旅を棲家とする作家 椎名誠さんがコミッショナーを務め、次世代を担う「冒険エッセイスト」を募集した『第1回TANPEN AWARD』の大賞受賞作品が決定しました。
選出されたのは阿部静さんが書いた冒険エッセイ『雪の家』。世界で最も危険な山とも言われる冬の八ヶ岳を旅した経験をショートエッセイとしてまとめたもので、道無き銀世界を突き進む男勝りな一面と、雪の家ではこだわりの食材で生活を楽しむ女性らしい一面がテンポよく描かれています。
著者の阿部さんは、横浜美術短期大学(現・横浜美術大学)を卒業後、美術活動を行う傍ら、“旅人”としてのキャリアをスタートしました。現在では国内外問わず旅に出かけ、山のみならず、孤島などにも足を運ぶ冒険好きのアラサー女子。冒険や旅をテーマにした作品を生み出すには十分すぎるほどの経験と勇敢さの持ち主です。これだけの長さの文章を書き上げたのは初めてだったという阿部さんは「わたしの旅はまだまだ未熟であり、文章もまたそうであると思う。それでも評価していただいたことに感謝し、雪の家での経験を留めて、広大な地図にのびゆく道を目指して歩みを進めていきたい」と喜びを表現しています。
椎名氏は大賞への選出理由について “国内の冬山ではきわめてまれな本格的雪洞やイグルーをこしらえて、そこを寝場所にした旅をしていることに驚嘆した”とコメントしています。
本作は、現在発売中の椎名誠さんプロデュースの雑誌『旅ゆけばヒトモノケモノバケモノと会うとつげき!シーナワールド!!4』に掲載されています。
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尚、『雪の家』は今後、電子書籍制作・配信に加え、英語への翻訳と海外への配信も行う予定です。
(2015年10月21日 CREATIVE VILLAGE編集部)