さまざまなことに活用されているAI。動画編集でもAI機能を活用している人が増えている。そこで、株式会社ワンダーシェアーソフトウェアは、動画編集をする方を対象に「AI活用」に関する調査を実施。動画編集でAI機能を活用している人が6割にものぼっていることや、人間にしかできないことなどが明らかになった。

調査概要:「AI活用による動画編集のスキルセット」に関する調査
【調査期間】2024年9月17日(火)~2024年9月18日(水)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,010人
【調査対象】調査回答時に動画編集をすると回答したモニター
【調査元】株式会社ワンダーシェアーソフトウェア
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ

動画編集でAI機能を活用する方は約6割!約4割が便利だと思う機能とは

はじめに、「動画編集の際にAI機能を活用していますか?」と質問したところ、約6割の方が『はい(58.2%)』と回答。この結果から、AI技術が動画編集の分野で広く受け入れられ始めていることが示された。

「動画編集の際にAI機能を活用することにはどのようなメリットがあると思いますか?(複数選択可)」と質問したところ、『シンプルな編集作業を自動化できる(61.5%)』と回答した方が最も多く、次いで『時間とコストを削減することができる(52.2%)』『誰でも簡単に動画を制作することができる(40.3%)』となった。

6割以上の方が「シンプルな編集作業の自動化」、半数以上の方が「時間とコストの削減」を挙げていることから、動画編集におけるAI機能の魅力は、効率化と生産性向上にあると考えられる。他にも、専門技術がなくても簡単に動画が作成できる点も重要視されているようだ。

では、具体的にどのようなAI機能を便利だと感じているのだろうか。続いて、「便利だと思うAI機能は何ですか?(複数選択可)」と質問したところ、『ノイズ除去(40.7%)』と回答した方が最も多く、次いで『シーン検出(34.4%)』『自動字幕生成(30.1%)』となった。ノイズ除去やシーン検出、自動字幕生成など、編集の手間を減らせる機能が特に評価されているようです。時間がかかる作業を効率化できるため重要なツールとなっていると考えられる。

「AI機能を活用することで、クリエイティブな表現の幅は広がると思いますか?」と質問したところ、『とてもそう思う(37.4%)』『ややそう思う(46.8%)』『あまりそう思わない(13.2%)』『まったくそう思わない(2.6%)』という結果になった。

「とてもそう思う」と「ややそう思う」を合わせた8割以上の方がクリエイティブな表現の幅が広がると感じていることから、AI機能は単に編集作業を効率化するだけでなく、クリエイティブな可能性も広げていることが明らかになりました。一方で、AI機能について何か課題は感じているのだろうか。

「AI機能を活用した動画編集において、課題だと思うことは何ですか?(複数選択可)」と質問したところ、『著作権や肖像権を侵害していないか人間が確認する必要がある(47.1%)』と回答した方が最も多く、次いで『編集の精度が不十分で、人間の手直しが必要になる(42.3%)』『操作や設定が難しい(30.8%)』となった。

AI機能の活用において、著作権や肖像権を侵害していないか確認する必要があると約半数の方が認識していることから、権利を侵害することへの懸念が強いことがうかがえる。

AI機能が進化していくことで、動画編集をする“人間”に求められるスキルとは?

「AI機能を活用した動画編集で、人間の判断が重要だと思う作業は何ですか?(複数選択可)」と質問したところ、『最終的な品質チェック(52.4%)』と回答した方が最も多く、次いで『著作権や肖像権を侵害していないかの確認(43.9%)』『ストーリーなど全体の流れの構成(39.3%)』となった。

半数以上の方が、作品の品質を保つには最終的な人間のチェックが欠かせないと回答した。また、著作権や肖像権を侵害していないかの確認、全体の構成もAI機能が自動で判断するには限界があり、人間の知識や感覚が必要とされているようだ。

「動画編集でAI機能を使いこなすにはどのようなスキルが求められると思いますか?(複数選択可)」と質問したところ、『生成された素材を適切に選別・編集する(40.4%)』と回答した方が最も多く、次いで『効果的に活用して作業効率を向上させる(38.4%)』『データ分析をもとに視聴者の好みを予測する(28.9%)』となった。

生成された素材を適切に選別・編集するスキルが求められると約4割の方が回答したことから、AI機能が生成した素材を単に使うだけでなく、人間が価値のある部分を見極めて活用する能力が重要であると考えられる。他にも作業効率を上げるためのAI機能活用スキルも、効率的に編集を進めるために必須の要素といえるだろう。

AI機能が進化していくことで“人間”に求められる役割は最終的な調整

「AI機能が進化していくことで、動画編集において“人間”の役割はどのように変化していくと思いますか?(複数選択可)」と質問したところ、『AI機能が基本的な編集を行うので、人間は最終的な調整に注力するようになる(40.4%)』と回答した方が最も多く、次いで『技術的な作業をAI機能に任せることで、クリエイティブ面の役割が重視される(39.8%)』『AI機能の操作と設定に特化したスキルが求められる(35.1%)』となった。

AI機能が編集の基本部分を担うようになり、人間はより細部の仕上げに専念する役割が期待されていることが明らかになった。では、AI機能で個性を出すにはどのような工夫をしたらよいのだろうか?

