株式会社trescoが手掛けた映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』が7月26日に公開された。この映画で、フラワーアーティストのTAKAI YOSHIKOが担当した劇中の花装飾が話題となっている。本記事では、その制作過程を詳しく紹介する。
©2024「もしも徳川家康が総理大臣になったら」製作委員会
歴史と現代が交錯する花装飾の創造
TAKAI YOSHIKOの花装飾は、映画のテーマやキャラクターの背景を深く理解するところから始まる。『もしも徳川家康が総理大臣になったら』では、歴史的な要素と現代のデジタルエッセンスを融合させた斬新な演出が求められた。
特に注目すべきは、映画のハイライトとも言える総理官邸のシーンだ。熱海の竹林から切り出された竹と、あせびやヘルコニアといった繊細な花々のコントラストが見事に映える。TAKAI YOSHIKOは、自ら竹林に入り、竹の選定から切り出しまでを行った。この過程は、作品に込められた想いを形にするための重要なステップだった。
枯盆栽が描くバーチャル感
総理大臣の執務室のシーンでは、特に注目すべき独創的な演出が施されている。TAKAI YOSHIKOは、かつて友人宅で見かけた枯盆栽の美しさに着想を得て、バーチャル感を強調するためにあえて枯盆栽を使用することを決めた。この枯盆栽を通じて、時の流れや自然の厳しさを表現し、シーンに一層の深みを持たせている。
細部に宿るプロフェッショナリズム
撮影が長引くこともある現場では、花の管理や配置に細心の注意が払われる。花の鮮度を保つための温度や湿度の調整など、TAKAI YOSHIKOとそのチームはプロフェッショナルならではの技術で臨んでいる。映画の世界が現実となる瞬間を支える彼らの努力が、画面に映し出される美しい花装飾を支えている。
映画制作における花装飾は、単なる背景に留まらず、物語を豊かに彩る重要な役割を担っている。TAKAI YOSHIKOが創り上げた唯一無二の花空間が、映画を見た人々の心に深く刻まれることを願っている。
映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』は、ストーリーだけでなく、その背景に広がる世界観もぜひ楽しんでほしい。大きなスクリーンでその魅力を堪能してほしい。