SOUNDRAW株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長:楠太吾)と慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(以下KMD、横浜市港北区、研究科委員長:稲蔭正彦)は、AI技術を活用した音楽クリエイティブ支援環境のデザインに関する共同研究を開始した。

AI技術の補完的役割を追求
SOUNDRAWはAIを活用した楽曲生成サービスを提供する日本発の企業で、誰もが簡単に楽曲を自動生成できる技術を開発している。しかし、同社のビジョンは単なる楽曲生成ではなく、AIをクリエイター向け製作ツールとして活用することにある。楠氏は「AIは人間のクリエイティブを代替するものではなく、補完する技術だと考えている」と述べ、クリエイターの創作活動を支援することに重点を置いている。

研究の目的とパートナーシップ
共同研究は、KMD岸博幸研究室および音楽配信事業を手掛けるTuneCore Japanの協力のもと進められる。特に、日本および世界でのAI音楽生成ツールを活用したコンテンツ制作におけるユーザー体験(UX)の最適化や、未整備の権利問題に焦点を当てる。また、クリエイターの視点からAI技術をどのように活用するのが有効かを検証し、新たなクリエイティブ環境の可能性を探る。

具体的な検証内容
日本を拠点とする音楽クリエイターがSOUNDRAWのサービスを用いて楽曲を制作する実例を分析し、AIがどのように創作活動を補助しているかを確認する。また、創作経験の浅い一般ユーザーにも焦点を当て、AIの活用がどの程度創作意欲を活性化するのかを探る。こうした研究を通じて、クリエイティブ活動の促進と権利保護を両立する社会的な仕組みを提案することが目指される。

本研究の成果は、クリエイターがより安心して創作に専念できる環境の構築や、日本の音楽産業全体の発展に寄与することが期待される。プロジェクトの詳細や進捗は公式サイトで公開される予定だ。