東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が16日、東京2020エンブレム委員会を開催し、エンブレムを選定するためのコンペの応募要項を決定した。委員会終了後、宮田亮平委員長(東京藝術大学学長)が記者団に説明した。
この日決定された「東京2020大会エンブレム デザイン募集のご案内」(応募要項)では、応募資格は、受賞歴の有無などは問わず、2015年4月1日の時点で18歳以上の日本国籍の人、及び日本在住の外国籍の人(日本国内の住民票を持つ人)と定められている。個人以外にもグループ(10名以内)での応募も可能で、グループの場合、上記の年齢や国籍の条件を満たしている人を代表者とする。これにより、子供が製作した作品を親が代表者となったグループが提出することなども可能になる。宮田委員長は、受賞歴やデザイン経験を条件にするなどして応募資格保有者を限定することを止めたことを強調し、「可能な限り多くの人に応募してもらいたい」と語った。
併せて、応募要項は、FAQと共にできるだけ早くオフィシャルホームページからダウンロードできる状態にし、併せて、応募の関するコールセンターを設置することを明かした。
応募要項によると、応募作品は、東京2020大会公式サイトにて案内される応募サイトから、「jpg」と「pdf」の2つの形式で提出する(手書きをスキャンしたものや写真に撮ったものは不可)。1人(1グループ)1点限り。応募期間は2015年11月24日正午から2015年12月7日正午まで。結果発表は、2016年春頃の予定。
応募された作品をどう絞り込み、絞り込み後の審査のプロセスがどうなり、国民が審査の過程にどう参画するのかなどは白紙という。宮田委員長は私見として、“国民投票”については「やりたいです」と明かした。同時に、“国民投票”を実現するためには、商標やスケジュールなどクリアしなければならない問題があることにも触れた。
次回の会合は10月22日に行われる。今後は、審査のプロセスや国民参画の方法などを話し合うという。
この日、委員会は午後4時30分に開始。冒頭、森喜朗東京五輪組織委員会会長から「委員の皆様の議論の積み重ねが国民の皆様に伝わり、誰からも愛されるエンブレムの誕生に繋がることを期待いたしております」などと挨拶があった。委員にデザイナーを加えるべきとの意見を受けて、新しくグラフィックデザイナーの勝井三雄氏と、デザインコンサルタント/PAOSグループ(東京・上海)代表の中西元男氏が委員に加わったことが紹介され、両氏から挨拶が行われた。
宮田委員長から、コンペの応募締め切りが12月7日と決まっており、デザイナーに限らずに広く公募することなどが確認され、この日の委員会において、応募要領についての最終確認を行うことが説明され、議論に入った。
(2015年10月19日 RBB TODAY)《竹内みちまろ》