面白企画創造集団・トコナツ歩兵団(以下トコナツ)は、2010年に結成されたプロフェッショナルなクリエイター集団である。結成当初は12人だったメンバーも、14年を経て25人に増え、これまでに300以上のプロジェクトを手掛けてきた。トコナツは企業や地方自治体向けに、無形の要素(プロモーションやサービス、商品、イベント)から有形の要素(施設や都市計画)まで、幅広く企画・デザイン・プロデュースを行っている。
トコナツの特徴は、あえて会社化せずに屋号のままで活動している点だ。これにより、チーム内の上下関係や内部都合を排除し、フラットな関係性を維持しつつ、プロジェクト毎に最適なクリエイターをキャスティングできる。この柔軟なチーム編成が、クライアントや仲間と一緒に楽しみながらプロジェクトを成功に導いてきた理由の一つである。
トコナツが手掛けた代表的なプロジェクトには、東京駅のイベント「TOKYO 桜吹雪 STATION」や、静岡県島田市での体験型フードパーク「KADODE OOIGAWA」、福島県いわき市の都市計画「新・いわき湯本温泉まちづくりビジョンブック」などがある。これらのプロジェクトは、小規模な販促プロモーションから都市計画まで、多岐にわたる。
トコナツの団長である渡部祐介氏は、富士急ハイランドのアトラクションプランナーや楽天トラベルの観光プロデューサーとしての経験を経て、2010年に仲間たちと共にトコナツを結成した。「ニッポンを、セカイを、オモシロく」という理念のもと、様々な分野で活動している。
トコナツの成功の鍵は、「クライアントとともに楽しむ」という姿勢にある。プロジェクトにおいて、クライアントも含めたチーム全体で楽しみながら企画を進めることで、成功を収めてきた。トコナツに依頼が来るオファーは、他の企業や自治体でうまくいかなかったプロジェクトが多く、トコナツの独自のアプローチが評価されている。
今後、トコナツは若手クリエイターによる新たなチーム「トコナツ歩兵団 ザ・ヤング」の結成も視野に入れている。これにより、トコナツの理念を次世代に継承し、さらなる発展を目指している。
14年間でトコナツが手掛けたプロジェクトは、日本国内の多くの地域で実施されており、成功例も多い。しかし、「セカイをオモシロく」という目標にはまだ道半ばである。今後は、世界での活動も視野に入れつつ、引き続き国内外でのプロジェクトに取り組んでいく予定だ。