ユヴァル・ノア・ハラリの最新作『NEXUS 情報の人類史(上・人間のネットワーク/下・AI革命)』(柴田裕之訳)が、2025年3月5日に河出書房新社から発売される。ハラリ氏は、『サピエンス全史』『ホモ・デウス』『21 Lessons』で知られる世界的な歴史学者であり、最新作では「情報」を軸に人類の歴史を読み解く。

本書は、石器時代から現代、そしてAI時代に至るまで、人類が情報とどのように関わり、社会を形成してきたのかを探る。民主主義の危機やAIの進化がもたらす未来を論じ、現代における情報の影響を浮き彫りにする。特に、AI技術が急速に発展する中で、人類の選択が未来を左右するという視点を提示している。

本書の発売に先立ち、台湾のデジタル発展相を務めたオードリー・タン氏や、『人新世の「資本論」』著者である経済思想家・斎藤幸平氏が推薦コメントを寄せた。斎藤氏は「本書のAI論は、混迷する世界で民主主義を守るための羅針盤になる」と述べ、タン氏は「進化するデジタル時代で人々を導く羅針盤となる」と評価した。

また、米ニューヨーク・タイムズ紙は、Microsoft創業者のビル・ゲイツ氏が『NEXUS 情報の人類史』を読了後、「基本的には、彼(ハラリ氏)が正しくて、私(ゲイツ氏)が間違っていたと思う」と述べたインタビュー記事を掲載(2025年1月30日)。さらに、朝日新聞のインタビューでは「我々が賢明であれば、(AIの)マイナス面は最小限に抑えられる」と語った(2月4日)。

国内外の書店関係者からも高い評価が寄せられており、「知的好奇心を刺激され、一気に読んでしまった」(山形・こまつ書店東根店)、「これほど多くの人類の課題を分析し尽くした本に出合ったことがない」(大阪・TSUTAYA BOOKSTOREららぽーとEXPOCITY)などの声が届いている。

海外メディアの評価も高く、英国フィナンシャル・タイムズ紙は「啓蒙的であり問題作でもある」と評し、エコノミスト紙は「数千年のスケールで議論を展開しつつ、時代精神を完璧に捉えている」と絶賛。AI開発の第一人者であるムスタファ・スレイマン氏(Microsoft AI CEO)は「AIの影響を考えるうえで、決定的なタイミングで登場した重要な本」と述べた。

本書は、人類の情報ネットワークの歴史を紐解き、AI革命の本質に迫る一冊。歴史学者としての知見を活かし、現代社会が直面する課題とその解決策を提示する内容となっている。