人気イラストレーター・フジワラヨシト氏が綴ったnoteが、大幅な加筆を経て書籍として刊行された。タイトルは『コネ、スキル、貯金ナシから「好き」を仕事にするまでにやってきたこと』。出版社は文藝春秋、発売日は4月10日である。

本書は、会社員時代の激務でメンタルを壊し、コネもスキルも貯金もない状態から再起を図ったフジワラ氏の実体験をもとにした一冊。「娘の教科書に自分のイラストが掲載される」という夢を叶えた氏の歩みには、現代のクリエイターにとって共感と希望が詰まっている。

書籍では、氏がSNSでの発信力を磨き、ブランディングやマーケティングを駆使してイラストを仕事に変えていった過程を、具体的な戦略とともに紹介している。また、自身がADHDを抱えながらも「弱さを武器に変える」という考え方で活動を続けてきたエピソードは、多くの読者に勇気を与える内容だ。

フジワラ氏は本書について次のようにコメントしている。

「イラストで本当に食べていけるのか」という不安を抱きながら、なんとか知恵を絞って家族を養えるようになりました。noteに書いた内容は、同じ悩みを持つ誰かへの手紙のつもりでした。今回の書籍化で、かつての私のように一歩を踏み出そうとしている人たちの背中を押せたら嬉しいです。

文藝春秋の担当編集者も、フジワラ氏の文章に初めて触れた際の衝撃をこう語る。

圧倒的な熱量と明晰な戦略に心を射抜かれました。これは単なるハウツー本ではなく、「弱さを武器に変えた」魂の記録です。業種を問わず応用できる内容で、人生の新しい扉を開いてくれる一冊になるでしょう。

フジワラ氏は神戸市出身・在住。大阪芸術大学を中退後、似顔絵師や会社員を経て、2020年にフリーランスのイラストレーターとして独立。現在は教科書や雑誌、企業カレンダー、パッケージイラストなど幅広い分野で活動している。

本書の元となったnoteは現在も公開中で、書籍の購入はオンラインでも可能。