GLOE株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:谷田優也、古澤明仁)と株式会社ウェルモ(本社:福岡県福岡市中央区、代表取締役:鹿野佑介)は、2025年春から高齢者向けデイサービス施設でゲームを活用した実証実験を開始する。これは、高齢化社会の課題解決を目指し、ゲームを介護現場に導入する新たな取り組みだ。
超高齢社会が直面する課題
日本の高齢化率は2007年に21%を超え、現在では29.3%に達している。この加速する高齢化に伴い、認知症の発症者数も急増。2025年以降は1日あたり約130人が認知症を発症すると試算されており、認知症予防は国家的な課題となっている。特に、社会的孤立の防止や「フレイル」と呼ばれる加齢による機能低下への対応が重要視されている。
しかし、デイサービス利用者の7割が施設外では他者と交流せず、フレイル予防プログラムへの関心も低い現状がある。このため、楽しみながら参加できる新しいアプローチが求められている。
ゲームがもたらす可能性
GLOEとウェルモは、介護とゲームのノウハウを融合させた実証実験を行う。ゲームは、運動や脳トレに加え、楽しさや達成感、協力や競争といった社会的交流を促す効果が期待されている。また、インターネットを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)により、自宅にいる高齢者もオンラインで参加できる仕組みを構築。社会的孤立の防止や多世代交流の促進を目指す。
さらに、ゲームを導入することでデイサービス職員の負担軽減や業務効率化も図られる。これにより介護業界全体のDX化が進み、若年層の介護業界への関心を喚起する効果も期待されている。
実証実験の概要
この実証実験では、以下の項目を中心に効果を検証する。
高齢者の認知機能や身体機能の改善
デイサービスへの参加意欲や行動の変化
職員の業務量の変化と負担軽減
ゲームを通じたモニタリングの有効性
さらに、持続可能で導入しやすいプログラムの開発を目指す。高齢者が主体的に取り組める新たなゲームやレクリエーションを開発し、全国の介護施設への展開を構想している。
未来への展望
GLOEとウェルモは、高齢者がゲームを通じて社会と繋がる「ゲーミング特化型デイサービス」の運営を計画している。これにより、高齢者間だけでなく多世代交流の場を提供し、孤立化のない超高齢社会の実現を目指す。
両社の代表は、「ゲームが持つ可能性を介護分野で最大限に活かし、新たな価値を提供したい」と意気込みを語る。この取り組みは、ゲームと介護の融合を通じて、高齢者の生活の質を向上させるとともに、持続可能な介護業界のモデルを示すものとなるだろう。