現在、興行収入4億円を超える大ヒットを記録している『ピンクとグレー』の行定勲監督と、黒木華を主演に迎えた実写長編作『リップヴァンウィンクルの花嫁』の公開が3月26日(土)に控える岩井俊二監督。
お2人は、行定監督が助監督時代、岩井監督の『Love Letter』(95)、『スワロウテイル』(96)に参加していたこともあり、20年以上の付き合いで、師弟関係ともいえる間柄です。
この度、お2人の最新作の公開を記念して、『リップヴァンウィンクルの花嫁』×『ピンクとグレー』スペシャルトークショーがApple Store,Ginzaにて開催されました。
当日は、立ち見も出るほど満席の中、岩井監督と行定監督が登場。
岩井監督は、行定監督について「一番優秀で、大切な片腕でしたからね。いなくなってから大変でしたよ。彼はキャスティングが天才的で、連れてくる子がみんないい子ばかりだった。彼の存在は非常に助かっていましたね」と賛辞を送りました。
それに対し、行定監督は「昔、岩井さんに『お前は監督になるんだろうから、それまではうちでやってよ』って言われた一言が、今でも支えになっています」とエピソードを明かしながら「岩井さんは日本映画を変えると思っていたし、今回の『リップヴァンウィンクルの花嫁』でもキャスティングは絶妙ですよね。悔しいです」と、改めて敬意を表しました。
『リップヴァンウィンクルの花嫁』については、岩井監督が「3.11が起こって、そこで何が描けるかを考えて、この作品が生まれました」とコメント。すると行定監督は「絶望の中に幸せって必ずあるというところに胸が打たれましたね。絶望のままじゃいられない。だから小さな幸せを見つける。岩井さんは壮大な何かに繋げようとしているんだと思いました」と想いを伝えました。
公開中の『ピンクとグレー』に関しては、行定監督が「キャストや原作を考えた時、若い子たちが観るだろうと思って、いかに飽きさせずに見せるかを考えました。他がやらないことでこんな映画があるのかって見せたかったし、映画ってこんなに自由でいいんだって思ってもらいたかった」と想いを明かしました。それに対して岩井監督は「思っていたところから一変して、驚いた。あまりにもよくできたトリックでした。ヨーロッパ映画のようなテイスト感で、ビター&スイートな世界でしたね」と感想を伝えるなど、お互いの作品への敬意にあふれた、温かい雰囲気のトークイベントとなりました。
■映画『ピンクとグレー』<上映中>公式HP
http://pinktogray.com/
■映画『ピンクとグレー』監督 行定 勲さんインタビュー
https://www.creativevillage.ne.jp/9534
■映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』<3月26日(土)全国ロードショー>公式HP
http://rvw-bride.com/
(2016年2月12日 CREATIVE VILLAGE編集部)