アドビ(Nasdaq: ADBE)は3月27日、デジタルエクスペリエンスカンファレンス「Adobe Summit」において、マーケター向けのAIエージェント「Adobe Marketing Agent」のプライベートプレビュー版を発表した。また、Microsoft 365 Copilotとの連携を強化し、新たに「Adobe Express Agent」の開発を進めることも明らかにした。
これにより、Adobe Marketing Agentの機能がMicrosoft Teams、PowerPoint、Wordなどのアプリケーション内で利用可能になり、マーケターの業務効率向上が期待される。
アドビのデジタルエクスペリエンス部門のシニアバイスプレジデント、アミット・アフジャ氏は「企業は競争力を維持するため、効率性と生産性向上が求められている。Adobe Marketing AgentとAdobe Express Agentは、マーケターが日々の業務の中でアドビの機能を活用し、効果的なコンテンツ作成やパーソナライゼーションの推進を支援する」と述べた。
また、MicrosoftのCopilot担当コーポレートバイスプレジデント、チャールズ・ラマナ氏は「アドビのAIエージェントにより、マーケターがインパクトのあるキャンペーンを作成し、顧客体験向上に取り組めることを嬉しく思う。Microsoft 365 CopilotとAdobe Marketing Agentの組み合わせが、人間の創造性を拡張する」とコメントした。
Adobe Marketing Agentは、Microsoft 365 Copilotの会話型インターフェースを通じて、Adobe Experience Platformのデータやインサイトにアクセス可能にする。これにより、ターゲットオーディエンスの絞り込みや、パーソナライズキャンペーンの作成が簡単に行える。
また、Adobe Customer Journey Analyticsとの連携により、マーケターは必要なインサイトを迅速に取得し、Microsoft 365のアプリケーション上でキャンペーンのパフォーマンスレポートを作成できる。さらに、Adobe Workfrontとの統合により、業務管理の効率化やチーム間のコラボレーション強化も実現する。
アドビは、Microsoft 365 Copilotと連携し、PowerPointやWord上で直接魅力的な画像を作成できる「Adobe Express Agent」も開発中だ。このエージェントを活用することで、マーケターだけでなく、他部門のチームも高品質なビジュアルコンテンツを迅速に制作できるようになる。
さらに、Adobe Marketing Agentは、マーケティングキャンペーンのコンテンツ制作から配信、分析までを一貫して管理する「コンテンツサプライチェーン」の最適化にも寄与する。これにより、マーケターやクリエイターは、アドビとMicrosoftのソリューションを活用しながら、効率的なコンテンツ運用が可能になる。
マーケティングの自動化を支援する「GenStudio for Performance Marketing」では、LinkedIn Adsとの連携を強化し、B2Bマーケティング向けのキャンペーンアセットを迅速に作成できるようになった。さらに、Microsoft Advertisingを通じて、ディスプレイ広告向けのアセット作成にも対応している。
今回のアドビとMicrosoftの協業強化により、AI技術を活用したマーケティングの効率化が加速することが期待される。