「AI機能を活用して個性や雰囲気のある動画に仕上げるためにはどのような工夫が必要だと思いますか?(複数選択可)」と質問したところ、『提案されたシーン構成をもとに、独自のストーリーテリング要素を織り込む(31.8%)』と回答した方が最も多く、次いで『AI機能を使用しつつ、独自の音楽や効果音を追加する(29.0%)』『AI機能を活用しつつ、地域特有の言い回しや表現を取り入れる(28.8%)』となった。人間の独創性や物語性が重要視されていることがうかがえます。他にも音楽や効果音の追加、地域特有の表現を取り入れるといった工夫も必要そうだ。

AI時代だからこそ人間ならではの感情を反映した動画編集術が必要に

最後に、「AI機能を活用しても、“人間”にしかできない動画編集の要素は何だと思いますか?(複数選択可)」と質問したところ、『視聴者が共感できる内容など人間の感情を考慮した編集(37.2%)』と回答した方が最も多く、次いで『著作権や肖像権、社会規範や倫理的な観点を考慮した適切な判断(35.0%)』『経験や直感に基づく創造的なアイデア(33.8%)』となった。

共感を引き出すなど人間の感情を考慮することがAI機能にはできない重要な役割であることが示されている。加えて、著作権や社会規範などに関する判断、そして経験や直感による創造的なアイデアも人間ならではの強みとして認識されている。

AI機能の進化で重視されるのは人間にしかできない役割!感情に寄り添い、人間だからこそ生み出せる創造性を生かした動画編集を

今回の調査で、AI機能の進化により、これからの動画編集では人間であるからこその役割や要素が重視されていくことが明らかになった。

動画編集にAI機能を活用している方は約6割おり、そのメリットとして「シンプルな編集作業の自動化」「時間とコストの削減」「誰でも簡単に動画制作ができる」ことがあげられました。AI機能を活用することで、効率化でき生産性も向上させられることがうかがえる。

便利だと思うAI機能では「ノイズ除去」「シーン検出」「自動字幕生成」が上位にあがり、このような機能が動画編集を行う方に重宝されていることが示された。

AI機能を活用した動画編集での人間の判断が重要な作業について質問すると、「最終的な品質チェック」「著作権や肖像権を侵害していないかの確認」「ストーリーなど全体の流れの構成」があげられ、動画の質を保つためには人間の判断が重要であることがうかがえる。

動画編集でAI機能を使いこなすために求められるスキルについてうかがうと、約4割の方が「生成された素材を適切に選別・編集する」と回答。「効果的に活用して作業効率を向上させる」「データ分析をもとに視聴者の好みを予測する」なども上位にあがり、AI機能が生成したものについての適切な選別や効果的な活用が求められるスキルセットであるようだ。AI機能が進化していくことで人間の役割はどのように変化していくと思うかという質問には、「最終的な調整」「クリエイティブ面」「AI機能の操作と設定に特化したスキル」という回答が上位にあがり、細部の仕上げや創造性のある内容、AI機能の操作面などの役割が重視されていくことが予想される。

AI機能を活用しても人間にしかできない動画編集の要素について聞くと、「視聴者が共感できる内容など人間の感情を考慮した編集」「著作権や肖像権、社会規範や倫理的な観点を考慮した適切な判断」「経験や直感に基づく創造的なアイデア」という回答が寄せられた。

共感性など人間にしかわからない感情の機微や、権利侵害や社会規範や倫理的な観点での配慮、経験や直感に基づく創造性など、AI機能では補えない内容があげられ、人間だからこそ視聴者である人間の感情に寄り添うことや、人間だからこそ生み出せる創造性が重要であることが示された。AI機能がこれからも進化していくからこそ、AI機能を活用しつつ人間にしかできない役割を重視し、必要なスキルを身につけていくことで、より視聴者を惹きつける動画を制作できるのではないのだろうか。

引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000859.000020603.html