漫画家・士郎正宗の画業を集約した公式原画集『Shirow Masamune Artworks in the Shell』が、2025年4月11日(金)に講談社より発売される。
この画集は、翌日から世田谷文学館で開催される初の大規模展覧会「士郎正宗の世界〜『攻殻機動隊』と創造の軌跡〜」の公式アイテムとして刊行されるもので、作家自らが監修した約260点以上のカラー原稿を収録。アナログ原稿からデジタル出力原稿まで、緻密かつ艶やかなイラストが詰まった一冊だ。
収録作品は、商業デビュー作『アップルシード』や初期の『ブラックマジック』から代表作『攻殻機動隊』、さらには『ドミニオン』『仙術超攻殻ORION』といった映像化作品に至るまで幅広い。ゲームや小説の挿絵など、40年以上にわたる活動を網羅しており、まさに士郎正宗の創作世界を“視る”ことで辿るビジュアルブックとなっている。
ページ数は304ページと重厚で、判型もA4変型判という大判サイズ。緻密なタッチをより楽しめる仕様となっているほか、作家・島田荘司の小説『Classical Fantasy Within』に収録されている折りたたみイラストは、3〜4ページにわたる特大観音開きで掲載。細部にまでこだわる士郎の画力を余すところなく味わえる。
本書は描き下ろしのカバーイラスト付きの特製ケースに収められており、価格は税別6,000円。全国書店および各オンラインストアにて購入可能だ。
また、画集とあわせて注目したいのが展覧会「士郎正宗の世界〜『攻殻機動隊』と創造の軌跡〜」である。2025年4月12日(土)から8月17日(日)まで、東京都世田谷区の世田谷文学館にて開催されるこの展覧会は、士郎正宗の作品世界を深く掘り下げる初の本格的な個展となる。
主催は公益財団法人せたがや文化財団世田谷文学館、講談社、パルコ。協力には青心社、士郎正宗本人の名も名を連ね、空間構成はトラフ建築設計事務所、グラフィックデザインは坂脇慶と飛鷹宏明が担当するという、気鋭のクリエイターたちによる豪華な布陣となっている。
休館日は月曜(祝日の場合は開館し、翌平日が休館)で、チケットは現在イープラスにて発売中。士郎正宗ファンならずとも、SF・ビジュアルアートに興味のある人にとって必見のイベントとなりそうだ。
展覧会と画集を通じて、士郎正宗が描き続けてきた“未来”の視覚世界に、じっくりと浸ってみてはいかがだろうか。