤務は珍しいですし、最初に山下さんから時短勤務希望の方を2名紹介されたときは迷いましたが、テレワーク中心の業務で限られた時間の中での出力が大変高く、採用して正解でした。こうした経験を経て、時短勤務の方の働きやすい環境もつくられ、子育て中の時短スタッフの方が増加しています。働く時間などで制限があっても、経験や技術のある方、前向きに取り組んでくれる方を優先するように心がけています。

――時短勤務の人も働きやすく、派遣スタッフの方の働く環境整備をしっかりされているようですが、どんなことを心がけているのでしょうか。

基本体制として、皆が常に80%程度の出力を保って働けるように考えています。繁忙期でも100%を超えないような調整が理想ですね。配信事業は今伸びている分野であり、想像以上に状況がコロコロと変わります。状況の変化に対し「マンパワーで何とかする」ことはしないように心がけていて。そのためには、現場からの増員のオーダーもざっくりした内容では受けないようにしています。どの部分にどんな人員が足りないのか班長から具体的な情報をもらって、山下さんへは、やってほしい業務内容、必要なスキルはもちろん「こういう負担がかかるかもしれない」という見込みも伝えます。そうすると各現場にマッチした方に来ていただく可能性が上がるので。人が足りないからと、最初にお伝えした業務以外の内容をなしくずし的に頼むことがないように、現場と話して状況把握をしており、その努力のおかげか、当部署は非常に離職率が低く、各派遣会社の皆さまからも驚かれます。

――放送業界で、それだけの働きやすさを実現しているのは素晴らしいですね。

実は、多くの派遣スタッフの方とお仕事をした経験がなかったため、部署立ち上げ当初はミスマッチが起こってしまったこともありました。根本的に考え方を変えないといけないと、マネジメント方法は試行錯誤しつつ工夫してきました。派遣スタッフの方々が成長できる環境をつくることも心がけています。せっかく今伸びている分野の現場に来てくれたのだから、仕事をこなすだけでなくご自身の成長に結びつけてほしいという思いがあり。もちろん、ご本人の希望を考慮しますが、派遣スタッフの方にも積極的に責任のかかる仕事を任せたいと思っています。

――社員の方に近い仕事を任せていきたい、ということですね。

そうですね。社員と同じように、ローテーションで他の班の仕事を覚えてもらいたいし、希望の場所に配置替えをしてみたいです。個々の能力が上がれば、組織全体が強くなっていくものですから、私たちにとっても利点のあることなのです。私が派遣スタッフの方と直接面談する機会を設けて率直に話してもらえるようにも意識していますね。山下さんとは、班の構成変化等、現場の状況を逐一共有し、スタッフの方々が困ることがあれば一緒に解決できるような関係を築けています。

放送から配信にシフトする中、業務の幅はさらに広がっていく

――配信業界は非常に伸びているということですが、就業領域としての魅力も教えてください。

2022年4月にTBSから事業を委託された時、TVerでの配信エピソード数は月に400〜500本でした。現在は多い時には月に1,400本と、2年半程度で3〜4倍になっています。無料配信だけでなく、U-NEXT、Netflix、Amazon Prime Video等の有料プラットフォームもあり、幅広い層にコンテンツを届けられる仕事です。今後、放送から配信に重点がシフトしていくと予想されており、できることはどんどん増えていくでしょう。権利処理の仕事も含めて配信まわりの仕事についての知識を持っている人材のニーズは高まっています。ここで知識をつければ、他局でも活躍できると思います。

――C&R社への要望も聞かせてください。

求める以上のサポートをしてくださっていますから、引き続き一緒に配信領域を盛り上げていければ、と思っています。配信数が3〜4倍になったと言いましたが、増員は2倍程度です。2年半の間に個々の力が上がって、より効率的に仕事を進められるようになったからであり、山下さんが素晴らしい人材を紹介してくださった功績が大きいと考えています。他部署で「人が足りない」という声を聞いた時には、山下さんを紹介していて。今後も全社的にご協力いただければ嬉しいです。

――最後に。今後のヴィジョンを教えてください。

TBSの配信事業の中心を担っていきたいと考えていまして、業界では人材の獲得合戦も激しくなっていますから、働きやすい職場環境を引き続き整えていくつもりです。TBSグループ全体でグローバル分野の強化が目標として掲げられており、コンテンツ事業本部が長らく携わってきた海外向けの販売事業にも力を入れる計画で、増員も考えています。また、映画やドラマの制作出資等、ものづくりの事業もあり、韓流に関わる人材も増やしたいですね。C&R社さんとのタッグを更に強化して、業界全体を盛り上げていきたいです。


クリーク・アンド・リバー社 担当・山下より
先進的な職場環境が整えられ、安心して人材を紹介できる
TBSグロウディア様のコンテンツ事業本部は、放送業界でも先進的な働きやすい職場環境を整えていらっしゃる現場です。人材補充のご希望では繁忙期の到来を見越して早め早めにご相談くださり、業務内容を具体的に示してもくださるので、的確に無理なく人材のご紹介ができています。派遣スタッフの方々には岡部本部長自ら向き合ってくださり、スタッフからも手厚いコミュニケーションを取ってもらえて安心できるという声が上がっています。情報の共有や細かいところまで話し合える環境の整備により、私も一緒に現場をつくる意識で取り組めていることが有り難いです。従来の業務はもちろん今後の新しい挑戦にも引き続き協力できれば嬉しく思います。

 

人材の採用・育成において、何かお困りのことがございましたら、クリーク・アンド・リバー社にご相談ください。豊富な実績とノウハウに基づいた人材紹介で、貴社の課題解決をサポートします。


クリーク・アンド・リバー社に人材の相談をする


インタビュー・テキスト:あんどう ちよ/撮影:SYN.PRODUCT/